記憶の中のイメージについての回想、とクルマのことも。
書きたいときには伝えたい何かがある。

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平日前のスーパー@ニコタマ。

投売りかと思うほど威勢の良い声が響く。
若い売り子のあんちゃん2人が、野菜を売っている。

見るとちっこいかぼちゃだ。
こぶし大。

50円なんとかかんとか…
そのまま食べれますなんとかかんとか…

何か特徴があるらしいが、よく分からない。
そうかと思うと、変化球が来た。

「おあっ、これがあのかぼちゃか」
「ああっ、こんなところに」

にやっとしてしまう。
笑ってしまう。
なぜかくやしい。
負けた。

買わなかったけど。
あんたの勝ちだよ。

誰も買ってなかったけど。
その調子で。


奇妙な光景だった。

金曜の夜の半蔵門線。 終電にはまだ早く、混み合う車内にあっても話し声は聞こえない。
乗客は平日の疲れを残し皆無表情だ。 つり革を掴むと目の前に座る人に目が止まった。
わずかに茶色がかった髪が垂れ下がる。
下を向いて表情は見えない。
寝ているのだろうか。
動かない。
ビニール傘を抱えている。
杖かと思った。
柄が折れて、先端がぽっかり口を開けていた。
どうしてそうなった。
そしてなぜ折れた傘を持ち歩くのか。

改めて服装を観察する。
黒いナイロンのリュックを膝に載せて抱えている。
そのジッパーはピンク色でパンクな雰囲気がある。
一方で服装は大人し目だ。
上着はグレーのパーカーにアーミーグリーンのパンツ、靴はクロックスだ。 垂れた髪の隙間から、空いた胸元が覗く。

答えが見えないまま、その車両を降りた。
世界三台がっかり。
こんなのサーキット行かなきゃつまらない。
一般道を走る限り、苦行だ。

あるのは単なる高揚感。
そんなのいらない。


こんなかっこいいクルマ見たことない。
運転した印象に関わらず、そう思う。
サイコーだ。
文句のつけようがない。

悔しいので、C1に突入。
俄然やる気十分です。

1930㍉㍍の車幅も、目線の低さからくる車体サイズのつかみにくさも、
左ハンドルであるデメリットも、すべて吹っ飛ぶ。
それでもくやしいかな、持てる性能を引き出す腕はありません。

流すだけで、異次元の走り。
ギャップもやらしいコーナーも、なんのその。
アルミボディと四輪駆動が強烈な安定をもたらす。

そのまま走っていると、ジャパニーズスポーツカーが後を追っかけてくる。
パワーではもちろんR8が上回っていると思われるが、なかなか踏めない小心者。
そのためストレートでは追い立てられる。
しかし、コーナーではこちらが引き離す。
クルマの性能と腕がつりあわないからこそのおかしなバランス。

とんでもないスタビリティだ。
速度が上がると奏功するが、
一般道では逆効果。
何も起きない。
楽しくない。
運転してる限りは、幅の広い「TTクーペ」に過ぎない。

裏をかえすと、それぐらい運転しやすい普通のクルマだということになる。
いやはや、恐ろしい。
アウディはとんでもないスーパーカーを作ったもんだ。
でも乗り心地はあまり良くないし狭いし少しうるさいから、女子ウケはしないだろうな。

カッコよすぎる見た目と、すばらしい操縦安定性を備えたR8を運転していると、
なんだか未来の乗り物に乗っているような気になってくる。
地面を走るなんてもったいない。
そんなクルマだ。

燃費はおよそ6㌔㍍/1㍑でした。





今日は風が冷たい。
コートを着ればよかった。
というかむしろ手袋がほしかった。
かじかんで指も動かず家の前。

街を歩いていて目に付くのは「タイツ」。
まー言うなれば、My favorite なわけですが。
そんなことより言いたいのは寒そうだということ。
寒いから生足ではなくタイツ。
それは分かります。
私も生足よりタイツが好みです。

ただどちらも大差ないでしょう、「ズボン」に比べたら。
わざわざ太ももまであらわにしたホットパンツやミニスカートをはかなくても良いのに。
そんなに脚を見せたいのでしょうか。
見せたいのでしょう。
だって見たいですから。
長いとそうでないとに関わらずタイツをはいて脚を強調する貴方は偉い。

