アガサ・クリスティーで楽しむイギリスのおいしいもの
最近、何十年ぶりかにアガサ・クリスティーを再読しています。
きっかけは北野佐久子さんの「イギリスのお菓子とごちそう」を読んで、「バートラム・ホテルにて」にも登場しているシードケーキを作ったことです。
アガサ・クリスティーの作品は一時期よくはまって、たくさん読んでいました。しかしいつのまにか遠ざかり、最後にアガサ・クリスティーを読んだのがいつ頃だったか、あまり覚えていません。
「ポケットにライ麦を」
とにもかくにも読み始めたのは「ポケットにライ麦を」です。
「ポケットにライ麦を」は、まだ読んでいる途中ですが、すっかり忘れているので、初めて読んでいるような気持ちで読んでいます。
亡くなってしまった投資信託会社の社長 フォテスキュー氏が、朝食にはマーマレードを欠かさないという習慣がクローズアップされる作品です。
我が家の冷蔵庫にあるダルメインのマーマレードが、あやしげな気配をまとっているようで妙に気になってきます。
「ポケットにライ麦を」の冒頭は、お茶当番のミス・サマーズが紅茶の入れ方にダメ出しをされるところから始まります。なんと「お茶当番」です。
そういえば、昭和の頃は「お茶当番」というものが女性社員の仕事だったオフィスもたくさんあったのよね・・・と、タイムスリップするかのようでした。
読書を通して若いころの自分に出会う
話がそれましたが、以前は、アガサ・クリスティーの作品を読む目的は、物語の展開そのものを楽しむことでした。物語の展開が気になって気になって、細かい描写にこだわりながら読むことはあまりありませんでした。
時が経ち、今のわたしは「何を食べているか」「何を飲んでいるか」「どういう食器を使っているか」など、細かいところが気になります。登場人物たちの生活そのものが気になります。作品の楽しみ方が少し変わってきています。年齢を重ねてから再読する本は、かなり新鮮です。
同じ本でも、若いころに読んだ時の感覚と、いろいろな経験を積んだ年齢になってから読む感覚は、まったくちがってきます。
若いころに読んでいた本のラインナップをながめていると、「若いときはこんなことを考えていたのかー」と、昔の自分に再会することがあります。それもまた楽しい。
さて、これからしばらくは、アガサ・クリスティーの作品で、物語の展開にドキドキしつつ、どんなお菓子を食べているのか、どんなごちそうを楽しんでいるのか、イギリスをのんびり旅するつもりです。
気になるお菓子や料理は、ぜひとも作ってみたいな~。
最後までお読みいただきうれしいです。感謝のとこかしこです。