くEUROPEスタジオアルバム全曲レビュー書いてます、ときぺです。

本日は現時点(2024年1月)での最新作、11枚目のアルバムです。


10thはこちら。



Walk The Earth


Vocals : Joey Tempest
Guitars : John Norum
Bass : John Leven
Keyboards : Mic Michaeli
Drums : Ian Haugland

2017年10月20日
Produced by Dave Cobb


01. Walk The Earth
02. The Siege
03. Kingdom United
04. Pictures
05. Election Day
06. Wolves
07. GTO
08. Haze
09. Whenever You're Ready
10. Turn To Dust


雰囲気的には10thをベースに、また新たな世界を切り開いて現れた11thアルバム。

まず#1のタイトルトラックの熱量がすごく、一気に惹き込まれてそこから捨て曲なしの怒涛の全10曲。

中弛みもなくコンパクトにまとまっていて、もっと聴きたい!という気にさせてくる。

比較的強いめの曲が多いなかで#4は名バラード。

#7、#8はこれまた意外というか、あまりメタルくさくないEuropeにとっては実験的というか、こういうのもアリと思わせてくれる新鮮なエネルギーを発している。

個人的には#1、#4、#5が好き。


(ちなみにこの11thアルバム、2023年に手に入れようとしたらまあ手に入らない。限定の国内盤はともかく国内通常盤も輸入盤すら入手不可能。

いくら何年も前だからって一応最新作よ!?

結局諦めて不本意ながら中古で買いました、DVD付きの国内限定盤。

2013年の来日時のライブ映像なんですけど...こっち買ってよかったあああああ!!

カメラワークとか微妙なとこあるけど、めっちゃ楽しくて何回も見てます。

Europeってライブがとにかくすばらしいのに映像作品が少ないのはなぜだ!

YouTubeやら何やら見られるけどやっぱりDVDが欲しい。)


というわけで、「今」の「現在進行形」のEuropeを骨の髄まで味わい尽くせる名盤。


個人的好み:★★★★★

ポップさ :★★★

スルメ度 :★★★★



  01. Walk The Earth


Lyric & Music : J.Tempest / M.Michaeli / D.Cobb / A.Raitiere


イントロからワクワク感あふれていて、ひたすらかっこいいタイトルトラック。

暗すぎず明るすぎずヘヴィすぎずポップすぎず1つのパートが主張しすぎることもなく、きれいなバランスの上に成り立っている。

かといって地味にまとまることもなく、タイトルトラックらしいインパクトとエネルギーに満ちていて、Last Look At Edenのように時を経てもきっと色褪せない代表曲になるだろうと思わせてくれる。

サビの途中でギターが入るところが好き。

あと、サビのHeart and Soulがほうれんそうに聞こえるので、我が子たちは「ほうれんそうのうた」と呼んでいる...。



  02. The Siege


Lyric & Music : J.Tempest / J.Leven / M.Michaeli / C.Difford / D.Cobb


#1のラストから繋がって、より深い空間へと連れて行かれる2曲目。

ヘヴィーなリフと緊張感のあるメロディー、どことなくクラシカルな雰囲気もあって面白い。

キーボードが絶妙でライブ映えしそう。

終わり方が好き。



  03. Kingdom United


Lyric & Music : J.Tempest / C.Difford / D.Cobb / B.Hewerdine


#2同様ヘヴィでスリリングな曲。

短めの曲だけど、世界観が濃厚で物足りなさを感じさせない。

アウトロが丸々ギターソロで、リフとの絡み合いがたまらない。


  04. pictures


Lyric & Music : J.Tempest / D.Cobb / A.Raitiere


本作唯一にして珠玉のバラード。

今のEuropeをこれでもかと見せつけてくれる、心に沁みる名曲。

もう何も語れないくらい好き。

Escape in〜の部分を歌い上げるJoeyに心震える。


  05. Election Day


Lyric & Music : J.Tempest / M.Michaeli / C.Difford / A.Lamprell / D.Cobb 


程よい疾走感とグルーヴが気持ちいいノリの良い曲。

リフがキャッチーでクセになる。

サビメロが好き。


  06. Wolves


Lyric & Music : J.Tempest / J.Norum / D.Cobb


暗い曲。

けしてメロディアスではないけれど、その中に存在するメロディーは、静かに寒々しく吹き荒れる風を想起させる。

いつもと違って抑揚のあまりないJoeyのめずらしい低音ボイスもすてき。


  07. GTO


Lyric & Music : J.Tempest / J.Norum / D.Cobb


意外な、メタル色の強い曲。

甘さのない、苦味とコクとすっきりとした後味のブラックコーヒーのような味わいがある。

勢いのよさと突き抜ける爽快感が気持ちいい。


  08. Haze


Lyric & Music : J.Tempest / J.Norum / J.Fucci /  D.Cobb


インパクトの強い#7よりさらに刺激的な曲。

ギターの主張が強く、歌うように流れるプレイも、まさしくもやに包まれるようなギターソロも秀逸。

Europeの掛け声コーラスも新鮮で、新たな一面を見たような感じさえする。

ラストのドラムソロもすごく良い。


  09. Whenever You're Ready


Lyric & Music : J.Tempest / D.Cobb / A.Raitiere


疾走感のあるアップテンポなロックナンバー。

VoもいつものJoey節が控えめでとてもシンプル。どことなく初期の面影も感じる。


  10. Turn To Dust


Lyric & Music : M.Michaeli / J.Tempest / A.Raitiere


本作の裏タイトルとも言えそうな、シメにふさわしいエンディング曲。

厚みのある一本芯の通った強さの裏に、そこはかとない侘しさと儚さが見え隠れしている。

ラストの仕掛けに驚く。CD壊れたかと...。







Europe全曲レビュー、一気見はこちらからどうぞ。