5時間目の算数の授業が始まる直前、
「この授業、自分は帰っていいだろう」判断を下し、さっさと下校の用意をしていた息子に
担任の先生が「5時間目も出なよ」と声掛けしてくださり、
帰る気満々だったのに断り切れなかったたろは
机に突っ伏しがっかりしながらも残って勉強したらしい。
5時間目終了後にみんなと一緒に下校して、家に着くなり暗い顔。
「あ、ああああああああ、疲れた・・・」
予定外の授業参加にエネルギーを根こそぎ持っていかれたような疲弊顔。
「今日は2桁のかけ算でー、ぼくには難しくてー うんぬんかんぬん どーとかこーとか」
九九の復習も道半ばなたろにとって、2桁かけ算は強敵。
ぶつくさ言うのを一通り聞き終えて、「頑張ってえらかったね」と一言ほめる。
その後すぐさま遊びにきてくれた友だちとわいわいやるうちに心の疲労もとれたようす。
切り替えの早さはいつもどおり。
夕方、担任の先生からお電話。
「たろくん、今日のこと嫌がっていませんでしたか?」と心配してくださるので、
「大丈夫です。もう、どんどん残して参加させてください」と先生をけしかける鬼母。
そんな私がたろにどうさせたいかといえば、
別段授業についていくいかないはどうでもよくて、
ただ、目の前にある嫌なことから安易に逃げないで
どうしたらそれを越えられるかを考えてもらいたいのである。
長い人生生きていれば、自分の思い通りに行かないことには山ほど遭遇する。
逃げてもまた同じ場面が形を変えて追いかけてくるだけである。
しかも逃げればなぜかどんどんハードルが上がった課題が姿を現す。
嫌な局面は初対面でさっさと越えておくに越したことはないのだ。
母さんそれで何度失敗したことか。
ほんま、逃げ損。
これが、40うんねん間うすらぼんやり生きてきて、
この人生の法則らしきものに辛うじて気づいた母からの
生まれて10年足らずの息子へのささやかなアドバイスなのでありました。