なぜタイツが目に付くのか。
寒い日だから。
そうなのです。
寒い日には街を行き交う人々が違って見えるのです。
どんな風に見えるのか。
寒さに流されているかそうでないか、はっきり分かれるのだと思います。
私にはタイツをはく女性の多くが寒そうに見えるのです。
むしろ、寒い日だったとしてもいつもと変わらずより薄手のストッキングをはく女性のほうが寒そうに見えません。

なぜか。
心が温かそうに見えるからです。
なぜか。
表情から北風に負けない強さを感じます。
なぜか。
寒さに打ち勝つ何かを持っているのではないでしょうか。
なぜか
聞いたわけではありませんので分かりません。
なぜか。
私の思い込みでしょう。

さてさて。
皆さん、寒い人はお好みでないでしょう。
滑る人という意味ではありませんよ。
心が寒い人です。
言い過ぎました。

ふと、こんな論理が思い浮かびます。
脚が冷えると体が冷える。
体が冷えると表情が固くなる。
表情が冷え固まっていると心まで冷たくなってしまう。
ゆえに冬は暖かい服装を心がけるべし!
強引でしょうか。

わざわざ体の線を露出しなくとも魅力は十分に伝わります。
それに露出が多いかそうでないかで心が動かされる男性と長期的な信頼関係を築くのは難しいでしょう。
私には防寒対策をして体も心も温かそうにしている女性のほうが総じて魅力的に見えます。
たとえ着膨れしていたとしてもです。
暖かいと感じると、心にも余裕が生まれるのだと思います。

渋谷の東急の地下にあるパン屋「アンデルセン」で、マカダミアナッツ&クルミ入りの星型パンを2つ買った。大好物。1個130円は安いと思う。バナナケーキとスコーンも買った。いつも切手みたいなシールをもらうけど、貯めてないのでいらない。ということはどうでも良い。

会計しようと並んでいたら、通路側にいた店員さんが高く手を上げたので、そのレジへ向かった。千円札を出したら、そのお姉さんはおつりを差し出した。もらおうと手を出すと、お姉さんは右手と左手で、僕の手を握り締めた。ぎゅっと。不意に肌と肌の強い接触があって、ドキッとした。仕事で握手する時はなんともないのに。驚いて相手の表情を伺うために目を合わせると、自分より若そうで背の低いお姉さんが、顔をくしゃっとさせて笑っていた。彼女は元気な声で「ありがとうございました」と言った。できるだけ爽やかな笑顔を返そうとしたが、どうだったか。

予想外のタイミングで予想外の人にボディタッチされると、驚く。
ドキドキする。
相手が自分の手を強く握ったぐらいで。
自分が驚いたことに、驚く自分がいる。

まじめに考えると、こうだ。コンビニでもどこでも若いレジ担当者は、ぶっきらぼうにつり銭を放り投げるようなことがよくある。サービスの良い東急でそんなことは無いだろうけど、あまりにサービスが良かったので恋に落ちてしまった、という話。まさか。そんな簡単でもないし、盲目でもない。問題はお姉さんが誰にでもそうなのか、ということ。疑心暗鬼。これって泥沼。ほら、惚れてる。うそうそ。だってもう顔を覚えてないし。手を握り締められた時、どんな心地だったかも忘れた。衝撃だけが残ってる。

そういうのは、パンを買う時に思い出すのが幸せだと思う。
でも、ぶっきらぼうにつり銭を返されてもがっかりしないこと。


今まで乗った車の中でベストバランスかもしれません。
それがなぜかマークX。
シンプルに言えばBMWほど過敏でなく、クラウンほど重くない。
ほどほどの駆け抜ける喜びとゆったり過ぎない乗り心地とでも言いましょうか。
言葉だけ見てとると、メルセデス・ベンツのようですがそこまで重厚ではありません。
良い意味で軽薄です。軽快という言葉が適切とも思いませんが。
かねてからそんな車がほしいと思っていました。
でも見た目はもう少しすっきりしたほうが好みなので、マイナーチェンジに期待。

高速道路を長時間走っても疲れず、市街地の交差点を回っても気持ちよく、普段から肩肘張らずに使い倒せるFRだと感じました。快感という点ではBMWに敵いません。トヨタもそこは目指していないでしょう。トヨタの乗り味の魅力は使いやすさにあると思います。もう少し車体サイズが小さいと嬉しいです。

