アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~ -11ページ目

アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

勉強中であるアレクサンダー・テクニークについてと、それをトランペット演奏に活かすアイディア等を書いています。

アレクサンダー・テクニーク教師養成コース在籍。千葉県在住。
ツイッターもやっています。@toku_tp



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前回の日記のタイトルは否定系が過ぎるなと反省…


リップスラー苦手な人、多いのではないかなと思います。

初心者は特にタンギングありでなら出るけど、スラーとなると出ない人が多い様子。

リップスラーってどうやるんでしょう?名前を見ると唇に何かして音を変えるようなイメージですね。

唇をしめる、やめる
唇を横に引く、やめる
もっと唇にマウスピースをプレスする、やめる
唇に…

多分出来たと思います。
これでリップスラーをマスター出来ました!では今後の練習で、曲中で試してみて下さい。



嘘です…これ唇バテませんか?

リップと名前にあるのに、唇でやろうとするとどうも効率的ではない様子…

リップスラーしている人の音を聴くと「タンギングをしないで一つの指使い、ポジションで音を変える事」のようです。

つまり、指を変えずにタンギングさえしなければ身体のどこを使っても良いようです。唇は既に試して上手くいかなかったので他を試してみましょう。


…既に長文になりつつあるので先にオススメの答えを書きます、舌と息を使ってみてください。

前の日記に、金管楽器はある程度の高い音域から舌を使わないと音が出ないと書きました。高音を出すのに舌が使えるのであれば、中低音で使わない手はありません。

舌をどう使うか、どう使うと良いのかを次に書く実験をして確かめてみてください。

口笛で音を変える時舌はどのように動いているかチェックしてみて下さい。低い音の時、舌は低い位置にあります。高い音の時は高い位置、そして少し前にあると思います。

次に楽器で低いド、ソをスラーで吹いてみてください。ドの時の舌の形は低い位置に、ソの時は高い位置にある事に気付けたでしょうか?

この事から舌の形を上下に変える事で音を変えられる事が分かりました。(これが音程を変える唯一の方法という訳ではありません)

ただ、「低い(高い)音だから舌の位置を低く(高く)しよう!」といちいち考えるのは混乱するので「アーイー」と声に出して話してみて下さい。アーの時は低い位置に、イーの時は高い位置にあります。

聞いた事ある方もいると思いますが、舌の形の事をシラブルと言います。低音は「ア」と発音した時のシラブル、高音は「イ」を使って吹いてみて下さい。

低い音は「オ」のシラブルと聞いた事ある方いるかもしれませんが、アのシラブルの方が若干舌が低い位置にあるので低音に有利?なのと、アの発音よりオの方が口周りの筋肉を多く使う事になるのでロスが多い気がします。

これで舌の使い方は分かったので、息をいつ使うのか?を次のブログで書こうと思います。



ちなみに、舌を上げる下げるを別の言い方で説明する方もいます。
口を閉じる、開く。顎を閉じる、下げる。アパチュアを小さくする、大きくする…

恐らく同じ理由からこの言葉を使ってると思います。それぞれしっくりくる言葉でやると良いと思います。個人的にアパチュアは目で見えないし意識するのが難しいので自分には合わないなと思いました。
ブログ引っ越しました!(2014/05/25)
新しいブログはこちらになります。(一部移動しきれていない記事もありますが)
http://tokuya-tp.hatenablog.com/


(2014/4/21 加筆修正)

初心者の方や、ウォーミングアップのためにマウスピース・バジングをされている方、特に大きな音で「ヴィイイイイイン!!!」とされている方に1つお伝えした事があります。

それはマウスピースだけでバジングしている時の唇と、楽器を吹いている時の唇は違うという事です。


まずは楽器を吹いている時の唇が振動するしくみについて。
昨年Bobby Shew氏が来日した際のクリニックでも振動する原理について以下のように話されていました。

吹く→唇が前に押し出される→楽器側から息が跳ね返ってくる→唇が後ろに押し返される→吹き続けているのでまた前に押し出される→跳ね返ってきた息によりまた後ろに押し返される→繰り返し・・・

なので自分から唇「を」振動させようと努力する必要は無いのでは?と思いました。吹き込めば唇「が」勝手に振動してくれるのです。(この時唇を閉じる動きは必要だと思います。)


