はやぶさ2の成果 | 凝り性 勝之進のこだわり日記

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★Livin' On A Prayer★Once upon a time Not so long ago・・・ 
 

はやぶさ2号は、
2014年12月に打ち上げられ
2020年12月に地球に戻ってきて
カプセルを地上に返し、再び、
宇宙探索に向けて飛んでいきました。

カプセルの中には小惑星りゅうぐうに
タッチダウン(着陸)して採取した
サンプルが入っていました。

2023年3月、分析の結果が
JAXAから発表され、約2万種の
有機分子が検出されたと報告されました。

はやぶさ1号ではアミノ酸が検出されず、
残念がっていた科学者は、有機分子や
アミノ酸の発見に歓喜し、

100年以上にわたる宇宙の謎が
解ける日がくると、固唾を呑んで
分析結果の報告を見守りました。

何の結果を待っていたかというと、
アミノ酸の「左手型(L型)」と
「右手型(D型)」の「比率」
であります。

実は、生物を形作るアミノ酸は、
炭素原子に、いろんな「基」が
くっついて正四面体のような
形になっているのですが、

多くのアミノ酸は「左手型(L型)」と
「右手型(D型)」の2通りが存在し、
それぞれが、お互いに、相手を鏡で
映した形(鏡像異性体といいます)に
なっています。

そして、驚いたことに、地上の生物の
アミノ酸は99%が左手型(L型)
なのです。

実験室でアミノ酸を生成すると、
おおよそ50:50になるのに、

なぜ生物は99:1と極端に偏っているのか、
(ホモキュラリティ―といいます)
 
その問題が、長い間、科学者達を
悩ませてきました。

ある科学者は、宇宙から飛んできた隕石に
比率が偏っているものがあることを根拠に、

地上の生物の「比率」が大きく偏っているのは、
宇宙が起源であることの証拠である、
という説(パンスペルミア説)を
唱えました。

もし、りゅうぐうのサンプルにあった
アミノ酸の型の「比率」が偏っているならば、
人類が「宇宙からやってきた説」
が裏付けられるのです。

逆に、1:1であれば、
生物が宇宙起源である証拠にはならず、
りゅうぐうにも、地上の生物のような
ものはいないという、ことになります。

而して、比率はどうであったというと・・・

1:1でありました。

おぉ。これで、地球上で自然発生的に
生物が誕生した可能性(地球起源説)
が残りましたね。

もちろん、地球ができた45億年前は、
地上は熱でドロドロでしたので、
最初から生物がいた可能性はありません。

もし、今回の分析で比率が99:1だったら、
生物は宇宙からやってきた、という可能性が
強まるところだったのです。
 
はやぶさ2号は、多くの人々と、
一部の学者に大きな安堵をもたらした
という点において、とても大きな
成果をあげたといえるのです。

いやぁ、宇宙の話はおもしろいですねぇ。
 
    天文宇宙少年。。。勝之進
 
(雑誌からおかりしました。
ちょうこくしつ座の方向にある銀河)