台風21号被害から考える理科と社会基盤(電力) | 東海進学アカデミーのブログ

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こんにちは理数担当の森です。

台風21号すごい風でしたね。

みなさんは被害なかったでしょうか?

 

台風が来るたびに理科を教えている私にとっては雲の流れが気になってしまいます。

台風は熱帯低気圧といって

低気圧の一つです。

なので、上昇気流です。

だから雲ができます。

(これは受験で大事です!)

ちなみに、できる海域によって名前がかわります。

  1. 北西太平洋:台風
  2. 北島太平洋及び大西洋:トロピカルストームやハリケーン
  3. インド洋及び南太平洋:サイクロン

と名称が変わります。

 

 

被害ということで、今回自宅が停電しました・・・

一次被害ではなかったのですが、

台風の影響で倒木が電線にもたれ

電柱の変圧器のオイルがもれていました。

この時点では電気は流れていました。

 

ここで簡単に電気が自宅にくるまでの仕組みについて

まずは流れ

  1. 発電所(水力・火力・原子力・地熱・風力・太陽光)
  2. 超高圧送電線
  3. 変電所
  4. 高圧配電線
  5. 変圧器
  6. 引き込み線
  7. 自宅

家庭で使う電気の電圧はほとんどが100V(ボルト)ですが(IH調理器や大型のエアコンでは200Vを使用します)。

発電所では数千V~2万Vという電圧で発電しています。

これをさらに発電所内にある変電所(電気の電圧や周波数を変換する場所)で27万5000V~50万Vという超高電圧に変電して送電線に送り出します。

送電線を通じて送られてきた電気は、まずは超高圧変電所に送られ、そこで15万4000Vまで変電。

その後、一次変電所に送られさらに6万6000Vに変電されます。

15万4000V~6万6000Vに変電された電気の一部は大規模工場や鉄道会社に送られ、各企業の変電所で必要な電圧に落として利用されています。

残りの電気は、中間変電所や配電変電所に送られます。

中間変電所で2万2000Vに変電し、大規模工場や大規模ビルなどに送電されます。

一方、配電変電所に送られた電気は6600Vに変電され、中規模工場や中規模ビルなどに送られます。

また、6600Vの電気は街中で見かける電柱にも送られています。

電柱には柱上変圧器(トランス)があり、柱上変圧器で100Vや200Vにまで電圧を下げて、ようやく私たちの家庭へ送られてきます。

 

今回、自宅ではこのトランス(変圧器)が壊れました。

 

電気を発電所から変電所、変電所から変電所へと送ることを「送電」、配電線を使って変電所から企業や家庭に電気を送ることを「配電」といいます。

発電された電気を家庭まで送るために、日本中には緻密な「送電」と「配電」の仕組みが張り巡らされています。

なお、変圧器で100Vや200Vに下げられた電気は、引込み線を通じて家庭内に送られてきます。

ちなみに電気を高電圧で運ぶわけ

高性能の電線でも、金属でできた電線には電気を流れにくくする“電気抵抗”という働きがあります。

電気が電線を流れようとするとこの“電気抵抗”に逆らうことになるため、その一部が熱エネルギーとして大気中に逃げてしまい送電ロスをおこします。

発電所でつくった電気をさらに高電圧にして電気を送るのは、送電の途中で熱となって失われてしまう送電ロスを少なくするためです。
電気を電線に流す際、電流(電気の流れる量)が大きいほど“電気抵抗”にジャマされるため送電ロスが大きくなります。

 

電気には、P(電力:単位はワット)=I(電流:単位はアンペア)×V(電圧:単位はボルト)という関係があり、たとえば100W(ワット)=1A(アンペア)×100V(ボルト)となります。

(この知識は受験でも使いますよー!)

 

消費電力が100Wの電球を100Vで点灯すると1Aの電流が流れますが、電圧が200Vになれば0.5Aの電流しか流れません(100W=0.5A×200V)。

つまり、100Vの電圧で送るのと50万Vの電圧で送るのとでは、後者の電流は5000分の1に減少するわけです。

これが、電圧を上げることで電流を減らし、送電ロスを少なくできる理由です。

とくに数十~数百キロにも及ぶ送電線網では大きな効果があります。

話は戻りますが一次被害では停電しなかったものの、

トランス(変圧器)のオイルが漏れていたため漏電の可能性があるということで台風が過ぎた次の日(9/5)の12時に停電となりました。

 

その後、二回にわたり業者さんが来てくれたのですが、

二回とも何もできずに帰ってしまいました。

倒木の撤去をしてからトランスの復旧という流れだったのですが、

できなかった理由は、変圧器の電気は切れていたのですが変電所からくる高圧電線の電気が切れていないから倒木の撤去作業できないという状態でした。

 

高圧電線の電気を切ると地域全体が停電してしまうということで、

9/6の午後10時に再復旧という形になりました。

結果的には地域全体を停電させずに復旧できたので良かったのですが、

台風が来た日から昼夜とわず働く現場の作業員さんまたそれを指示する中部電力さんは大変だったと思います。

ありがとうございました。

 

 

ただ、ひとつ苦言を呈すと二度、作業員さんが来たにも関わらず何もできずに帰るという状態は連絡がうまくできていないんだなと思いました。

これは中部電力さんに改善してもらいたい点ですね。

他の地区でもかなり広範囲で停電おり、緊急事態でバタバタしてうまくいっていなかったのだと思います。

 

ここから、思うことは「緊急事態こそ連絡・引継ぎというのは大事」だなと感じました。