それでもなお歓びが湧く 思い出の君だから 近く現れるであろう貴女へ暗黒のなかで 死んでしまい
それでもなお歓びが湧く
幸福の運命よ
あの時からお前は二度と帰らないのかと
私は毎日野にもでないで この部屋で待っていたのだ
幸福の運命よ
私の心から決して離れないでおくれ
そして私はおまえを離しはしない
私はきょうとても愉快なのだ
お前のすべてが私の心に住みついているから
ありがとう ありがとう
私の愛する貴女よ
思い出の君だから
思い出の中で君と出会った
何も知らないような姿で 僕の前を走っていった
思い出の中の君だから
僕は追うのを止めた
だって だって
君は ……
まぼろしのように僕の前から去っていっても
僕はそれでよかった
何も言わぬ 追いもしない
だって だって
君は思い出の君だったから
近く現われるであろう貴女へ
どんよりとした空が
わたしの心を寂漠としたのだろうか
わたしは昔日のように寂しくなって
貴女の姿を心の中で追ったのかも知れない
一粒の希望が貴女にわたしの心を告白する勇気を与えてくれた
ああ 愛とはかくも美しくわたしをつつんでくれるとは
今もって 再認識した
これが片恋で終わるとは信じられない
束の間の男女の戯れであっては……
どうぞ貴女!
もう心を冷静に
一刻も早くわたしの心に宿りに来てごらん
幸せな世界が秘められているかも知れない……ヨ
ああ 貴女の愛がわたしの心のなかで
溢れる日を待っていよう
それが遠い日であっても
暗黒の中で
苦しくて涙
楽しくても涙
ショーペンハウエルの遺志も
HUMAN LOSTの心理も知らないで
どうして自殺を否定しようぞ
過去も未来も無
現在も無
青春は暗黒の果て
それでも 生きよう
きっと 涙……
(19歳の7月2日筆)
死んでしまい
ああ何もかも死んでしまい
純なるもの真実なもの
この世に何一つないのに
どうして人は求めるのか
きっと失望して孤独の部屋に入ってしまうのに