「FOUR WOMAN」はニーナ・シモンの曲です。
タイトルの通り、4人の女性が一人ずつ、
その名前とともにそれぞれの不遇を語るという内容の、
人種差別、女性蔑視への問題提起の一曲。
曲調は不穏で重く、しばしば、
ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」を引き合いに紹介されたりもしていますね。
ただ、「FOUR WOMAN」は、黙々と曲が進みながらも、
終盤はニーナの声に感情が溢れて感じられるので、
「奇妙な果実」以上にストレートなメッセージ・ソングに感じられるかと。
う~ん、ストーリー性を感じるというか、ドラマチックといえばいいのかな。
どこか、映画の脚本のようだったりもするところ、
かといって、ニーナの声は、いわゆるナレーション的ではなく、
あくまで「演者」の立ち位置。
そもそも、英語が分からずとも、その声は胸に響くものがあるんですけど、
本作でのアプローチは、もはや名唱という言葉よりも、
名演といったほうがふさわしく感じられるのではないかと。
ちなみに、リリース当時、
この曲はいくつかの放送局で放送禁止にまでなったんだとか。
まあ、歌詞だけでも結構、露骨な表現ではあるのかな。
加えて、先述のように、
綴られた言葉以上のものが描かれて感じられる作品だったりするというのも、
大きかったのかもしれません。
ともあれ、そんなエピソードを含め、
これまたニーナを代表する一曲にもなっているっていうね。
「FOUR WOMAN」(1966)