きょうだい児とは、障がいのある兄弟姉妹をもつ子のことです。

自分が生まれた時、もしくは障がいのある弟や妹が生まれた時から、きょうだい児としての生活が始まります。

 

 

前回の記事は、こちらです。

 

 

初めて会う人や数回しか会ったことがないけれど、もっと話を聞いてみたいと思う人に対して、

みなさんは、どのような質問を行いますか?

 

はじめのうちは、

・出身地

・血液型

・好きな食べ物

・趣味

 

など、他愛もない話題をあげて、会話をしていくと思います。

 

質問が深まっていくにつれて、必ず出てくるのが、”一人っ子か兄弟姉妹がいるか”です。

 

 

一人っ子であれば、そこで話しが終わったり、新しい話題に移ることが多いかなと感じています。

しかし、兄弟姉妹がいる場合は、そうではありません。

 

・何人きょうだいなの?

・何番目なの?

・お兄ちゃん(お姉ちゃん)?、弟(妹)?

・年は何歳離れているの?

 

大体こんな感じで、話しが進んでいきます。

そして、

・一緒に住んでいるの?

・どこにいるの?

・どんな仕事しているの?

・もう結婚しているの?

・子どもは何人いるの?

 

 

質問責めの嵐です。

おそらく、きょうだい児でなければ、淡々と答えられる質問ではないかと思います。

きょうだい児でも、答えられる人もいると思います。

 

でも、質問の回答内容によっては、相手の気分を害してしまうかも知れない・・・

と考えてしまい、あえて曖昧に答えたり、他の兄弟の話のみをしたりすることがあります。

 

 

そう考えてしまう理由として、以下のことが挙げられます。

 

・障がいのある兄弟姉妹について、知られたくない。

・障がい者がいることが恥ずかしい。

・兄弟なのに、一緒に住んでいないのが変だと思われたくない。

・変に気を遣われるのが辛い。

・結婚適齢期なのに、結婚していないのをつっこまれたくない。

・施設にいるって言った時の、重苦しい空気になるのが嫌だ。

・障がいによって、仕事ができないことを馬鹿にされる気がする。

・本当のことを言ったら、離れていってしまうかも知れない。

・嫌われたくない。

 

 

障がいのある兄弟姉妹についての質問を受けたことがある人は、考えたことがあるのではないでしょうか。

 

”好き好んで、障がいを持ったわけではない”

”誰でもそうなる(障がいが出る)可能性がある(ゼロではない)”

”恥ずかしいことではない”

 

 

頭の中では、理解しているのです。

それでも、”相手になんて思われるんだろう”この気持ちが先に立ってしまいます。

 

 

特に、小学生の頃は、友達関係が優先されるため、

・嫌われないように

・当たり障りのないことを

・変な人って思われないように

 

と考えてしまいます。小さな集団の中から仲間外れにされてしまうのが怖いからです。

 

 

話をしてみたら、案外なんともなかった。すんなり受け入れてもらえた。

そういう経験をしたことがある人もいるでしょう。

だけど、そこに行き着くまで、時間がかかります。

 

 

他の人とは違う。どう思われるか気になる。

そんなことを考えてしまうため、

きょうだい児は「障がいのある兄弟姉妹について深く聞かれると戸惑う」のです。

 

だからこそ、本当のことが言えなくて一人で辛くなってしまいます。

 

 

最近は、同じ境遇の人が集まる自助グループやなんでも相談電話などが普及しています。

以前よりも、障がいに関する偏見も少なくなってきたように思います。

 

それでもなお、まだ本当のことが話せなくって、辛い思いをしている人が多くいます。

 

 

・障がいのある兄弟姉妹のことをきょうだい児が受け入れられるようになること。

・障がいがあることは悪ではない、ダメなことじゃない、と考えられること。

・嫌だなと思う自分自身を嫌いにならなくても良いこと。

 

少しずつ、周りの力も借りながら、辛い思いを緩和できるようになっていけたらいいなと思います。

 

そして、

・偏見や思い込みによって、傷つく人がいない世の中になること。

こんな世の中になったら、救われる人がたくさんいます。

 

 

本当のことを話しても大丈夫だ!隠す必要なんてないんだ!

 

 

きょうだい児がいつの時代も自分らしくいられるように、

受け止められる、受け入れられる状態になって欲しいです。

 

 

次回に続きます。

きょうだい児は「無理をしていることに気がつかない」