アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~ -2ページ目

アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

勉強中であるアレクサンダー・テクニークについてと、それをトランペット演奏に活かすアイディア等を書いています。

アレクサンダー・テクニーク教師養成コース在籍。千葉県在住。
ツイッターもやっています。@toku_tp

タイトルを見て「え?いきなり??」と思った方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

トランペットに限らず金管楽器を希望した場合、最初にマウスピースだけ渡される事が多いのかなと思います。経験者の方は御存じ「マウスピース・バジング」ですね。フォロワーさんにもやった事ある方が多数いらっしゃいました。

マウスピースだけで音を出し、ある程度音階を吹く。初心者はマウスピースで音が出るようになってから、唇を振動させるための練習に必要、マウスピースで音が出ないと楽器は吹けない、良い音にならない・・・・

実はこれ、そうでもないのです。


前にも(こちら )にも書きましたが、楽器を吹く時のバジングとマウスピースだけのバジングは違う事をしています
なのでバジングのテストで楽器を選別してしまうと将来有望な子が誰なのか分からなくなってしまうのです!また何も考えずにマウスピースだけで吹くと唇を無駄にしめるクセがついてしまう事も・・・。

マウスピース・バジングをやめて4年経ちますが、アレクサンダー・テクニークのレッスンでも未だに「今力入れてたけど唇は何かしてくれるの?」「そこはだたの通り道だよ」「音を出すのにあなたがするのはこっち(お腹を指さして)だよね?」と言われます。(楽器演奏をされない先生にまで見抜かれるくらい、クセが残ってるみたいです。)

つまり必要なのは息を吹く事。空気は肺に入り、下から上に流れる事を意識して、それをやるという事なのです。

例えるなら、バジングはサドルを取った自転車をこぐような物でしょうか?

サドル(プレスや楽器の抵抗)のおかげで安定
するのに、常に立ちながら(唇をしめながら)こがなくてはいけない。ペダル(楽器)に力(振動)をスムーズに伝えた方が効率的なのに、立つ(安定する)事にも筋肉を使っているのでロスが生じバテる


ご存知の通り人は本来、生まれた時から何度失敗しても練習を繰り返して自分の物にしていける・・・
とても素晴らしい能力を持っています。トランペットも吹きながら調節して吹けるようになっちゃうんです。(ノイズや音程等に対して良い、悪いという意識がなければそこはそのままですが)

それを邪魔しているのは、世間一般的なトランペットのイメージだったりもしますね。

トランペットはマウスピースで吹けるようにならないといけない、唇を横に引っ張る、巻き込む、息を思いっきり入れる、肺活量が必要・・・なんてイメージを持っている人と、何の知識もない人なら断然後者の方が上達スピードは早いでしょう。

音を出すのに必要ではない事をなぜわざわざ行うのでしょうか?また、バジングが出来ないからといってセンスが無いと誰が言えるのでしょうか??アレクサンダー・テクニークの考えから不必要な事を手放す、やりたい事を最小限の力でやるのであれば、必ずしも必要ではないんですね。


また、無意識の
習慣になっている方はバジングをしないと不安で仕方がないのだと思います。唇が振動するかどうか不安・確認したいという理由でバジングをしているのなら、楽器を付けたとしても「唇に対する不安」は消えないのではないかな?と思うのです。なぜならバジングする事によって唇(振動)への意識がより強くなっていると思うので。

ここでアレクサンダー・テクニークを使うとそういったイメージ・不安を持っていても対応する事が可能です。1を思った時点でかなり変わってるはずです

1、頭動けて、体全部がついてきて(と思い続ける)
2、マウスピースが口にやってきて、腕は楽器についていって
3、息は下から上に流れる事を意識して
4、吹く


長くなりましたが、これから新入生を迎える先生、先輩の皆さんにはまず最初にトランペット本来の楽しさを伝えてあげて欲しいと思います。また、新入生の皆さんはバジングが出来なくても気にしないでください!もしバジングの選別テストがあったら仕方ないです、バジングしましょう。その後で楽しいトランペットライフが待ってますよ。



バジングについては賛否両論、
様々な意見がありますが今のところ初心者・ウォーミングアップにはおススメ出来ないという考えが多数派なのかなと思います。

もちろんバジングを練習に取り入れている方は沢山いらっしゃいます。そういった教本・メソッドはありますし、ちゃんとした先生の下で注意して行えば成果も出るのだろうと思います。僕自身、そういった指導者に巡り合えず遠回りした結果、今の自分に合っている練習方法にたどりつけましたが、もしかしたら違う道もあったかもしれません。




次は「誰でも吹ける、トランペットの音の出し方(仮)」です。
中学、高校、大学(さらには社会人でトランペット1年生?になられる皆さま)とご入学おめでとうございます。トランペットを希望される事を、同じトランペット吹きとして嬉しく思います。

これから部活動等でトランペットを始めるにあたり色々あると思いますが、恐らく最初にある試練(?)は希望する楽器になれるかどうか?なのかな、と思いました。


部員数が少なかったり大学の音楽サークルであれば希望通りの楽器になれると思いますが、強豪校などではいわゆる選別テストがあるそうですね。

聞くところによると唇が薄い、歯が小さい、歯並びが良いというだけで木管志望でもトランペット、ホルンにさせられ、次いでトロンボーン等大きいマウスピースの楽器になる。残った人はそんな理由で他の楽器に決められてしまう・・・なんて事もあるとか??


