記憶の中のイメージについての回想、とクルマのことも。 -6ページ目
Look up

友達に頼んで好きな人がいるか聞いてもらったり
名前を呼ぶだけでドキドキしたり
もっと知りたくて、もっと話したいのに、踏み切れなくて
自分がダメなやつなんじゃないかって思ってしまって
でも君のことで頭がいっぱいで
君のことしか考えられなくて

机に向かっているとため息がでた

「どうしてなんだかわからないんだけど
いつも目で君を追っている自分がいる
 
友達におはようって言う笑顔
休み時間に喋ってるときの横顔
黒板に書いた白いチョークの文字
教科書を読みながら髪を耳にかけるしぐさ
グランドを走っているときの真剣なまなざし
下駄箱の前で靴を履き替える君
夕日のオレンジ色の光の中に浮かぶシルエット
僕の名前を呼ぶ声

これって、つまり、好きってこと、なんだと思う
僕は、君が好き……? 」
 
書き出した文字は白いノートの上で蛍光灯に照らされて
鈍く光ってキラキラしていた

朝起きてやっぱりこんなの見せられるわけ無いよなって思って
書いたページを破りとりながら読み返していると
「なにしてんのー? ごはんよ!早くたべなさーい」
 と母の声がした
一瞬ドキッとして急いでノートと一緒にしまいこんだ
 
落ち着かない気持ちのまま学校に行ったら
君は顔を合わせるなり
「ねぇ、宿題やってきた? ノート見せて」
 と言ってきた
僕はノートを渡した瞬間、やっと思い出したのだが遅かった
 
切り取ったはずのページが挟まったままになっていて
見つかってしまった
「あっ! ラブレター? 誰に書いたの? 」
「違うよ。別に関係ないだろっ! 」
 
全部読まれる前にと、なんとか抵抗したが
君はもったいぶってなかなか返そうとはせず
ノートを両手に挟んだまま胸の前で左右に動かし
取られないようにして逃げていた

「ねぇ、誰なの? いいじゃない教えてくれてもー。
いいもん読んじゃうからっ」
 誰にって言っても本人なんだから読んでいいに決まっている
 
「アホかっ! 」
 そう言って僕は強引にノートを取り返しそのページを抜き取って
無言で教室を飛び出した

トイレの鏡の前でため息をついた
真っ赤になった頬を見て
「こんなんじゃ顔も合わせられないよ」
 とつぶやいて、やっぱり好きなんだなと思った
ビリビリに破った白い紙を流していると
始業のチャイムが鳴っていた
鉛筆で書いた文字は渦を巻いて流れて消えていった  

この頃の女の子というのは精神的に男の子よりも成長が速く
そういった感情に敏感なもの
当然、君は僕の気持ちを知っていて
「誰に書いたの? 」
 って言ってたんだ
僕の口から君の名前を、言って欲しかったんだ

そんなことがわかるようになるには
少し時間がかかり過ぎてしまった
あのとき、まさか君が、ぼくのこと……

いまでも頭の片隅に残っている
忘れることのできそうもない、あの頃の思い出として

積もり雪知らないところ

ずっと赤いベロアのシートに座っていた、旅人のように。
夜の間に降り積もった雪は午前中からの強い日差しで融け始めていた。

流れ着いた場所に、知るものは誰もいない。

ぼぅっとした頭で考える。
ここに留まるわけじゃない。
ただ通り過ぎるだけの多くの中の一人に過ぎない。

たしかに今、キラキラ光って融けている白い雪のホームに立っているけど、何か理由があるわけじゃない。たまたま通りかかっただけなんだ。だから僕を知ってる人なんていなくて当たり前だし、そのほうがかえって楽ってもんだ。

でも、何かに気持ちを揺すぶられて、うつろな目つきで一枚撮ったのに理由があったことは確実なんだ。
まぶしかったのを覚えている。目がちょっと変になった。

車内に入ったら真っ暗で、見えるまでに時間がかかった。


何も話さない、何も聞かない。
イメージで車窓に曲を奏でるだけ。
時間が過ぎるのがゆっくりに感じたけど、セイコー5は針をまわし続ける。

時の流れってやつはある一点から始まって、今まで一直線に進んできたと思ってたけど、腕時計の中では違うらしい。
ぐるぐる回る。ずっと。くりかえす。時がまわる。
これからも。

