やっぱり農林中金が持っていた! 金融破局の連鎖へ | tokaiama20のブログ

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  農林中央金庫 来年3月期の最終赤字 1.5兆円規模に拡大の可能性 外国債券の運用失敗で|TBS NEWS DIG
 https://www.youtube.com/watch?v=HCkQKRp1lN4

 農林中金が2兆円近い含み損を抱え、1兆5000億円の赤字を計上した。
 いったい何が不良債権なのか? 記者会見では、「米国債の運用に失敗した」と発表しているが、実は、おそらくドイツ銀行の発行した、サブプライムローンに似た中国鬼城マンション債権の不良化である可能性が強いと私は思う。

 日本の預金量第三位にある農林中金は、2008年サブプライムショックのときも2兆円を超える損失を出し、経営が大きく傾いたが、不可解な国の支援で、辛うじて組織体が維持された。
 なぜ、国が支援したかと言えば、おそらく農林中金を支えてきた全国の農協体制が崩壊するからだろう。日債銀や長銀は、救済されなかった。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E6%9E%97%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E9%87%91%E5%BA%AB

 1兆円を超えた農林中金の含み損!未曾有の金融危機は「農協瓦解」を促すか 山下一仁:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 2009.1.9
 https://diamond.jp/articles/-/1944

 その後も、ハイリスクハイリターンの投資ばかりを行って、何回も巨大な含み損を持ったが、必ず倒産という局面でも、なぜか不可解に生き延びてきた。国はどうしてデタラメ投機を繰り返す農林中金を解体しないのかは金融七不思議である。
 
 農林中金の投資戦略は、多くの金融専門家から「非常にレベルが低い、無能集団」と見なされている。経営陣は官僚天下りで占められ、世界経済の推移に対して的確な判断ができる人材がおらず、ハイリスク金融商品にばかり手を出す傾向があるからだ。

 2024.06.03 農林中金、巨額損失→JAが救済の繰り返しに「何回救済すればいいの?」の声
https://biz-journal.jp/company/post_381432.html

 経営陣は「給与の3割カット」などと驚くほど暢気なことを言っているが、企業体そのものが大崩壊する事態が避けられないのではないか?
 1兆5000億円不良債権は、普通規模の銀行なら、待ったなし即時倒産のレベルだ。

 だが、この種の発表は、実際の被害を数割以下に矮小化するのが普通だ。おそらくCDSやレバレッジにも手を出している可能性があるので、この不良債権は雪だるま式に膨れ上がって、10兆円を超すのではないか?
 もちろん、そうなれば国家介入と経営破局、メガバンクへの経営体併合の可能性が強いのだが。
 私が心配しているのは、そのメガバンクも巨額の不良債権をつかまされている可能性だ。

農協に激震…!農林中金「1兆5000億円のとんでもない赤字」リーマンよりヤバい「海外投資で大失敗」の本当の原因 現代ビジネス 6/21(金)
 https://news.yahoo.co.jp/articles/c50b8a2fc38f982f613caeaf1cca60f89d81e505

  農林中央金庫が外国債券の運用で2兆円を超える含み損を抱え、2025年3月期に1兆5000億円の最終赤字に転落する見通しとなり、全国の農協関係者や農林水産省幹部らの間に激震が走っている。

 巨額赤字はリーマン・ショック後の2009年3月期以来16年ぶりとなるが、ハイリスク・ハイリターンを求めて米証券化商品への投資を焦げ付かせた当時よりも、事態は深刻と言える。

 リーマンの教訓から、満期まで持ち続ければ元本が返ってくる米国債などに投資を集中させてきたにもかかわらず、今回は米金利の急激な上昇と高止まりに直撃されて含み損が膨らみ、「安全かつ確実にリターンが上げられる」(農中幹部)はずだった投資戦略も破綻した。

 JAグループから預かった約60兆円にのぼる資金を運用し、年間3000億円規模の利益を還元してきた農中からの「ミルク補給」が断たれれば、本業の農業関連事業で赤字を垂れ流す全国の多くの農協が経営も立ち行かなくなる。

