コロンバン新宿のサバランは昭和の楽しかった思い出とともに
コロンバンのサバランは、わたしにとって印象深いケーキです。
コロンバンのサバランの思い出@新宿
昭和の頃のお話です。
大学に進学するために東京に出てきて間もないころ、何の用事かすっかり忘れましたが、東京に住んでいる叔母がおでかけに誘ってくれました。なぜだか地方に住んでいる祖母もいっしょだったので、たぶん「祖母が東京に遊びにきた」→「せっかくなので3人でおでかけしましょう」という流れだったのかと思います。
立ち寄ったのが、新宿にあったコロンバンの喫茶室です。
「好きなケーキ食べていいよー」と言う叔母の言葉を、そのまままっすぐ受け止めた私。きらきら輝くようなケーキのなかから選んだのが「サバラン」でした。
田舎から出てきたばかりの私は、「サバラン」なんてケーキ、見たことも聞いたこともありません。ただ、ケーキの見た目が宝石のようにピカピカしていて素敵で、あまり迷わずに決めた記憶があります。
私がサバランを選んだのをみて、叔母がうれしそうに「コロンバンのサバランはおいしいのよ~」と、言ってくれたことも覚えています。
運ばれてきたサバラン。洋酒が生地にたっぷりしみこんでいて、今まで体験したことのないジューシーな食感でした。へー、スポンジをこんなにひたひたにするんだ~、お酒の味がするぞ、都会の大人のケーキだと、強く印象に残ったのです。
(※当時は、生地がブリオッシュだと知りませんでした)
あれからもう何十年もたちました。都会の味「サバラン」は今でも、たま~に食べたくなります。一時期、あまりサバランは見かけなくなりましたが、今は有名パティスリーでも扱っているお店が、多くなっている気がします。
前置きにしては長すぎとなりました。
今、どうしても「コロンバン」のサバランが食べたくなったのです。東京に出てきたころの思い出の味「サバラン」
食べたいと思ったらすぐに食べたい。食べることだけは行動が早い私。コロンバンに買いに行きました。たぶん10年、いやそれ以上は食べていなかった、コロンバンのサバランです。
コロンバンの昭和レトロなサバランとの再会
コロンバンのサバランとの久しぶりの再会の印象。
「こんなに大きかったっけ?」
もっと小ぶりだったように思ったのです。もしかしたら若くて食欲旺盛だった、大学生だったときに出会ったサバランは、小ぶりに感じたのかもしれません。大きな大人になってから再会したサバランは、わたしの今の胃袋のサイズには「大きい」と感じたのかも。月日の流れを感じます。
肝心のサバランですが、それはそれはなつかしく、さすがのバランスのサバランでした。ちょっと昭和レトロな感じのする王道のサバランです。スタイリッシュなサバランに出会うこともできる昨今ですが、コロンバンのサバランは、圧倒的な安心感があります。
コロンバンのサバランは、実はファンがたくさんいらっしゃるロングセラーのケーキなのです。昭和30年代に販売されてから、半世紀くらい経っているのではないでしょうか。コロンバンの看板商品といってもいい。
「ジャマイカ産のヘビーラムをベースにしたシロップを特製ブリオッシュ生地にたっぷりしみ込ませ、アプリコットジャムでコーティング」(コロンバン公式のコメントより)
生クリームの量もちょうどいい。これ以上多かったらしつこいし、少なくても物足りない。ピカピカのアプリコットのジャムが味のアクセントになっています。ラム酒シロップのしみこんだブリオッシュ生地のおいしさはサバランの真骨頂です。ブリオッシュ生地なので、たっぷりのラム酒シロップに負けないのです。
サバランをいただくと、やっぱりあのとき、3人で楽しいひとときを過ごした時間と空間を思い出します。
今は亡き祖母、まだ若くて元気だった叔母、ふたりの顔が思い浮かびます。
コロンバンのサバラン、思い出をありがとう!!
皆さんは、ずっと忘れることができないお菓子やケーキ、ありますか?
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!