予算委員会中継入りで初質問その②~再犯防止策についてです。
この質問における私の問題意識や想い、その背景から説明します。
私の地元新潟において、昨年5月、過去にわいせつ目的で女子児童を連れ回した前歴を持っていた者によって、小学校2年生の女子児童が殺害され、遺棄されるという痛ましい事件が起き、残念ながら、尊い命が失われました。
ご参考:性犯罪者にGPS装着を~法務大臣に新潟女児殺害事件を受けて新たな再犯防止策を提言~
https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12391860371.html
近年、刑法犯の検挙者数は大幅に減少していますが、再犯者数については、初犯者数に比べて減少幅が小さく、その結果として、検挙者全体に占める再犯者の割合である再犯者率は上昇しており、平成29年では48.7%と、検挙者の約半数が再犯者という現状になっています。(資料写真ご参照)
この再犯者をいかに減らしていくか、犯罪をした者の再犯の防止が、安全・安心な社会作りに必要不可欠です。
国は、平成28年12月に成立した「再犯の防止等の推進に関する法律」に基づき、平成29年12月に再犯防止推進計画が策定されるなど、地方公共団体や民間団体と緊密に連携して、再犯防止等に関する施策を総合的、計画的に推進しています。
再犯防止の取組は、社会から犯罪をなくすために、今後もより一層強く押し進めるべきだと考えております。そのためには、地方公共団体や民間団体の理解と協力が不可欠です。
また、再犯防止を推進するためには、更生保護の関係者のお力も大きいと承知しており、取り分け、田中和徳先生は更生保護を考える議員の会の会長としても御尽力されておりますが、ボランティアながら日々御活躍いただいている保護司の先生方の活動を支援することも重要だと考えております。
冒頭にあげた痛ましい事件のことを考えると、性犯罪者については、更に踏み込んだ再犯防止の取組が必要ではないかと考えています。
私の地元新潟では、昨年7月、県議会において、国会及び政府に対し、性犯罪者の再犯防止のため、GPS端末による監視システムの導入をはじめとする効果的な再犯防止策に係る検討を進めるよう強く要望する旨の意見書が議決されました。
また、福岡県議会においても、「性暴力を抑止し、性被害から県民を守るための条例(仮称)」の制定に向けて検討が進められていると聞いております。
このような地方の動きを踏まえ、私は性犯罪者にGPSを取り付けて、その再犯を防止することが有効ではないかと考え、山下法務大臣の見解を伺いました。
山下法務大臣からは、新潟県議会議長名で意見書が出されたことを重く受け止めたい。GPS端末による監視システムについては、人権上の制約が生じるなど慎重な検討が必要であるが、性犯罪者の再犯を防止する上での効果的な処遇の在り方等について、幅広く検討したい旨の答弁を頂きました。
昨年の新潟女児事件のような悲劇は二度と繰り返されてはなりません。
性犯罪者にGPSを装着することについては、様々な問題もあり、慎重な検討が必要であることは重々承知していますが、諸外国の例、米国や韓国などでの導入事例を踏まえ参考にしつつ、是非とも、性犯罪者への再犯防止対策の充実強化を図って頂きたいと思います。
最後に、今年は、天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位が予定されています。今回、政令恩赦・特別基準恩赦をするかどうかについては、政府内でまだ検討していないということは承知しているが、もし今般の御即位などを契機に政令恩赦等をすることとなった場合、被害を受けた方々のお気持ちを考え、性犯罪という重大な犯罪をした者が政令恩赦等によって刑務所から釈放されるようなことはないようにすべきだ、と考えますので、是非、政令恩赦等を検討することとなった時には、被害を受けた方々のお気持ちへのご配慮をお願いしたいと申し述べ、私の質疑を締めくくりました。
更生保護を考える議員の会 新潟県幹事
衆議院議員 石崎徹