十月に入った。
旧暦では神無月と称され、全国の神様が出雲大社に集合で、各地に神が不在になると伝えられてきた。
そのせいで神の助けが消えたためか、私の左膝関節がここのところ急に痛くなった。
起居動作に加えて歩行も跛行となって辛い。
痛みに恐れても不足ない年齢だから、娘は何事もなかった今まで方が不自然なのだと言ってくれた。
「老いては子に従え」を地で行きながら自我を張らずに弱気で生きることにしている。
十二年前に夫が逝き、孤独の自由とばかり日常生活の身の回りのことを100%こなせていたという自負も、そろそろ限度がきたように思う。
自己満足もほどほどにして、あれこれと細かいことにまで手を差し出してくれる娘に感謝しながら、もっともっと素直にならねばと反省している。
十一月になれば神様が戻ってくる。
神の助けを受けながら、頑固な私を返上したい。