江戸の治安 | 徳富 均のブログ

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自分が書いた小説(三部作)や様々に感じた事などを書いてゆきたいと思います。

江戸市中の日常的な犯罪捜査は、風聞や密告などの裏付け捜査がほとんどであった。そして、それによる逮捕は「平日召し捕り」と呼ばれている。正式な受け付けによる捜査の開始は、盗難などがあったという届け出の受理(帳附け願い)、または自訴(自首)、現行犯、変死の通報による捜査(家宅改めを含む)である。

 捜査の専任は、定町(じょうまち)廻り、臨時廻り、隠密廻り、いわゆる三廻りと言われる同心で、中でも定町廻り同心が江戸市中のパトロール隊で、少数精鋭の敏腕刑事であった。岡っ引き(目明し、御用聞き、手先き)は、中間(ちゅうげん)や小者と同様に同心の家来のように思われがちであるが、岡っ引きは、風聞を嗅ぎ付け同心に密告するだけの者で、逮捕権はない。「岡」とは、そもそも正式に認められていない遊里を「岡場所」と呼ぶように、「仮の」「正当でない」「偽りの」という意味をもち、心にもなく仮に惚れたそぶりを示す「岡惚れ」と同列のものである。なので、岡っ引きが「鳥渡(ちょっと)来い」などと言ってしょっ引くことは、正当な権限による捕り物ではない。ただ、岡っ引きは、もともと罪人であったり、遊び人であった者が多く、悪の仲間のたまり場、盗人宿、博打宿などを知り尽くしている者が多く、その情報提供の精度は高いものであった。以上は、小木新造氏の著作『大江戸知れば知るほど』からのものです。

 ドラマは、様々な「作りごと」からなっていますので、事実とは大きく違っています。それを弁えて見ることが必要で、「事実と違う」と文句を言っても意味がありません。逆に、全てを真実だと思ってしまうのも危険です。ようは、「ドラマ」なのですから、「何でもあり」だと思えばよいのではないでしょうか。この世の中、何事も絶対視することは危険でしょう。