精神科医になった頃の自分に、今なら何を話すだろう。
定期的に通院しているから、それでいい。
きちんと薬を飲んでいるから、大丈夫。
そんなふうに考えていた時期もあったと思う。
もちろん、薬をきちんと飲むことも、定期的に診察を受けることも大切だ。
でも、長く精神科の仕事をしてきて、少し違うことも思うようになった。
薬を忘れる日があってもいい。
診察のことばかり気にしなくてもいい。
病気のことをいつも考えていなくてもいい。
もう少し気楽でいいんじゃないか。
もう少し、自分の好きなように生きてもいいんじゃないか。
「ちゃんとしなければ」と思いすぎなくてもいい。
精神科医になったばかりの自分に、今ならそんなことを話してみたい。
治療は大切だけれど、治療のために生きているわけではない。
薬を飲むことも、通院することも、その人が自分らしく生活するための一つの手段なのだと思う。
だから、もっと気楽に。
もっと自分を自由にしていい。
長く精神科医をやってきた今、そんなふうに思うことがある。