評価、ランキングとは、どこから来るのか? | tokaiama20のブログ

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 我々は、幼い頃から「ランキング=序列」の価値観に晒されて、そのなかを泳いで生きてゆくことを強いられてきた。日本には、ランキングの価値観から自由な空間はあるのだろうか?
 このことに耐えられず自殺してしまった子供たちは、何十万人という数に上るだろう。大人でさえ例外ではない。
 ランキングは、人類にもっとも大きな不幸を与えてきた悪魔の思想だと私は思う。

 日本人が大谷翔平に熱狂する本当の理由は何か?
 それは大谷がランキングのトップという、我々の序列コンプレックスを大いに満たしてくれる地位にあるからだ。
 誰もできなかった序列の最上位に躍り出た大谷翔平を、日本国民はこぞって愛している。それほどランキングは人々の心を呪縛しているのだ。

 世界でもっともランキング思想に洗脳呪縛されているのは朝鮮半島だといわれる。
 北朝鮮には51階級という国民へのランキングが生き続けている。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E8%BA%AB%E6%88%90%E5%88%86

 日本に渡航していた北朝鮮の人々を、岸信介と槙枝元文(元日教組委員長)らが1950~80年代にかけて10万人を帰国させた。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%B8%B0%E9%82%84%E4%BA%8B%E6%A5%AD

 彼らは51階級(出身成分)の最下層と見なされていたため、奴隷の扱いを受けていた。そして、財産を没収されたうえ、ほぼ全員が強制収容所送りとなり餓死や刑死させられた。

 現在の韓国でも、似たような身分差別が横行していて、李氏朝鮮の差別制度を受け継いで、基本的に6階級存在しているという。
 最上位が両班階級で、現在の財閥や上流階級は、両班階級から構成されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%B0%8F%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AE%E8%BA%AB%E5%88%86%E5%88%B6%E5%BA%A6

 現在、韓国が世界最悪の学歴社会であって、出身成分に代わって学歴が人間の価値を判断する基準になっているともいわれる。
 
[コラム]「名門大学」や「一流大学」…序列化する韓国の「哀れな」差別表現 2021-12-18
  https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/42035.html

 韓国では、人間のランキングが圧倒的な価値を持っている。出身階級が白丁という旧奴隷階級だったなら、まず人間として相手にされない。
 両班階級の子孫だったり、財閥系の家柄だったり、上位ランクの学歴があれば、実力が伴わなくとも尊重される社会だ。
 財閥人脈には、まるで狂人のような異常者であっても、周囲が下にも置かない服従を示すのだ。
  https://www.youtube.com/watch?v=U24RSaFS0XA&ab_channel=%E3%82%B8%E3%82%B1%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%9A%A0%E3%82%8C%E5%AE%B6

  どうしてこんな奇矯な社会が成立したかといえば、もちろん李氏朝鮮が孔子の儒教を独自に発展させて、国民の価値観を独自の序列主義に洗脳してしまったからだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AE%E5%84%92%E6%95%99

 これが、韓国朝鮮人の世にも異様な、序列主義の奇っ怪な自尊心を産み出した。
https://www.sankei.com/article/20160510-2V3TU4TDAZMYPDNV3KEZB2HZ4U/

 日本も、徳川家康が林羅山に命じて、各藩の統治に「儒教=朱子学」を教書とした思想教育を強要したことで、日本全土に「儒者」が現れ、序列主義=ランキング思想を教えるようになった。
 この教えの核心は、父母や兄弟、藩主や上司など「目上」の人間を無条件に尊敬し、従順に従えというものだった。人間には、生まれながらに犯しがたいランキングが存在するというわけだ。

 この教えは封建社会を正当化するために、もっとも都合が良かったので、儒教を利用しようとした国家権力は多かった。一番ひどかったのが朝鮮半島だが、日本、ベトナム、モンゴル、そして本家の中国で、儒教思想、すなわちランキング思想が人々を呪縛する結果になった。

 だから日本におけるランキング思想には400年を超える長い歴史があり、全国民が呪縛されてきたといって過言ではない。
 団塊世代(より少し若いが)の我々は、幼稚園のころから、人数が多かったこともあって、滅多矢鱈にランキングに晒されてきた。
 あらゆる教科、図工から運動までランキングが行われ、子供たちに序列をつける思想教育が行われてきた。

 人々は、ランキング=序列付けが、日本社会を向上させると信じていた。
 これは、何をもたらしたかというと「優生保護思想」の土壌となった。
 ランキング価値観によって「下位」と認定された子供は「負け組」と認識され、その後の人生を「底辺」で送ることが約束されるような時代になった。
 また、ランキング上位でない、底辺の子供たちには、まるで生きている価値がないかのような決めつけが行われるようになった。

 ましてや障害者には生きる価値がないかのように扱われ、優生保護法という法律によって、強制的に不妊手術が行われたのだ。
 それを推進したのは、福田昌子、加藤シヅエ、太田典礼ら社会党系の議員たちだった。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%84%AA%E7%94%9F%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95
 
 これで、数万人の子供たちが、無理矢理生殖能力を奪われた。
 https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/16/

