「ちりぬるを」は、林檎ちゃんの新譜「放生会」の
オープニングを飾る一曲ですね。
「いろはにほへと」という曲が林檎ちゃんにはありますが、
今回は、その続きってことでしょうか。※
(ということは、今後、「わかよたれそ」と続いていく?)
・・・という話はさておき、
「放生会」は女性ボーカルをゲストに迎える曲が並ぶアルバムでもあるところ、
一曲目からそうで、この曲には、
ジェニー・ハイ、tricotの中嶋イッキュウが参加しています。
何年か前、Mステに林檎ちゃんが出演した回に、
ジェニー・ハイも出ていたかと思うので、
そのあたりが、今回の共演のきっかけだったりしたのかな。
他に接点があったのかはよく知らないんですけど。
ともあれ、そんな二人で歌う「ちりぬるを」は、
メロウ(?)なファンクビートナンバーと言えばいいのかな。
ひょうひょうとしたフルートとのアンサンブルも印象的な1曲。
この点、そういったビートに林檎ちゃんの声が乗るというのは、
セットでひとつの「ジャンル」に感じるぐらい、
私の中では出来上がったものになっていたりします。
今回、ゲストボーカルが入ったことで、いっそうそれは感じたところ。
「ちりぬるを」を聴くと、デュエットというより、
林檎ちゃんの「歌もコミで作品」として出来上がっている音をバックに、
イッキュウが歌っているみたいな奇妙な感覚だったりして。
この二人、声や歌い回しに似て感じるところも多いのかな。
その分、ズレると余計、不思議に思えたといえばそうかも。
でも、それが一方で曲をよりHIPに感じさせたりと、
本作の音楽的な面白味にもなっているのではないかなと。
どこか、錯視的な立体感を伴うとでもいうか。
(書き方がややこしい?
まあ、一筋縄ではいかない曲というのも、そうなんじゃないかなと。)
「ちりぬるを」(2024)
※
この曲って、追悼歌ですよね。
個人的に頭に浮かんだのはチバユウスケでしたけど、
前作「三毒史」に参加していたBACK-TICKの櫻井もそうですし、
近年、急逝したミュージシャンが多かったということで、
林檎ちゃんもひとつ、自分なりの言葉を紡いでおこうと思われたのかな。