視界は幻想の世界から抜け出し実体を持ち始めている。
ささやかに感じられるあの人の姿は、湖畔のさざなみへ帰る。

ねぇ、なんだっけ 探してたもの
僕らだけの秘密
あれは、そうね いつだっけ
だぶん出会った頃

みんながあの人に集まったんだ
聞きたいことがたくさんあった
でもあの人は黙ったまま
何も話さない

奏でた調べはどこまでも遠く
耳に届くはあの人の声と秘密の存在

僕らはあの人に踊らされ 心を奪われたんだ
あのときは夢中になって追いかけたんだ


「プシュー、ガッチャン」

ドアが閉まって動き出した列車のなかであたりを見回した。
知らないところでひとり座っている自分が落ち着かなくて居心地がよくなかった。

短針が「12」に近づいていた。
 


ローカルホームみなみおたり

糸魚川で北陸本線から大糸線に乗り換えます
新潟から長野を通り山梨へと抜けます

海沿いを走ってきたけどいつの間にか
周囲は山に囲まれ
雪原には点々と歴史を感じさせる民家が見える

屏風のように取り囲む山脈は白く覆われ
その表情を隠している

深い雪に埋もれた田園風景は
どこか懐かしいようでおちつかない

風景は次第に狭まり
姫川沿いの谷間を走る

時折通り抜けるトンネルは
車両ひとつ分の幅しかない
辺りを見回しても他にそれらしきトンネルもなく
単線であることを改めて気づかされる

トンネル内に電線はなく
ディーゼル車両であることに気づく

車両は一両編成
乗車時にバスのように
乗車券を取り
票を見て
降車時に
料金箱に料金を直接入れる

それにしても
どうして雪国の列車の座席は
こうも熱いのだろうか

もうすぐ白馬村だ


横流れ次の次の駅

谷川岳の東側
湯檜曽川沿いを通る上越線

水上を出ると河の名前が変わる
よりいっそう急峻な山々に囲まれる

ゆびそ駅を出るとトンネルに入る
すぐに土合駅

世にも珍しいトンネル内の駅
どあい
どうやら上りと下りではホームが違うらしい
トンネル内は単線だ

別のトンネルを通る上りは
谷間に開けた地上ホーム
なんと!

写真はその次
土樽駅
長いトンネルの後の駅

この辺りは
線路が上下で違うところを通っている
下りは迂回しても上りはまっすぐトンネルだったり
まるで違う車窓

魚野川沿いの進むと
次は越後中里

その次
いわっぱらスキーじょうまえ


越後湯沢

もう暗くなり始めていて
スキー場の明かりがきれいだった



北の十字星ここまでは

この列車でした

水上まではね

高崎から乗ってきて

流れる景色を見ながら

駅で買ったお弁当を食べました

ここでお別れ

列車の旅はやっぱり

ゆっくりじゃないと雰囲気が出ませんね

NHKでやってる関口さんの旅

あんな風に楽しめたらもうこっちのもんですよ

でもこのときは帰省だったんですけどね

目的地はまだまだ先です

といっても

世界の車窓から

ほどじゃありませんよもちろん



急行利根川沿いの山間

みなかみ

普通列車に乗って都心から新潟方向へ向かうと

必ずここで降ろされる

結構な時間を待つことになるのだが

なぜかあっという間

トンネルを抜けると……

そんなことも影響しているのか

別の世界にいる自分を理解するのに時間がかかるのか

気づいたら数十分経っている

なんだか惜しいような気もするが

とっても楽しい

群馬県の温泉町

対岸の露天風呂からは渓谷が見下ろせる

電車に乗っかって通るだけなんてもったいないかも

ここだけ時間の流れから取り残されたような雰囲気

「水上」

発車時間が近づいた

ドアを手で開けオレンジ色のふっくらしたシートに座る

あったかい

いや、あついかも


そんな印象は無いかもしれない

でもこの一枚を見る限りではそう感じる





原色の灯が飛び交う街

無機質な論理の香る風

目に映る景色ではあるけど

無音の世界





そんな時間にドライブするのもいいかもしれない

「好きな人が… できたの」

 その一言は、とても優しく聞こえた。しばらくして、ゆっくりと目を開けて言った。

「じゃあ、お別れドライブに行こうか」

 うつむいたまま何も語ろうとしない彼女を乗せて、僕はキーを回した。
 走り出してからずっと外を見ている彼女の表情は、よく見えなかった。
 
「窓、閉めよっか。寒いしね」

 スイッチに手を伸ばしてみたけど、こっちを見てくれなかった。
 僕が仕事をするようになってからは、彼女もまだ学生だったということもあって会う機会もだんだん少なくなっていった。
 海岸沿いの長い国道に出ると、車内の空気を察したのかロードスターも急に元気が無くなった。ハザードを出して路肩に止まった白い小さな車をどんどん追い越していく車たち。たしか三年半前、最初に乗せた時もこうして止まってしまったような。
 予想していた。心のどこかでこうなることを望んでいたような気さえした。
 思い起こせば最近、彼女が笑ったところを見ていない気がした。彼女の…、笑顔を思い出そうとしてもできなかった。
 どれぐらい時間が経っただろう。先に沈黙を破ったのは彼女のほうだった。

「あのねっ、わたし…」

 聞けなかった。

「いいよ。なにも言わなくて。しょうがなかったんだよ。君のせいじゃないから」

 ずっとこっちを見ている彼女の目を、僕は見ることができなかった。
 しばらくして、ロードスターが息を吹き返した。

「行こうか。送るよ」

 彼女は優しく返事をした。
 ハンドルを握りながら、流れる景色を見ている彼女を横目で見た。
 元気になったロードスターが心にしみた。



 オルフェウスよ
 僕も君のように振り返ってしまえばよかったのかな
 
 
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積乱雲・雄大積雲から下降する気流が弱まらずに地面に激突し大きな破壊力をもって周囲に吹き出す現象


正面 北アルプス立山連峰

平成十七年元旦 午後四時頃 撮影

minolta SR-7 MC W.ROKKOR-S1 28mm

ISO 800 F2.5 1/15
なぁ ハチ

一体どこを見てるんだ


夜明け前の星空は

最後の力を振り絞って瞬いている


なんで両足の間にたくさんハンバーガー隠し持ってんだ

誰からもらったんだよそんなに


なぁ 全部ひとりで食べる気か

俺にもくれよ

なぁ いいだろ