今、被災地はこうして輝こうとしている NO,51 | 笑顔とやる気の伝導師 鴇田くに奨学基金ビヨンドXプロジェクト早川学校のブログ

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気仙沼の打ち上げ漁船

選手が賃借契約の更新に応じず


東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市鹿折地区に打ち上げられたままになっている大型漁船「第18共徳丸」(330トン)を所有する儀助漁業(福島県いわき市)が4月にも船体を引き取り、解体作業に入りたいとの意向を市に伝えていることが22日、市と同社への取材で分かった。市は同社から3月末まで船体を無償で借りる契約を結んでいるが、同社は更新に応じない考え。「震災遺構」として船体の保存を目指す市の構想に大きな影響を与えそうだ。



 市に22日に届いた文書で、同社は「貸借期間の更新は行わず、粛々と解体作業を進める」と通告した。柳内克之社長(40)は取材に対し、「鹿折地区だけでなく全市的に『船を見たくない』という声が多いと感じる」と強調。「船は鉄製で長期保存に耐えられない。このまま残せば、市民の心理的な負担にもなる。船主の責任で速やかに解体させてほしい」と語る。
 同社と市の貸借契約は2011年6月に結ばれた。市が同社から船体を無償で借り受けて管理責任を負うという内容で、昨年3月に1度更新し、期限を昨年3月末から13年3月末としていた。
 同社は震災後、船を再び海に戻すことも検討したが、費用面などで断念。その後は解体に向け、関係機関と保険適用などについて協議を重ねてきたという。
 市は沿岸部に復興祈念公園を整備し、公園内で船体を保存する構想を掲げ、保存の初期費用4~10億円について国の支援を受けられるかどうか検討している。だが、貸借契約が途切れれば、市は管理者としての権限を失い、構想自体が宙に浮く可能性がある。
 柳内社長は「保存に向けた具体的な進展がないまま、2年近く経過した。今の状態が長期化するのは船主として耐え難い」と説明する。
 気仙沼市の菅原茂市長は「鹿折地区を除けば保存に賛成する声が多いと感じている。しっかりとした保存計画を練るためにも、契約の延長をお願いしていきたい」と話している。(河北新報・20130223日土曜日)