最後に、腐ってもトヨタです。輸入車にはない決め細やかな機能が付いています。ナビ協調制御にバックビューモニター。上級グレードにはレーダークルーズに車両姿勢のアクティブ統合制御も付きます。電子制御にはプリミティブな楽しさが失われるという反対論もあるかと思いますが、安全性向上のためには有効でしょう。

乗れば乗るほど良さがしみじみ伝わってくる車です。
私見ですが、良くない車は乗った瞬間は良く感じても乗れば乗るほど悪さが目立つ車です。
そういう点で、マークXはドイツ車とよく似ています。

日本車でしかもトヨタ車でこれを味わえるのは貴重です。
日本車であることは日本で車に乗る上で数々のメリットになりますから。
工業製品を使う上でありふれたものであることは大きなメリットだと思っています。







トヨタがトヨタバッヂをつけたダイハツの軽自動車を来秋から販売することになりました。
トヨタが、自社ブランドの軽自動車を販売するのは初めてです。
ちなみに、ダイハツは今までどおり軽自動車の販売を継続します。

とはいえ2003年以降は、トヨタとダイハツは互いの販売店で相手の新車を販売していました。
つまり、トヨタのディーラーに行って、ダイハツの軽自動車を買うことができるのです、今でも。
トヨタディーラーでダイハツの軽自動車が売れる台数は年間約3万台。
とりあえず以上の前提があります。

トヨタが自社ブランドの軽自動車を販売することにしたのは、単純にお客さんが軽自動車を望むことが増えたからです。
これまでもダイハツ車を買えたのですが、そんなことは知られていません。ディーラーでの話題が軽自動車に及ばなければ、営業マンもわざわざそんな話はしないでしょう。
認知されてないので軽自動車に買い換えようとするトヨタ車ユーザーが、トヨタディーラーを訪問せずに、軽自動車に乗り換えることが増えてきたのです。

自動車販売店にとって、販売機会の喪失は大ダメージです。
国内の新車販売台数に占める軽自動車比率が3割超で、比率が増加する傾向にあるのも理由です。
これまで軽自動車の税制優遇は不当だとして、軽自動車批判を行ってきたトヨタも、これまでの主張を翻してでも、トヨタユーザーが他ブランドに流出することを食い止めたかったということになります。

直近では日産自動車がスズキと三菱から軽自動車のOEM供給を受けて、自社ブランドの軽自動車販売に参入した例があります。富士重工(スバル)は、新車販売台数の7割が軽自動車だったのに、軽自動車の新車開発を停止し、トヨタを通じて間接的に資本関係のあるダイハツからOEM供給を受けることにしました、一部の商用車(サンバー)を除いて。懐具合が寂しいので、本業の水平対抗と四駆に傾注します。もっと遡れば、マツダも自社開発を止めてスズキからOEM供給を受けています。これでトヨタ、日産、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱、ダイハツ、富士重の乗用車主要メーカー全社が軽自動車を販売することになります。売れるならなりふり構っていられない状況が見て取れます。


さて、ダイハツから見ると、生産台数が稼げるので開発コストの償却が進むメリットがあります。しかしダイハツディーラーにとっては、トヨタの販売網は驚異です。自社の顧客が奪われる懸念があります。巨大な販売力を持つトヨタが軽自動車販売に本格的に着手したからには、軽自動車市場全体が拡大するメリットはありますが、デメリットも大きそうです。そこでダイハツ側は条件を出しました。それはトヨタが取り扱える車種を限定することです。当面は乗用車のムーヴコンテ、商用車のハイゼット、検討中の乗用車一車種の計3車種に限定します。検討中の車種が気になりますが、決定済みの2車種は取り立てて台数が稼げる車種ではありません。ただしムーヴコンテは女性に人気ですし、ハイゼットは個人事業主や中小企業に人気がありますので、それなりに奏功するでしょう。
トヨタは2012年にこの3車種だけで年間6万台の販売を計画しています。現状の3万台から倍増です。加えて引き続きトヨタディーラーでもダイハツ車を買えることには変わりないでしょうから、トヨタディーラーでは2ブランドの軽自動車が買えることになります。業販店(業者販売店舗)と呼ばれる、小規模で個人経営の新車販売店ではどんなブランドの新車でも扱うことがありますが、これを除けばかなり珍しいことです。

