激しい怒りと共に
⑬
初版は1986年、
単行本化は2021年、
文庫化は2024年。
この長い歳月、著者の池田理代子先生が
見つめ続けていたのは
『フランス革命』という
歴史的事象というよりも、
その激動の時代に生きた『女性』であり、
もっと言うならば、今もなお様々に
虐げられている『女性そのもの』
であったのだなあ、と知りました。
世界初の人権宣言。
自由・平等・博愛。
美しいこれらの『言葉』に
アホな私は単純に感動していましたが、
その言葉を高らかに声に出せるのは、
白人の男性だけだったという事実に衝撃
女性が同じように、
私達も政治に参加したい、男性と同じ権利を、
平等を、と叫んだとき、どうなったのか。
それが端々に感じられた内容でした。
ある女は暗殺者となり、ある女は気が狂い、
ある女はギロチンで首を斬られた。
そして権利を主張しない平凡な女は
男たちの思惑に翻弄されて監禁され、
やっぱり首を斬られたりする。
読んでて気が滅入る
でも、同じ性の者としては
目を背けていてはいけませんね。
そんな女たちの屍の山の上で、
現代の女たちもまだ、戦ってる。
池田先生が
『大げさともいえるほどの激しい怒りを
抱いて』書き上げた本書、
ちょっとヌルマ湯にいた私に
喝を入れてくれました。
ありがとうございましたm(_ _)m
・・・と、書きつつ何ですが、
読み物としてもオモシロかったです
あの大革命前後にヨーロッパで暗躍した
女装の騎士エオン・ド・ボーモンなんて
この本で初めて知ったよ(@_@;)。
スゴイ人がいたもんだ。
まだまだ勉強したいですね。
フランス革命関係