家康と三方ヶ原の戦いというワードを聞くと思い出すのが、情けない顔と変なポーズをした肖像画です


敢えて自分の失敗を絵に残すことで、同じ過ちを起こさないとか、この失敗を糧にして自分たちの成長に繋げようといった戒めの意味があったとされています

相当、この時の武田軍の猛攻が、恐ろしかったようで、退く途中で「う○こ」をもらしてしまったという逸話があるくらい(笑)

本郷和人さん著書『東大教授が教える やばい日本史』の中では、それを「腰に付けていた非常食のミソだ」と言い訳したことが書かれているから面白い(笑)

色はともかく、臭いはごまかせませんよね

ドラマではその描写は、ありませんでしたが、困るとお腹が痛くなるという表現は何度か使われていましたよね

他にも有名人物たちの逸話が盛り沢山ですので、興味のある方はご覧になってみて下さい


第十八回「真・三方ヶ原合戦」

黄金の兜が泡になって消えるというアニメーションは、命が途絶えることを指していたかと思いますが・・

今回はいきなりのオープニング入りで始まりましたが、オープニングの演出、変わりましたかね?

虎松が三方ヶ原の惨状を見渡していると、黄金の鎧「金陀美具足(きんだみぐそく)」を着た遺体が武田兵によって運ばれていきます

岡崎城では、家康が討たれたという知らせに信康らが狼狽する表情を見せるも瀬名が流言に騙されないようにと諭します

信長の元に家康の消息が分からない旨の知らせがあると「桶狭間等、2回も起こらぬか」と相変わらずの冷静な表情で一言溢します

武田信玄の元に黄金の兜を被った首が運ばれてきます
それを見て笑みをこぼすと、何も言わない信玄
信玄は家康の顔を知っていたと思いますが・・

ここでいきなりナレーションが入り、半日程、時間が巻き戻されるます

久松長家と夏目が家康から浜松城に残るよう命じられる場面に変わります
家康が何故、夏目の名前を間違うのかと本人に問います(笑)

すると夏目は「影が薄いから・・」
と自虐的な言葉で返します
影・・影武者・・・

一方、三方ヶ原で対峙する徳川軍と武田軍
罠にはまったことを悟り、思わず退く徳川軍を虎の咆哮をあげて、攻めかかる武田軍

徳川軍は総崩れで、家康の消息不明の知らせが浜松城にも届くのでした

織田兵3千を率いる佐久間や水野は、家康らを見捨てて三方ヶ原を去ります
水野なんかは、こういう心のないことをするから、それなりの人生の結末を迎えることになるのだろうなと思います

各自バラバラで戦いながら、撤退する本多忠勝と小平太を救ったのは忠勝の叔父の本多忠真でした

この時の忠真と忠勝との掛け合いが良かったですね
「お前の死に場所はここではない」
と忠勝に言うと、酒をガブ飲みする忠真

2人を逃がし、武田の大群を引き受け、討ち死にすることとなります
史実では忠真が酒飲みだったという話は無いようです

おそらく本多家の別の人物の素性と重ねた創作だと思われるのですが、死地に赴く恐怖を酒で紛らわすという行動は、ある意味、人間らしい演出だったと思います

浜松城に三方ヶ原から逃げ帰る酒井忠次でしたが、まだ、家康が戻ってきていないことを知らされます

その家康は、山中で忠勝、小平太、鳥居らと逃げ惑っていました

ある古小屋に隠れ、武田兵が去るのを待ちます武田兵は気づかずに去っていったはずなのですが、近づく蹄の音と人影があります

そのうちの1人が家康らが隠れている場所に近づき、皆、息を飲むのですが、それは武田の兵ではなく、夏目たち徳川の兵でした

この時、見つけた夏目の様子と子どもの時に隠れていた竹千代を見つけた人の姿が重なる演出がありましたが、それは若かりし頃の夏目でした

このデジャヴの演出、良かったですよね
その時、夏目は竹千代に「自分が守る」ということを話していました

しかし、守ると言っておきながら、二度も助けることが出来なかったことを夏目は憂いていました

3度目の正直という奴でしょうか?
夏目は家康に具足を脱ぐように話します
それを聞いて皆が察したのか、羽交い締めにし、脱がせると、それを夏目が身につけるのでした

夏目吉信と、竹千代時代でも、名前を間違えて(?)呼ぶ家康
一瞬、そうだったかなと私も勘違いしてしまったぐらい

広次の名前を家康が間違えることについては、衝撃の理由がありました

竹千代の父、松平につかえていた頃、自刃も覚悟するような失敗を起こします

しかし、松平は死ぬことを許さず、名前を夏目吉信から広次に変えて、今まで通り励むよう話すのです

子どもの時によく遊んでくれていた夏目吉信こそ、今の広次だった訳です
なるほど、こういう伏線だったとは・・

家康が覚えられない訳です
今回の大河ドラマ、一番の伏線回収だったのではないでしょうか?

夏目は、家康のことを「(相手が)誰であっても人の話に耳を傾け、良く聴くから(いざという時に)助けてくれるのだ」と話します

夏目は家康の代わりに黄金の兜と鎧を纏い
「殿はきっと、大丈夫」
満面の笑みを家康に浮かべながら、そう伝えると、見事、影武者を演じ、武田兵に討たれるのでした

この夏目広次には子どもがいて、次男の血筋が後の夏目漱石に繋がっていると言われています

一方、浜松城には勝頼率いる武田軍が迫っていました
酒井忠次が石川数正に一か八かの策を提案します

篝火を焚き、城の門を開け放って待つのです
勝頼は引き返し、山縣や穴山にこのことを伝えると、それは「空城の計だ」と答えます

そこまで判っているなら、裏の裏の裏をかき、攻めこむ選択肢があったと思いますが、敢えて信玄は見逃してやろうと言うのです

信玄は「時が欲しい」
「徳川を討つのは勝頼の代に残す」
「西へ向かおうぞ!」
と話します

数正と忠次が信玄が西に向かったことを浜松城に帰還し泣いてばかりの家康に知らせに来ていました

家康は言います
「ワシは皆に生かされた。決して無駄にはせん。そして、必ず建て直すぞ!」
「家康は生きていると言いふらせ」と・・

しかし、西に向かうはずの武田軍が、何故か甲斐へ引き返し始めます

次回、信玄の身に何が起こったのか?
信長の反転攻勢が始まることとなります
一方、家康の前には瀬名ではなく、見慣れない女性の姿が?

ではでは、今日も一日頑張っていきましょう!