ダイハツはトヨタが軽自動車をよこせと言えば従うしかありませんが、ただ言うことを聞いているわけにはいきません。それには事情があります。トヨタとしては、全車種ほしいくらいなのですが、そうするとダイハツ販売店(ディーラー)が黙っていません。販売店には発言力があります。もちろん車を売った実績があるからなのですが、もう一つの大きな理由はほとんどのディーラーが直営でないことです。地場資本なのです。つまりほとんどのディーラーは地元の企業や名士が経営者なのです。これはどの自動車メーカーでもほぼ同じです、割合は少し異なりますが。このため、ディーラーに配慮しないことには、何もできないのです。メーカーとディーラーは互いに取引相手の関係だからです。そこで何を条件にしたか。主力車種のムーヴを渡さないこととに加え、トヨタのハイブリッド車をダイハツブランドで販売する条件をトヨタに飲ませました、ハイブリッド車の販売までにはあと2、3年かかりそうですが。つまり、今回の取り決めは互いに車種を融通する内容なのです。ダイハツだけが割りを食うわけではないのです。そうはいっても、トヨタが得るメリットが大きいのは変わりませんが。

ユーザーはトヨタとダイハツのどちらで、軽自動車を買いたいでしょう。どっちのバッヂがついた車に乗りたいでしょう。ちなみに中身は99・9%ぐらい同じです。さあどっち!?
と、そうではないのです。どっちでも良いのです。大切なのは、顧客が望む車種を近隣のトヨタディーラーがタイムリーに販売することにあります。トヨタでも軽自動車が買えることが、一般に知れ渡れば販売機会の喪失は食い止められます。仮にほしい車種がなければ、ダイハツ車を売るか、最寄のダイハツディーラーを紹介すれば良いだけのこと。トヨタグループの車種を選択してもらうに越したことはありませんが、おおげさに言えば、顧客にはどのブランドに乗っていても良いのです、トヨタディーラーを贔屓にしてくれれば。顧客が顧客であり続けてくれるなら。人口が減少する国内では、新車ディーラーにとって最も大きな収益源となるのは、修理や車検の代金収入です。車を販売して一回だけの収益を得るよりは、小額でも継続的に収益を得て、顧客の望むことや困ったことを耳に入れ続けられることのほうが、企業として大きなメリットにつながります。


知っている人も多いと思いますが、トヨタのディーラーは4種類あります。もちろんレクサスをのぞいて。
上から挙げると、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店。少しづつ販売している車種が違います。
どのトヨタディーラーに行っても、好きな車が買えるわけではないのです。実際には前述の相互融通や店舗紹介を行って、販売機会の喪失を防いでいますが。上から順に店の格が高いのです。例えば、クラウンが買えるトヨタ店では、小型車のほとんどが買えません。その逆もしかり。プリウスは人気があるので、全店舗で買える特別待遇ですが。店舗の性格を分けるのには理由があります。客層が異なるからです。例えば、ルイヴィトンの店でユニクロは買えません。その逆で、ユニクロを売っている店でルイヴィトンを買いたい人はほとんどいないでしょう。求められる接客も異なります。それで、ブランドごと別扱いにして、ドイツの高級車に戦いを挑んだのがレクサスです、今のところ成功していませんが。

トヨタブランドの軽自動車は、全国のカローラ店、ネッツ店(計約2900店)で販売します。また新車販売に占める軽自動車の比率が過半数を超える、四国、九州、山陰、東北の十数県ではトヨタ店、トヨペット店でも販売するという、掟破りな戦略です。事実、各地の販売現場からはハイブリッドがあっても軽自動車がなければ客は他ブランドに流れる、といった悲鳴が上がっていたようです。

これまでの不文律を破ってまで、軽自動車を販売することの先には何が見えるのでしょうか。
すでに全チャネルで販売しているプリウスという前例もあります。
目的は、客がどこのトヨタディーラーに行っても、買える車種に制限を設けないという理想の実現です。
実際には地場資本とのしがらみや過去の経緯もあり極めて難しいですが、時代はそんな制限のある販売体制を許しません。軽を含めても年間販売台数でトップになったプリウス、低価格帯で市民の足となっている軽自動車という両極端の商品を使い、ディーラーにさまざまな車種の販売を経験させ、将来、この制限を取り払うことへの布石とする。今日の発表からはそんな戦略が読み取れます。

とはいえ、その垣根を取り払う前に国内市場がなくなってなければいいけど。












2000年代にいくつかの大型提携が始まったが、現在そのほとんどが別離・解消という終止符を打っている。
ダイムラー・クライスラーはその典型。
ルノー・日産連合はその中で、数少ない成功組だ。