 リーマンショックのトラウマ
 「過去の金利上昇局面では、一定程度、評価損を抱えても持ち堪えられたが、今回の(米国の)金利引き上げは想定の超えるものだった」。農中の奥和登理事長(1983年入庫)はこう釈明したが、金利見通しを読み誤ったことは否定できない。

 新型コロナウイルス禍の収束とインフレ圧力の高まりを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が2022年3月以降、急激な利上げに転じたことが市場でサプライズを呼んだのは確かだが、同じく米国債投資で含み損を抱えた3メガバンクなどは2023年中に「損切り」を終えている。

 対照的に「リーマン直後の赤字決算のトラウマ」(有力OB)を引きずる農中は、「米景気はいずれ減速する。高金利は長くは続かない」と高を括り、含み損処理をずるずると先延ばししてきた。

 その挙げ句、米金利上昇でドル調達コストも嵩み、投資リターンを上回る「逆ザヤ」状態に陥って、「満期まで保有すれば損は出ない」などと呑気なことを言っていられなくなった。低収益の債券を塩漬けにしたまま保有資産を入れ替えなければ、投資収益の回復は望めず、農協に利益を配分することがいつまでもできないからだ。

 農協に尻拭いさせて…
 外貨資金調達コストに跳ね返る信用格付けの低下を避けたい農中は今回、自己資本増強のため、約1.2兆円規模の追加出資を都道府県レベルの農協組織「信連」などに要請している。リーマンショック後の1.9兆円増資に続く2度目となり、利益還元どころか、運用失敗の尻拭いまで迫られる農協側からは「泣きっ面にハチだ」との恨み節も漏れる。

 奥理事長は前回の増資時、担当部長として全国の農協団体を説得して回った経緯があるだけに、再びの失策に経営責任を問う声も出ている。だが、農中は最初に5000億円の巨額損失見通しを公表した5月22日当日、奥理事長を含む理事7人の再任を発表しており、それが農協関係者の反発に拍車を掛けているようだ。

 とはいえ、JAグループが今後も農中の稼ぎに期待するしかないのも事実で、結局、2度目の増資を引き受けざるを得ないだろう。これまで農協の経済事業の赤字を穴埋めしてきたもう一つの柱である保険販売などの共済事業が、過度なノルマによる職員の「自爆営業」や、高齢者への不適切販売などの発覚でブレーキがかかる中ではなおさらだ。

 農中にJAグループの経営を丸ごと背負わせる、無理なビジネスモデルの限界は明らかだ。農業者が減り、融資も含めた農業関連ビジネスが先細る中、JAバンクがせっせと非農業者からも預金を集め、それを農中に回して儲けを増やそうとするシステムそのものの矛盾が露呈した。

 農水省と金融庁はどう動く?
 海外で巨額投資を続けてきた農中を巡っては、かねて経営危機に陥った場合、国際金融システム不安を引き起こすリスクが懸念されてきた。

 実際、リーマン後の巨額損失時には、公的資金注入による実質国有化が水面下で検討された。2022年には農水産業協同組合貯金保険法が改正され、金融システムに著しい混乱が生じると予想される場合には公的資金を注入できる仕組みが正式に整えられたが、そんな事態になれば、農協も一蓮托生で生き残れなくなるだろう。

 農中を共管する農水省と金融庁は「連携して経営を注視していく」とアピールしている。だが、両省庁はすでに農中の経営管理委員として皆川芳嗣元農水次官(1978年旧農林省)と、佐藤隆文元長官(1973年旧大蔵省)を送り込んでおり、事態を静観するだけでは単なる「天下りポスト目当て」とのそしりを免れない。

 リーマン時に続く巨額損失ショックの再来を奇貨として、農中とJAグループの歪な関係そのものにメスを入れる必要がある。
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 引用以上

 結局、巨額赤字の理由を「アメリカの異常な金利引き上げを読み切れなかった」と分析しているが、アメリカの極端な金利引き上げは、少し経済動向を見ていれば誰にでも容易に理解できたことで、長期にわたる円安も普通に理解できたはずで、これが分からずに投資を行ったというのは軽薄な言い訳、詭弁にしか見えない。
 もっと何か、別に隠している問題があるとしか思えないのだ。

