讃岐の歴史名所探訪の旅(8)~サヌカイトと庵治石~ | 凝り性 勝之進のこだわり日記

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次は石の話しです。

◆香川県には、瀬戸内海に

半島のように突き出た五色台という

名所があります。

五色台は、眺めが良いことのほかに、
南側の国分台などで「サヌカイト」

という石が採れることで有名です。

実は、今回の旅行で、勝之進が

香川に行こうと思ったのは、

丸亀城のほかに、このサヌカイトを、

手に入れたかったからです。

では、一体、サヌカイトとは、
どんな石なのでしょうか。

ひとことでいうと、
「カーン」「キ~ン」と鳴り響く
石なのです。

そこいらへんにある石を叩いても
コツンと音がするだけで、

「響く」という感じはしませんが、

サヌカイトは、明珍火箸ほどでは
ないものの、キレイに澄んだ音が

響きます。

地元では、古くから「カンカン石」

と呼ばれて来ました。
こちらです。


では、その音を聴いてみましょう

 


いかがでしょうか?
優しく鳴りますよね。

◆そんなサヌカイトについて、
詳しく書いて行きます。

 

ややマニアックなので、石に興味の

無い方は飛ばしてください。

まず、岩石の種類ですが、
黒色の安山岩です。

しかし、ただの安山岩ではなく、
古銅輝石を含む、ガラス質の多い
「古銅輝石安山岩」です。

約1400万年前、讃岐地方では

非常に活発な火山活動があり、

この時、地上に噴出したマグマが、

地表で急冷され、二酸化ケイ素が

60%もあるガラス質の安山岩が

できたのです。

まさに、自然が生んだ、黒色の

天然吹きガラスといっても
過言ではないでしょう。

◆サヌカイトの中を調べると、

大きさの揃った非常に細かい物質

(石基)が詰まっていて、

石の中に隙間や班晶が少なく、

緻密なのが特徴です。

そのため、硬度4の鉄や、

硬度5のガラスよりも硬い、

硬度7の岩石となっています。

一方、マグマが地表に流れ出た際、

冷えて生じた結晶が、ほぼ平行に

配列して縞模様をなすという

「流理構造」も持っています。

 

そのせいで、板状に割れやすいため、

取り扱いには注意が必要です。

ただ、この特徴のおかげで、

古代から「矢じり」に使われており、

それも頷けます。

鉱物の「粒」の並びが一定、かつ、

均一で非常に硬く、稠密なサヌカイトは、
岩石内の音の乱反射や吸収が少なく、
 

振動が均等に、しかも速く伝わるため、
澄んだ音で鳴り響くというわけです。

サヌカイトを使った石琴で作った音楽が

1964年の東京オリンピックで使われた

という情報もあり、調べてみましたが

音源までは判りませんでした。

◆サヌカイトを世界に紹介したのは

明治時代に日本にやって来た

ドイツ人学者・ワイシェンク博士

という方です。

 

1891年、博士は研究の結果、

この石が世界的に珍しい岩石であることを

突きとめ、讃岐にちなんで「サヌキット」

(英語名「サヌカイト」)と名付けました。

そして、このサヌカイトを、

一般に販売している唯一の店が
屋島寺の近くにあるのです。

それが扇誉亭(せんよてい)です。
こちらが店頭の写真です。

 

勝之進は、この中から2本選んで

買いましたが、お値段は、

合計約1万円でした。

◆買ってきたサヌカイトは、

我が家の玄関に置いてあり、毎朝、

出勤の際に、家内が鳴らしてくれるので、

とても癒されています。

◆さて、四国には、もう一つ有名な石が

ありますので、それも書いておきます。

 

それは「庵治石(あじいし)」です。

「花崗岩のダイヤモンド」と呼ばれるほど
高級な石材で、高級墓石として有名です。

花崗岩の中でも、非常に粒子の細かいのが
特徴で、細かい黒雲母と石英が不均一に
分布するため、磨くと「班(ふ)」が
浮いてくるのが特徴です。

庵治地方でしか取れないため、

加工品は非常に高価で、墓石ともなると、
目が飛び出るような値段がつきます。

その昔、道後温泉で天皇陛下用の
お風呂が庵治石だったことを
思い出しましたが、一体いくらぐらい
したんでしょうかね。。。
    
勝之進は、栗林公園の土産物屋で
小さな庵治石の花器を見つけて

買いましたが、1個欲しかったので

とても満足しました。


以上、四国の石のお話しでした。

(続く)

 

  庵治は「せかちゅう」の故郷でもあります。。。勝之進