それ以前からの提携を含めると、
スズキ・GM
PAGを解体し切り売りしたフォード
ダイムラー・三菱
その他いろいろ。

ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、EV、燃料電池などなど。
次世代自動車に搭載されるパワートレインは多様化する見通し。
単一自動車メーカーではあまりに開発負担が重い。
さらには商品の差別化以前に、商品化できなければ残るは企業消滅のみ。
これが意味するのは、商品の差別化はパワートレインの性能に頼らないという未来だ。


以下は、大手の2009年の世界販売台数。

フォルクスワーゲン・スズキ連合 859万台
トヨタグループ            781万台
ルノー・日産・ダイムラー      763万台
ゼネラル・モーターズ(GM)    未公表(トヨタに及ばず)

800万台クラブには、もはや単一ブランドで到達できないのが明らか。

自動車が誕生してから100年間、世界1を誇ったGMはどこへ向かうのか。
経営破たんしたクライスラーは、小型車を得意とするフィアットと提携した。

残る大手は、アメリカのフォード(481万台)と韓国の現代・起亜(475万台)。
この世界大手2社の動向も注目される。

かつて世界の覇権争いは400万台クラブが握る、と囁かれた。
今や時代は800万台クラブ、である。
世界生産台数7千万台のうち、シェア1割以上持たなければ、生き残れないのか。
中国やインドといった後進国での需要拡大は今後も見込まれるものの、
シェア1割超を前提とすれば持続可能な自動車連合は、世界に10社以下となる。



3代目「プリウス」には油圧ブレーキと回生ブレーキが使われ、これらを協調制御しています。
そして、この油圧ブレーキは2系統に分かれます。
油圧の発生源が真空倍力と、電磁ポンプと、2つあるのです。

ざっくり言うと、3つを使い分けたり、このうち2つを組み合わせたりしているのです。
つまり、複雑なわけ。

今回の全面改良では、2代目でクレームを受けた「電磁ポンプの動作音」を下げる“改良”を施しました。電磁ポンプで油圧をサポートする強さを、従来に比べ弱めたのです。それが結果として、運転者の期待を裏切る格好で、減速感の不足を招いてしまったのです。
具体的には、ゆるい減速度が発生している場合、ABS作動後に、運転者が予想したよりもブレーキが利かない状態に陥るのです。
改良した制御プログラムでは、電磁ポンプの動作音がうるさくなることをいとわず、十分な油圧発生量を確保するようにしています。

初代では、停止寸前での減速感の急な立ち上がりが、かっくんブレーキと揶揄されマイチェン時に改良。
2代目では、ほとんど違和感のないスムーズなブレーキを実現。
ところが、踏み心地がマシになったら、今度は音がうるさいと指摘を受けます。
そもそもエンジンが停止しているからこそ、その音が気になってしまうのですが。
3代目では、律儀にもその音も低減します。
本来は、必要な機能が発生する音だったかもしれません。

スムーズで、快適な車を実現しようとした結果、思わぬ形でユーザーの期待を裏切ることとなったのは、皮肉としかいいようがありません。

一般的にハイブリッド車は、エンジンとモーターを違和感なく協調させるのが難しく、その技術に注目しがちです。
しかし、ブレーキにもハイブリッド専用の特性と制御が必要で、複雑な協調制御を行っているのです。
これは擁護ですが、もともと完全な車はありません。

ただし開発で手を抜いたわけでもありませんし、プログラムにバグが発生したとか言うことでもありません。
自動車は、欠陥が直接事故に結びついたり、暴走してしまうようなことにはならないよう、細心の注意を払って設計されています。
改良前でも、ブレーキはきちんと効きます。
それに多くのユーザーは意外と冷静ですし。

一つ言えるのは、自動車とて自動車メーカーが考える商品ではなくなりつつある、ということ。
食品と同じように消費者が考える味を実現していなければ、安全の範囲内であったとしても、欠陥だと判断されてしまうのです。
自動車メーカーは、彼らが考える以上に消費者側に立った商品開発をしなければならないことを、今回のブレーキ不具合問題が暗示しています。