 GPIFに代表される巨大投資機関である「五頭のクジラ」 日本銀行、共済年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険は、半ば公的機関であり、メガバンクや農林中金は、それに次ぐ規模だが、運営は経営陣の裁量に委ねられている。
 だから農林中金には、GPIFほど詳細に財務状況を公開する義務が課せられていないので、赤字の公表は、次々に拡大する可能性が非常に強い。

 事実、5月18日、5000億円の含み損を公表した。
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB181IF0Y4A510C2000000/
 だが、わずか一ヶ月で3倍になった。

 もう一ヶ月も経れば、さらに三倍が小出しに繰り返され、最終的に10兆円という途方もない額になる可能性は、普通に考えられる。もちろん、そうなれば組織の解体という運命が避けられない。
 10兆円という額は、10兆円の米国債を債務手当のために売ると公開したからだ。
 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240618-OYT1T50176/

農林中金が10兆円の外債を売るということの意味について、インディープが面白い記事を書いている。

 「カナリアが日本の炭鉱の中で中性子爆弾を踏んだ」:日本が導く終末的な金融危機 2024年6月24日
 https://indeep.jp/japan-leads-apocalyptic-financial-crisis/

 前略
 「外国債など10兆円の売却を決めた」
 わかりやすい表現としては、数日前に米ゼロヘッジが X に投稿していた中にある以下の下りです。
> 農林中金の 10兆円超の清算に先んじて売りが連鎖的に発生した場合、他にどれだけの銀行が損失を被ることになるのだろうか?
 要するに、数か月後などにかけて、国債市場にとんでもない影響が出る可能性(というか、ほぼ確実)を指摘していました。

 その後、ゼロヘッジは、この問題に関する非常に長い記事を投稿しました。
それを読む限り、大げさな言い方をすれば、「金融システム崩壊の前兆」ともいえるものになるかもしれません。

 ゼロヘッジは、昨年、「次の銀行破綻は日本になるだろう」と、投稿していたことがありましたが、日本の銀行全体が、今後非常に厳しい状況、あるいはサバイバルの状況に入っていく可能性…まあ、あくまで可能性としておきますが、そうなり得る状況のようです。

 炭鉱のカナリアが核爆弾で粉砕されたようなことが、今の日本で現実として起きています。
 日本の大手銀行である農林中央金庫が630億ドルの国債と欧州債を売却し、巨額の未実現損失を埋める

 2023年3月の銀行破綻(総資産額で世界金融危機を上回り、FRBの最新の介入を引き起こし、過去16か月間の市場の最低値を設定した)の傷がまだ生々しい昨年 10月、私たちはコンセンサスのない予測を行った。私たちは、FRBが再び米国の金融システムを支えたため、「次の銀行破綻は日本だろう」と述べた。

 この予測は、2か月後に、日本の CLO (ローン担保証券)のクジラとして最もよく知られている日本の農林中央金庫が、 FRB のスタンディング・レポ・ファシリティ(別名、FRBの外国銀行救済裏金)の取引相手リストにひっそりと追加されたことで、さらに強まった。
 しかし、もしこれが日本最大の銀行の一つ(農林中央金庫は資産 8,400億ドルで日本第 5位の銀行)で何かがひどくおかしいという最初の、そしてまだ遠い兆候だとしたら、今日、ことわざにあるカナリアが日本の炭鉱の中で中性子爆弾を踏んだことになる。

 というのも、日経によると、農林中央金庫は「 2025年3月までの 1年間で、保有する米国および欧州の国債 10兆円以上を売却する予定であり、バランスシート悪化の主な原因である低利回り外国債への投資による損失を食い止め、外国国債保有に伴うリスクを下げることを目指している」からだ。
 日本で起きていることは、米国で起きていることとそれほど変わらない。

 FDIC (連邦預金保険公社 / 米国の銀行が破綻した際に、預金者の預金を保護する機関)が四半期ごとに繰り返し指摘しているように、米国の銀行は依然として 5,000億ドル (約 80兆円)以上の未実現損失を抱えている。

