消える雑踏、始まりの鐘 | 雑踏水族館 -Crowd Aquarium-

雑踏水族館 -Crowd Aquarium-

日々の出来事や創作物を展開しています
是非、覗いていってください

声が聞こえる

声が木霊す

声が消えていく


存在した雑踏

数分前に消えてなくなった

今はとても静か

そこで響くのは一人の声


それって静かだっけ

それって静かなの

そもそも、静かが当たり前


空気へと融ける声

一分、一秒止まらずに続く

木霊す声は、続く、続く


それは永遠じゃない


私にとって

貴方にとって



眠りにつくあの子

目を見開いて、ただ書くあの子

空見るあの子はあの席の男の子


そこに問題の答えは無いよ

数多の答えはあるけれど


苦でも楽でも私の道


風が吹き抜ける

首筋を撫でて彼方へ走り抜ける

その顔はきっと真っ赤っか

林檎のように、林檎以上に



終わりを告げる鐘が鳴る


目を覚ますあの子

目を閉じるあの子

はっと気が付くあの子はあの席の男の子


再び始まる雑踏


終わりから始まるもの

始まりから終わるもの

そうして世界は廻ってきた



声が聞こえる

声が木霊す

声が消えていく


存在した雑踏


終わりを告げる鐘が鳴る

また、私たちのことを風が撫でた