きょうだい児とは、障がいのある兄弟姉妹をもつ子のことです。

自分が生まれた時、もしくは障がいのある弟や妹が生まれた時から、きょうだい児としての生活が始まります。

 

 

前回の記事は、こちらです。

 

 

 

 

きょうだい児はストレスを抱えやすい傾向があります。

その理由は、以下のことが挙げられます。

 

 

・障がいのある兄弟姉妹に親がかかりっきりになってしまう

・家のことに関して、お手伝いをする機会が多い

・親から頼りにされている

・自分のことを親が見てくれていないんじゃないかと感じる

・友達との会話についていけないことがある

・親の負担を減らそうと頑張る

・迷惑をかけないように気をつけようと思う

・自分がしっかりしていないと!と感じる

・他の人と違うことにショックを受ける

・親の愚痴やストレスの吐口になってしまうことがある

・自由に遊べない

 

 

 

ストレスに感じる要因や環境は、それぞれの家庭環境で異なってくる部分もありますが、障がいのある兄弟姉妹を支えることや、親の手伝いをすることが当たり前という状況がほとんどです。

 

 

 

小さな時には、

 

・こんなこともできるようになったんだよ!

・前まではやらせてもらえなかったことを、手伝えるようになったんだ!

・この間よりも、上手にできるようになったよ!

・もっと何か手伝えることは無い?

 

 

などと、ストレスに感じるよりも、なんでもできるようになることや頼りにされていることが嬉しく感じます。

お手伝いをすることで、親や周りの人が褒めてくれるからです。

 

 

なかなか自分自身のことを見てもらえないという経験をしているからこそ、褒められたい、もっとやってあげたい、という前向きな感情に溢れています。

 

 

 

 

だんだんと歳を重ねてきて、自分の時間が欲しいと思った時、嬉しいという感情がストレスに変わっていきます。

 

 

・友達と一緒に遊びたいけれど、いつも遊べない

・本当はやりたいことがあったけれど、我慢しないといけない

・いつも好きなことをやることができない

・後回しにされて、ちゃんと向き合ってもらえない

・わたし(ぼく)も大変な想いをしていること、知ってる?

・もっと理解しようとしてほしい

 

 

成長するにつれて、一人でできることが増えていくので、親の手を離れるのが早いです。

それでも、親からは頼りにされていて、今までやってきた経験もあるので、頼まれると断ることができません。

 

 

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本当は、断りたいんです。

自分の時間を大事にしたいんです。

障がいのある兄弟姉妹にとらわれないで過ごしたいんです。

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こんな気持ちを持っているけれど、苦労している親の姿を見ているので、

 

 

”親の負担を減らさないと”

”できることはやってあげないと”

”わがまま言っちゃいけない”

”兄弟姉妹の方が大変な思いしている”

 

 

と自分の気持ちを出さず、自分の気持ちとは違う行動をするようになります。

本当の気持ちを出してしまったら、親が悲しむ姿が目に浮かぶからです。

障がいのある兄弟姉妹が苦労することがわかっているからです。

 

 

そんな苦しい思いはしたくないとも思っています。

 

 

だから、自分の悩みも相談することがほとんどできません。

そもそも、相談したいことは悩み事なのか、わからなくなることもあります。

現実を見れば見るほど、相談することを避けたり、忘れようとします。

 

 

 

後々になってから、その感情が爆発してしまうこともあるんですけどね。

爆発するまで気が付かないように扉を閉じてしまっています。

 

 

 

 

このような背景を持っているきょうだい児ですが、このことが自分の人生をより良くするためのきっかけになっていることもあります。

 

<似たような状況にいる人の気持ちに寄り添える>

悩みが言えない

何かに囚われている

親が忙しくって相談できない

 

きょうだい児でなくても、似たような状況に置かれている人がいます。

背景は違えど、ストレスを抱えやすい状況であることに変わりはありません。

 

 

”なんだか、自分と同じような感じがする”

 

 

と、瞬時に察知することができ、その人に寄り添うことができます。

自分の悩みの相談はできないけれど、その人の悩み事を聞いたり、何か解決できる方法を一緒に考えようとすることができます。

少しでも、相手の気持ちが楽になってくれて、『ありがとう』と言ってもらえたら、”自分がやったことは間違っていなかったんだな”と自信を持つこともできるようになります。

 

 

 

<人の悩みを聞いて、自分の悩みを整理できる>

人の悩みを聞く機会が増えると、自分と同じ悩みを抱えている人に出会うことがあります。

”あ、この人と悩んでいることが同じだ”

そう感じた時に、相手の悩み相談を受けていながら、頭の中では、自分自身の悩みを解決するようになっています。

 

「こんな方法だとどう?」と自分自身が取り入れやすい方法を提案することができます。

その方法が、相手には合わなかったことだとしても、自分の中では取り入れられることなので、ストレス解消または軽減のために活用することができます。

 

相手の悩み事を聞きながら、相手に合わせた対処法を見つけるとともに、自分自身も悩みを解決できるようになります。

 

 

 

 

 

なかなか、きょうだい児と同じ悩みを持っている人は多くありません。

そのため、ストレスを人一倍抱えやすく、体調を崩してしまうこともあります。

 

そんな中で、少しでも自分の気持ちを言える場があれば、きょうだい児が楽に過ごすことができるようになると考えています。

もちろん、誰かのお悩み相談を聞いて、解決するという能力を発揮して、自分の気持ちを整理することもできるので、どんどん活用していけばいいと思います。

 

 

”どうしたらいいんだろう”

 

 

そう思い悩んでしまうこともありますが、自分だけの悩みじゃ無いのかもしれない、と他の人の話を聞いてみたり、人に頼ったりすることで、思いの外、早くストレスが軽減することもあるのです。

 

 

きょうだい児が、自ら抱えているストレスがわかり、それに対する対処法を様々な角度から探すことができたら、自分の人生をもっと豊かにすることができると考えています。

 

 

 

次回に続きます。

きょうだい児は「同情されるのが嫌だ」