 これは、金利の急上昇により銀行の長期債券保有高が爆発し、額面を大きく下回る価格で取引され、銀行(および FRB、BTFP )は、これらの巨額損失を隠蔽するための独創的な方法を考え出さざるを得なくなったためだ。
 日本の金利はほとんど動いていないが(日銀は4月に数十年ぶりに金利を引き上げてきたばかり)、この動きはすでに日本の国内銀行に巨額の損失という形で波及しつつある。

 国内銀行は、2021年までリスクがないとみなされていた海外債務の保有により 2倍の打撃を受けており、1980年代初頭からの強気相場が 2年前に大爆発し、誰の目にも明らかになった。
 そこで農林中金の出番だ。

 日経新聞によると、同社の 2025年3月期の純損失は、これまで 5000億円を超えると予想されていたが、債券の売却により 1.5兆円レベルにまで増加するだろう。
 「低利回りの外国債券を 10兆円以上売却する予定だ」と農林中央金庫の奥和人社長は日経新聞に語った。その額は 600億ドル強に上る。

 かつては世界で最も積極的な CLO 投資家の一つとして知られていたこの銀行は、農林水産業企業が預けた年金基金から証券を購入している。
 農林中金の奥理事長は、米国の銀行にとって非常に馴染み深い問題に直面し、3月末時点で約 2兆2000億円に上る債券の含み損を減らすために「ポートフォリオ管理を大幅に変更する必要があることを認識している」と述べた。

 奥理事長は、銀行が投資をシフトする意図について、「(国債の)金利リスクを減らし、企業や個人の信用リスクを負う資産に分散する」と説明した。
 さて、破産弁護士の間で親しみを込めて「農中銀行」と呼ばれているこの銀行が、1年ほど前に米国の銀行であったとしたら、何も売却する必要はなかっただろう。

 大幅に価値が下がった債券をすべて FRB の BTFP 制度(米国政府の承認を受けた預金取扱機関に対し、FRBが有価証券を担保として融資を行うという制度)に担保として差し出し、額面金額を受け取るだけでよかったのだ。
 残念ながら、農中は米国ではなく日本にあり、今は 2023年ではなく 2024年であり、2023年の高金利災害は終わるはずだった。そうなるはずだったが、事態は悪化するばかりだ。

 農中銀行は他に選択肢がない状況で、唯一できること、つまり、まだ流動性があり価格が高い今のうちに、数百億ドルの証券を秩序正しく売却し、無秩序な売却や、数ヶ月後に債券市場が凍結してさらに悪い事態に陥らないようにすることを目指している。
 そして、日本の金利カナリアは非常に大規模だ。3月末時点で、農林中金はおよそ 23兆円(約1500億ドル)の外債を保有しており、これは運用資産総額 56兆円の 42%に相当する。

 その規模の大きさをちょっと理解してもらうために、日本銀行によれば、預金取扱金融機関が保有する外国債券の残高は 3月末時点で 117兆円に上る。
 日本の大手機関投資家である農林中央金庫は、その総額の 20%を単独で保有しているのだ!
 農林中央が売り始めたら、他の金融機関もすべてそれに加わらざるを得なくなるのではないか、と懸念に思う人たちもいるだろう。

 しかし、なぜ今売り始めるのか。
 昨年 10月に次の銀行危機は日本で起こると予測した際に警告したように、日本のメガバンクは米国と欧州の金利引き下げが以前の予想よりも長引く可能性が高いと現在考えており、2024年度に外国債を売却することで未実現損失を大幅に削減しようとしているからだ。

 そこで農林中金は通常のトレーディング業務に加え、10兆円を超える外債の販売を計画している。
 日経新聞の記事の残りの部分は埋め草だ。10兆円という大問題から注意をそらすために、日経は銀行の他の「代替案」について論じることで時間を無駄にしている。