そしてマウスピース・バジングの時の唇の振動について
楽器と同じくらいの音量で鳴らそうとすると必要以上に自分が頑張らないといけなくなります。

試しに楽器を吹いた時と、マウスピースだけで吹いた時に自分が唇に対して何をしたかを確認してみてください。マウスピースだけを鳴らすには「唇を絞める、プレスする。」といった事をしていませんか?マウスピースは真っ直ぐな管なので唇を押し戻してくれる息が返って来ないために、こういった事をして自分で抵抗をつけなくてはいけないんです。


試しに下のドを吹きながら、そのまま楽器からマウスピースを抜いてみて下さい。音が止まり、息の音だけになると思います。

逆に普段通りマウスピースだけでドの音を吹きながら楽器に差し込んでみて下さい。fくらいの大きな音が鳴りだしませんか?

実はこれ、以前エリック宮城さんのクリニックを受けた際にバジングしながら差し込むと、音が抜けきらない初心者みたいな音が出ます」と実演されていました。


ちなみにエリックさんのウォーミングアップは
朝起きて「あー、おー、うー」のように口を開けて優しく顔のストレッチ、必要であればため息くらいの息で『ぶるるる』とフラッタリング(フラッピング)※バジングではありません、そして楽器で吹く。だそうです。ほぼ毎日吹かれる中高生、大学生でしたら参考にしてみてはどうでしょうか?


さて、この事からマウスピースで音を鳴らす=フォルテで楽器を吹いている状態に近い事を唇にさせている、楽器を初めて間もない方であれば初心者にありがちな変なクセをつけている事が推測されます。

唇を絞めるクセを無意識にやってしまうと唇は固くなり、中低音では必要以上に息を使って振動させている事になります。加えて、中低音より唇の振動数が必要なハイノートを吹こうとすると息は十分足りているのにハイノートが出ないなんて事になってしまいます。

音域が伸び悩んでいる方は一度マウスピース・バジングの時の力みを楽器演奏時にしていないか?チェックしてみると良いと思います。

個人的にマウスピースのみでのバジングは、ある程度上達された方が目的をもってやる練習なのでは?と思っています。

今思いだしたのですが、某EM等で有名なトランペッターのNさんがマウスピースの試奏をされている際、短く「ヴィイイイン」とマウスピース・バジングをされていました。私レベルの感想ですが、前のマウスピースの感覚をリセットするor強制的に馴染ませるor振動するポイントを見つけられていたのかな、と思いました。(お声掛け頂いたのに緊張してろくに離せませんでした・・・。)



もし全ての金管楽器がマウスピースと一体型だったとしたら、皆さんはウォーミングアップの時の音量はどのくらいから始めますか?

ちなみに私は以前小さな音でロングトーンしていましたが、最近はほぼ毎日吹いているので最初から好きな曲を吹くのもありだなと思いました。プロのトランペッターには早朝からハイノートをガンガン吹かれる方もいらっしゃいます。普段あまり吹かれない方でしたら、ウォーミングアップは優しく息を入れ、音が鳴らし易い楽器に付けてやるという方法も一度試してみてはいかがでしょう?

 
「やらなくても良いのかな?」と思われた方は試しにマウスピースバジングでのウォーミングアップ1週間やらないでみてはどうでしょう。(代案は楽器をつけて優しい音でロングトーン、曲を吹くなどなど)

その後で「やっぱり必要だ!」と感じた方は従来通りバジングからスタート、「必要なかった!」と実感出来たらすぐに楽器を吹き始める、とご自身で判断し自分にあったウォーミングアップをされると良いと思います。

今までのウォーミングアップと新しいのとで、音の鳴りやバテ易さ等々、どんな違いがあるか観察し、良い方を選んでみてください。
この方法が多くの人に上手く行くか分かりませんが・・・
タイトルははったりかました方が良いかな、と(笑)


1、マウスピースを口に持ってくる(当てる)

2、音にならない息を「スーーー」吹きこむ、鳴らなくても弱くても良いので楽に。

3、口を閉じる


以上です、鳴りました?

恐らく低いド(B♭)が鳴ると思います。
息が弱いと音が低くなりシ(A)がなる事もあります。

その場合は

4、息を段々強くしていく

もしくは

5、少し舌を持ちあげる


と、B♭の音になると思います。


トランペット始めたての人だけでなく、経験者の人、スランプの人も試してみて下さい。

もし「こんなに簡単に、力入れなくても音出るんだ!」
と思った人は、少し余計な力を入れていたのかもしれません。


お試しあれー