『アメリカに負けなかった男
~バカヤロー総理 吉田茂~』
を見ました。
1:28頃に映る、男性2人が浜辺でバックハグ(?)
なシーンを覚えておかれますと、
この先の記事が読みやすくなります(笑)。
骨太な政治の話、男ばかりの世界&
浪花節的な内容ではありましたが、
個人的には大好物なので
興味深く鑑賞させていただきました
吉田茂元首相については、
末娘である麻生和子さんが書かれた
『父 吉田茂』(新潮文庫)を
拝読して以来、かなりファンになりまして、
関連書籍が出版されたり、
ドラマが放映されるたびに目を止める
のですが、
今回のドラマは特に良かったです。
主演の笑福亭鶴瓶さんが
もう吉田茂そのものにしか見えなかった。
NHKで同様のドラマをやったときは
渡辺謙さんが吉田元首相を演じて
おられましたが、
鶴瓶さんのほうが圧倒的でした。
一見、好々爺に見える静かな佇まい。
しかし、その中に燃える強い気迫。
これぞ吉田茂という感じです( ̄- ̄)ゞ
また、『吉田学校』の生徒と言われ、
後の高度経済成長を支えることになる
若い政治家たちの群像劇も魅力的でした。
特にツボだったのは、
あの戦後の大混乱期に大蔵大臣になった
池田勇人さん(演:佐々木蔵之介さん)と、
彼を支える若き秘書官・
宮澤喜一さん(演:勝地涼さん)との関係。
占領下の日本、懸命に作成した
国家予算をGHQに通してもらえず、
精神的に追い詰められる池田さん。
占領下の大蔵大臣ほど、
惨めなものはないな・・・
と愚痴るほどの苦しい日々。
遂には大蔵大臣を辞任したいとまで
言い出す。
そんな池田さんを、
若き宮澤さんは黙って車に乗せて外へ
連れ出します。
宮澤君、何処へ行くんだね?
・・・聞かれても無言でハンドルを握る
宮澤さん。
そして誰もいない海に到着。
車から降りた宮澤さんは、いきなり
荒波が押し寄せる浜をスーツ姿のまま走り、
波の中へ
身投げでもしそうな勢いの宮澤さんに
仰天(゜ロ゜;ノ)ノ した池田さんは
懸命に追いかけ バックハグ 抱き止める!!
抱き止められた宮澤さんは
そこで振り向き、
大臣、ここで存分にお叫びください。
(中略)
カモメ以外、誰も聞いておりません。
ご存分に!
何かにつけて横槍を入れてくるアメリカに
大臣として何か言いたくても、
『占領』されている国の民として
グッと唇を噛んでいた池田さんのことを
慮っての、この行動・・・
萌えた。
勉強不足で私は存じ上げないのですが、
このエピソード、事実なんですかね?
また、
池田さんが吉田茂首相の密命を帯びて
アメリカに飛ぶときも、
宮澤さんは池田さんの好物(かりんとう>笑。
池田さんは酒屋の息子なのに甘党?)を
持参したり、
1泊7ドルの安ホテルで
かいがいしく池田さんのお世話をします。
ランニングシャツとステテコ姿で
楊子を咥えたままベッドに大の字になる
池田さんに、
飛行機で行儀が悪いって(白洲次郎に)
言われましたよねェ、大臣?
と嗜める宮澤さん。
勉強不足で私は存じ上げないのですが、
このエピソードは(以下略)。
その他にも、
日本の独立! 吉田先生は、命賭けじゃ。
(池田勇人さんは広島弁)
と呟く池田さんに、
池田先生もでしょ!
と応える宮澤さん。
このエピソードは(以下略。シツコイ)。
・・・・・・
池田さんも宮澤さんも
後の内閣総理大臣ですが、
老人としての肖像しか知らない方々の
ガムシャラで
若く青いときが見られるのも
こういったドラマの醍醐味でありますね。
本筋と外れた話で大変すみませんm(_ _)m。
そんなアホな目線はさておき、
戦後、何もかもアメリカの占領下に
置かれ、
カネもチカラも自尊心も失いかけた
日本人のために、
文字通り命を賭けた吉田茂さんや
政治家のみなさんの心意気を
目の当たりにして胸アツになりました。
生田斗真さん演じる白洲次郎さんも
カッコ良かったなー
この方々がいたからこその、今の日本。
ふと思い出す歌があります。
マッチ擦る つかのま海に霧ふかし
身捨つるほどの祖国はありや
(寺山修司)
・・・改めて考えさせられることが多い
良いドラマでした。
ありがとうTV東京!