 農林中金は現在、株式、社債、企業ローン、プライベートエクイティに加え、企業ローン担保証券や住宅ローン担保証券などの証券化商品を含む投資代替を検討している。ポートフォリオを多様化することで、未実現損失が経営上の懸念材料になるほど拡大するのを防ぐ狙いがある。また、利回りの低い外国国債の一部を、より高金利の債券に置き換えることも検討する。

 何を言っている? 何が分散化だ?
 売りが始まれば、銀行は期待する収益のほんの一部でも得られればラッキーだ(他の銀行は皆、農中が市場の価格を大幅に再調整するのを指をくわえて待ちはしない)。
 そして、銀行だけの問題ではない。日本国内の全外債の 20%を保有する銀行が売りに出れば、売却の連鎖はすぐにミセス・ワタナベ(個人の小口投資家を意味する俗称)にまで波及するだろう。

米財務省によると、日本の投資家は 3月時点で 1兆1800億ドル(約 188兆円)の米国債を保有しており、これは外国人保有者の中で最大の割合だ。

 言うまでもないが、日経はとにかくこう書いている。
 「農林中金による大量売却は、米国債券市場に大きな影響を与える可能性がある」
 そして、今何が起きているのかがわかっているので、他の誰もが農林中金に先んじるのは時間の問題だ。

 次に何が起こるかはさらに醜い。銀行はもはや会計上の巧妙な策略を装って債券の損失を隠蔽することができないため、2025年3月期の銀行の業績は「外国債券の大規模な売却の結果、大幅に悪化し、帳簿上の損失が実際の損失に変わる」だろう。
 5月時点で、農林中金は最終損失を 5000億円以上としていたが、現在では 1.5兆円レベルに達すると予想されている。

 もう少し背景を説明すると、農林中金は世界金融危機直後の 2009年3月期に証券化商品の減損により約 5700億円の最終損失を計上した。今年度の予想損失は、これまでの記録を約 1兆円上回る見込みだ。
 それでも奥氏は、来年3月期に損失を帳簿に計上することで「財務とポートフォリオが改善され、2026年3月期には黒字化が可能になる」と語った。

 日経新聞によると、農林中央金庫は財務強化のため 1兆2千億円の資金調達を検討している。主要出資者の JA などとすでに協議を開始している。もちろん、今後さらに大きな穴が開くのをふさぐために、誰が正気で同金庫に大金を貸すのかは誰にも分からない。

 しかし、清算の道を選んだ今、銀行がやるべきことを止めることはできない。そして、売りが殺到し始めると、ブルームバーグの次の赤い見出しが確認したように、それは終わらないだろう。

 これには「投げ売り」という名前があるが、ドラムロールで言えば「段階的」なものだ。なぜなら、日本では投げ売りはそういうふうに進むからだ。
 幸いなことに、誰も次に何が起こるかは推測する必要がない。
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 一部引用以上

 早い話、10兆円もの外債を市場に放出すれば、当然大きく値下がりする。この損失をヘッジするには、価格が下がらないうちに、一秒でも早く売ることが必要になり、日本中の銀行が大慌てで外債売り競争を始めるという意味だろう。

 それよりも、実は日本の銀行は緻密な相互救済ネットワークが形成されていて、広範囲で債務債権の持ち合いが行われている。
 農林中金という日本第五位の資産を持ち、第三位の預金量を誇る巨大銀行が、10兆円の損失を出すなら、相互ヘッジネットワークのなかの小規模銀行、地銀が、どれほど大きな負荷を被ることか。耐えきれないで倒産する銀行も少なくないだろう。

 おまけに体質的に弱い銀行ほど、実は高金利のCLO・CDSやレバレッジなどに頼りたがる傾向がある。
 これから1年ほどの間に、どれほどの中小零細金融機関に致命的影響を与えるか分からない。ゆうちょ銀行でさえ安全とはいえない。

 こうした金融危機は、過去に何回も起きている。アメリカは、金融不安や景気後退を乗り越えるのに、必ずと言っていいほど戦争に頼ってきた。
 戦争の需要が、経済を救うというわけだ。
 もうすぐ、日本と中国の若者たちの命を大規模に燃やす戦争イベントが始まるのかもしれないと私は不安に駆られている。