❸ 10代のときに書いた詩 | 文字の風景──To my grandchildren who will become adults someday

文字の風景──To my grandchildren who will become adults someday

After retirement, I enrolled at Keio University , correspondence course. Since graduation, I have been studying "Shakespeare" and writing in the fields of non-fiction . a member of the Shakespeare Society of Japan. Writer.

希 望  満天の夜に  遠い世界  いつの日だったかは知らない

 

 

希 望

 

青空の下で蝶のように生きてみたい

 思いのままに自分だけの世界を求めてみたい

  十七歳の炎も消えようとしているのに

   私には人生の喜びが無い

  蝶になりたい

   蝶に生まれてきたい

    その時は幸せだろうが

 

 

満天の夜に

 

満天の夜に

 はかなき絶望を

  想い出も遠く

   あの人はひとを愛したの

 

満天の夜に

 接吻と共に

  あの人が抱いた愛は

   偽りの愛の悲しさ

 

満天の夜に

 ほのかなる溜息を

  愛の告白も遠く

   あの人は遠く去っていく

 

満天の夜に

 悲しく誓う

  もう二度と恋などすまいと

   胸の奥深く刻む

 

  ▲ 当時のノート

 

遠い世界

 

いつか夢みたの

貴女と二人で遠い世界を

青空に祈り

湖に祈りながら

純粋な愛を

私と貴女に与えてくれるように

 

いつか夢みたの

夢よ

夢よ

消えずにこの青い湖に

二人の夢を 

 遠い夢のままにしないでおくれ

 

 

いつの日だったかは知らない

 

いつの日だったかは知らない

 どうしても貴女はわたしの心に住むようになった

  名も知らぬ所も知らぬ愛らしき貴女を

 

いつの日だったかは知らない

 わたしの瞳に貴女の胸のネームが飛び込んだ

  わたしはそれを盗み見て心の中でくり返した

 

いつの日だったかは知らない

 その日から その日から  

  忘れがたき貴女の面影を 

   心のなかに抱くようになった