  ファッシズムと優生保護 2017年02月25日
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828401.html

  日本のT4作戦 2018年09月28日
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828186.html

 最近、私は米山隆一を批判した。
 http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6114659.html

 彼は、優生保護法を推進した議員たちと同じように、能登半島地震の被災者を集団移転させよとか、農業を集約化せよと、「社会の合理化」について積極的に発言していて、日本社会を「よりランキングの高い」ものに変えなければならないと固く決意しているように見えたからだ。
 まあ、東大を出て医師と弁護士の資格を持つ、超高ランキング者としての強い思い込みがあるのだろう。彼は、高い位置から社会を睥睨しているのだ。

 「よりよいもの」、「より優れたもの」を追究する姿勢こそ、儒教の序列主義教育の行き着く先である。
 人々は、よりよいものを目指さなければならないかのように洗脳され、人生に「ランキングの高位を目指さなければならない」との強迫観念を抱いてしまうのだ。

 米山隆一が、私のような低位ランキング者からの批判に耳を貸すことなどありえない。自分ははるか高位の序列であって、私のように、はるか目下の言うことなど、全部間違っていて遅れたものだと、上から目線で無視しているはずだ。

 こうした姿勢=「優れたものに価値がある」と決めつける優生保護思想のもたらす社会こそ、相模原ヤマユリ園の惨劇であり、障害者の強制不妊手術であり、ドイツで行われた40万人の障害者をガス室に送り込んで殺したT4作戦である。
 そして、同じ優生保護思想=弱者切り捨ての思想は、日本のあらゆる企業や自治体、教育、人間関係の根幹に存在し続けている。

  優生思想とは?歴史や定義、日本で起きた事件をまとめて解説 2021.02.07
 https://so-t.biz/2021/02/07/%E5%84%AA%E7%94%9F%E6%80%9D%E6%83%B3%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%82%84%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E8%B5%B7%E3%81%8D%E3%81%9F%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%82%92/

 上のリンクに、大谷翔平や吉田沙保里のような特異な才能を示した人たちを「国家がまとめて管理して子孫を増やす」ことが必要のような意見が書かれている。
 これこそ、障害者絶滅のためのT4作戦の裏返しといえるだろう。
 いったい、何のために? それは国威発揚である。

 世界の侵略戦争の99%は、実は国威発揚を目的に行われている。「国を愛し、誇りに思うこと」が国威発揚の原動力となっていることを思えば、虚構にすぎない国家にすがりついて、無理矢理価値を見いだし、国威発揚のために、個人の人格、基本的人権まで統制してもかまわないという意見である。
 日本の右翼勢力の大半が、こうした考え方=優生保護思想に洗脳されているのだ。

 プーチンがウクライナに侵略した理由も、植草一秀や桜井春彦が言うような西側の陰謀では、まったくない。その本質は、イワン雷帝以来の「大ロシア主義」への羨望、ナショナリズムの延長である。
 とにかく、ロシア国民は国威発揚が三度の飯よりも好きなのだ。「ロシアの強さを世界に見せつける」ことが、自尊心とナショナリズム、ついでにナルシズムを圧倒的に満足させるからなのだ。

 つまり、ウクライナ侵攻の本質は、「強い優れたものが大好き」という優生保護思想の延長といってもいいし、日本が第二次世界大戦で東アジア全域に侵攻した理由も、まったく同じであって、「自分たちの優秀性」を世界に示してナルシズムを満足させたかったのだ。
 今、右翼として天皇制を信奉している人たちも、全員が同じ本質を持っている。
 「国威発揚」が死ぬほど好きなのだ。

 この優秀と膨張、国威発揚が大好きな連中が、かち合ったものを「戦争」という。
 それは、すべて優生保護思想から来ているのである。
 それは、幼い頃からの、評価ランキング付けによって育まれるものだ。
 「自分は優秀なんだ! ランキングが高いんだ」という強迫観念を自分で納得させるために、戦争で勝ったり、企業が成長したり、「イチバーン」になることが必要なのである。

 優生保護思想による上昇志向を持たない人間にとっては、企業が大きかろうが、競争に勝とうが負けようが、戦争に勝とうが負けようが関係ない。
 ただ、周囲にいる人の笑顔を大切にできればよいのだ。みんなが幸せであること、それが人生のたった一つの価値であり、それ以外の価値など存在しない。
 だから、ランキングの上位を目指そうとも思わないし、そもそもランキングを話題にしようとも思わない。

 だが、子供の頃からランキングの強迫観念に晒されてきた人たちは、ランキングに対して極めて過敏である。ランキング上位でなければ納得しないのだ。
 いつでも、社会のランキング情報に目を奪われている。
 大谷翔平を心配する気持ちも、彼のランキングが下がらないか心配だからだ。

 まあ、大谷のランキングが大きく下がってゆけば、それまで神様のように彼をあがめ奉っている人々も、数十日で話題にもしなくなるだろう。
 ランキングの低い大谷になど、何の価値もないと見捨てるはずなのだ。
 その程度の理由で、世界は動き、戦争が行われていると、我々は気づいた方がいい。