9日、東京本社で豊田社長が会見しました。
同席した、佐々木眞一副社長(品質保証担当)がトヨタを代表して、今回の件について初めて詳細な技術的説明を行いました。

それによると、開発時にブレーキがすっぽ抜ける感覚が発生する事象を認識していなかったそうです。
発売から数ヶ月後の秋口に販売店を通して、いくつかの事例報告があったのですが、冬までは特殊な事例だと認識していたようです。路面凍結が多くなり、ゆるやかな減速とともにABSが作動する機会が増えると報告が急増。すでに現象を解明していたトヨタは「きわめて特殊な条件下で発生することだが、多くのユーザーが体験することだ」と認識を改め、制御プログラムを改修し、1月末にランニングチェンジを行ったのでした。
豊田社長は「今までは、これが原因で事故は起こっていないが、20万台がこの先何十年も走り続けることを考えると、事故が起こらない保障はない」とリコール理由を説明しました。
車両に、事故が起きたり、明らかな欠陥が無いのに、リコールを行う異例の事態となったのは、こうした理由があったのです。

ちなみに、世論は「顧客目線でなく、メーカー目線のトヨタ」に傾いており、批判が集中しています。しかし、あくまでも、今回の件で法律違反やルール違反はありません。「ドライバーの違和感」から一転、リコールに踏み切ったのは、佐々木副社長曰く「車両保安規準に適合するブレーキ性能を持っていたとしても、ドライバーが減速したいときに期待を裏切る動きをして不安感を与えるようでは、安全な車とは言えない。保安規準の心である『安全に運転できること』を尊重した結果」だから。

ちなみに、 トヨタによるとブレーキの切り替えに要する時間はわずか0.06秒。
これがそのまま、1秒近くのすっぽ抜けを感じることにつながっているわけではありません。これが分かると、かなり敏感な人です。
3代目プリウス、プリウスPHV、SAI、レクサスHS250hの4車種は、ABS作動後に、電磁ポンプに由来する振動や騒音を低減するために、真空倍力式の油圧ブレーキを機能させています。2代目プリウスでは、電磁ポンプで油圧を足したブレーキを使用していましたが、低減速G領域では振動騒音が目立ちクレームがあったようです。それで、新型ではあまり強い油圧の必要ない低減速G領域では電磁ポンプの作動を控えめにする設定となったのです。しかし、これが原因で、ABS作動後にそれまでの踏み込み量に対し、制動力の立ち上がり感が減少するわけです。これが、思ったよりも効かない=すっぽ抜け、につながっているわけです。
ただしこれはあくまでも、ペダル踏力を一定に保った場合の話。ほとんどの場合、人はペダル踏力を常に変化させていますし、効き方が足りないと感じれば、踏み増します。
トヨタが踏めばちゃんと効きます、と語るのはこれを指します。
ちゃんと止まれるのです。
ちゃんと止まれるが、制御の設定が原因で思ったより効かないことがあるので、不具合だと言われ、欠陥だと騒がれ、リコールすることになったのです。

改良プログラムは、切り替え時間を無くすとともに、作動後の油圧を作動前と同等とする内容です。
すっぽ抜け感はなくなる、とのことです。

こんなに早く改良できたのなら、なぜ開発段階でそうしなかったのか。
それは、こんな不具合が発生するなんて、テスト走行時に発見できなかったから。
制御プログラムを設計する際に、想定できなかったから。



自動車は、機械と電子制御を組み合わせるメカトロニクスの塊です。
それは今後、もっと複雑化します。
実はすでに、組み込みソフトウェアと呼ばれる制御ソフトウェアの開発段階では、すべての入力信号と出力信号の組み合わせを、再現できていないのです。
再現できなければ、どんな信号の組み合わせが発生しても、問題が起こらないように設計できません。なので、とりあえず発生が想定される信号の組み合わせだけを確認し、想定される使用範囲内では安全であると判断しているに過ぎないのです。

今回の事象は、この動作確認漏れが原因なのでしょう。
だとすれば、制御プログラムの安全性や、制御品質は今後どのように担保すればよいのでしょうか。
豊田社長は、トヨタが開発段階で想定できなかった現象をユーザーが発見し報告してきたことについて「トヨタが考える現地現物以外にも、お客様が(世の中で)初めて遭遇する現象が今後もあるかもしれない」と話しています。これは、「トヨタは全知全能の神のような存在ではないと思っている」という自身の発言を裏付ける一言です。
自動車メーカーが、自製の自動車の挙動を把握できないでどうするんでしょうか。
しかも、ブレーキは重要保安部品ですよ。
自動車の電子化に暗雲が立ち込めてきたようです。