真偽のほどはさておき、これを読んで「トランペットになれるかな?」と心配された方、ご安心ください。トランペットは向き不向きなく、誰もが楽しく演奏できる楽器です。


「でも皆が唇薄くて歯並びの良い人じゃないと向いてないって言うし・・・」

はいうそー


僕が実際にお聞きし、体験した出来事なんですが

「唇が厚い人はトランペットに向いている」
僕のトランペット歴は7年ほどしかありません。技術も知識もそれ相応でしかなく発展途上で、昔は薄くて小さな歯の持ち主がトランペットに向いていると信じて疑いませんでした。なので蒲田にある行きつけの楽器屋の店員さんに言われたこの一言が衝撃的でなりませんでした。

「厚い唇は豊かに響くし、良いクッションになる」
楽器だけでなく還暦を迎えた人生の大先輩が仰るからには間違いは無い・・・・本当に??とても信じられなかったのですが、アドバイスに従い後輩のマウスピースを変えたところ激変!巷で見る「厚い唇の人に向いている」なんて説明文はウソっぱちだ!・・・それまでの固定観念が崩れさりました。

だからといって薄い唇が向かないと決め付ける訳でもありません。一度、定義を保留してみましょう。考えるのは世間的に言われている事、向き不向きetc...ではなくあなたがトランペットを楽しみたい、という事です。


あなたが楽器を吹くのであって、先生や先輩、友達のために吹く訳ではありません。もし最初のテストで希望楽器になれなかったら入部を一旦やめて、練習をして吹けるようになってから入部しても良いんです。


Facebookデビュー?の最初の記事はシンキング系になりました、少なからずある「世の中の常識」にとらわれず、楽しめたら良いなーと思います。

よろしければ今後ともよろしくお願いします。


次回は「初心者こそ最初から楽器を吹かせてもらおう」という記事を書きたいと思います。

良い悪いではない、別の価値観へ。


人に何かを教える時、どうしても「良くしてあげよう!」なんて身構えてしまうんですよね。

教わる側も「分からなかった事教えてくれる!!凄く嬉しい!頑張 ろう!」なんてね。始めは楽しいでしょう、簡単な事から始めたら目に見えて上達するので。お互い頑張って行くんですよね。

ある時から「なんか苦しそうだな」って気付き始める。

教えてる内容はとりあえず間違いでは無さそう・・・じゃあこのアイディアは?こっちはどうかな(^ー^)ノ?「はいやってみます!頑張ってみます!」・・・でもどこか苦しそう。なぜだろう?

1つは上達して欲しいな!という期待がプレッシャーに変わってしまうから?教わる方も気付かぬうちに固まっちゃってるんですよね。

2つめは申し訳無さでしょうか。「上達して欲しいのに上手く教えられない自分」が放つオーラが相手にも伝わってしまう・・・。

気付いたら「何度やってもピッチ合わないね・・・センス無いんだな」「全然上達しない、喋ってばかりで練習してないからだ」「上手くなる気ないんだな」と勝手にこう思っているんだろう、こういう奴なんだろうと決め付けてしまう事になってしまいます。


教わる側も同じ。

純粋に上達して欲しいという気持ちなのに(はたから見てもプレッシャーをかけているようには見えなくても)、生徒の中でプレッシャーとして受け取ってしまうと「何回やっても上手くいかない、下手クソって思ってるんだろうな・・・」「教えて貰ってるのに上手くいかない自分がいる、なんてダメなんだろう・・・」と相手が少しも思ってない事をさも本当の事のように考えてしまう

こうなるとこの思考がどんどん大きくなり「どうせ上手くならないんだから、話しかけないで欲しい」「辛いから教わりたくない」「今の言い方どうにかならないの?こんな短気な人が先輩だなんて・・・」とどんどん悪い方向へ・・・・。守りに入ってしまいます。



自分の中に思い当たるふしありますか?


あった方は気付けたでしょうか??
本当に相手はそう思っていたのでしょうか?


そして、私がレッスンを受けた中で一番衝撃的だったのは・・・

問題は相手が作っている訳ではない。という事。


じゃあ誰が問題を作っているのか??
・・・・受け入れ難いですね。

相手を良くしてあげようと思えば思うほど・・・
自分を守ろうとすればするほど・・・・

相手は何もしてないんですよね。


酷い事言われた??相手が酷い人だから??本当にそうなのでしょうか。
よく思い出してみれば、大体は勘違いして自分を守ろうとした自分が発した攻撃的な負の感情を受け取ってしまったから、相手も攻撃的になってしまったのではないでしょうか。

お兄ちゃんが妹に嫉妬するのは、お母さんが自分の事なんてどうでも良くなったんだ!と勝手に思ったり。遊ぶ約束を忘れてたのは嘘で他のやつと遊んでいた方が楽しいからだろ!とか。そうだ、年齢確認のボタン押してください、というのに怒る年配の方だってバカにされたように感じたんじゃないでしょうか。

お兄ちゃんも妹も大事だし、本当に忘れていただけの事もあるし、年確なんて怒らせるためにする訳ないんですよ。


長々と書きましたが、誰が正しいとか悪いとかじゃなくて・・・何が大事なのか、何をしたいのかに焦点を当てたいなと思いました。



なんとなくまとまったのでお終い。