今年も干支づくりを始めました。
手芸サークル糸の会へ入会したのが辰年でしたから、干支が一周し12年の歳月が流れたことになるのです。
この12年間でも世の中は様変わりしました。
十二支の中で辰が一番難関の作品だと私は思っていますので、例年より早めに着手しました。
折悪しくその頃から右膝の痛みに悩まされて、一向に作品作りがはかどらないのがとても口惜しく思います。
十二支は「ね、うし、とら‥」と実在する動物ばかりなのに、辰だけが架空の恐ろしい動物として加わっています。
昔の人は竜は先祖神であり自然現象でも竜神が存在するとして、その祟りを恐れていたそうです。
竜巻もその一例だと思います。難関を乗り越えることを登竜門突破と表現しています。
俗に言う竜頭蛇尾とは、はじめは威勢がいいが、終りには全く勢いがなくなることの意で、頭は竜のように立派であるが、尾は蛇のように貧弱な様。
地域興しのイベントが竜頭蛇尾に終わるなどと、使われています。
そういえば、目下のところ手作りしている干支の辰もそのような姿をしていると眺めているところです。
恐ろしさの一方、浦島太郎のおとぎ話のように竜宮城での夢の世界が雅びやかに展開されるのも面白いです。
現実を忘れて宇頂天になりすぎて生きることへの不幸な結末が、とても悲しいです。
今の世の中にも通じる大きな警戒でもあると、再考しています。笑ってばかりではいられません。
現代は恐れを忘れた世界でもあります。
日本は自由と民主主義の過剰で墜落し、平和の甘美と欲望の充足にどっぷり、次の戦争の恐ろしさを知らない昨今の状況です。
増税メガネの人気はさらに下降し、国の借金1300兆円迫るとのことでぞっとします。
辰の祟りに触れないよう、箍を締め直す機にあると思います。