大学入試複数回実施など「受験改革」に向けて、2月に全国の受験生・学生を応援する若手議員連盟を立ち上げ、本日中間提言を林文科大臣に提出して参りました!

(立ち上げの経緯は以下のブログをご参照下さい)

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12354607401.html

 

これは、地元の大雪を踏まえ、26日の衆議院予算委員会で、安倍総理と林文科大臣に、現在1月に一発勝負で開催されているセンター試験及び2020以降実施される新たな共通テストの実施時期を、もっと暖かい時期に変更するか、もしくは年内に複数回実施すべきではないか、と質問し、前向きに検討していくという答弁を頂き、ここから全国の受験生・学生を応援する本議連をスタートさせました。

 

我が国の大学入試はAO入試・推薦入試を除き、主に冬季に実施していることから、インフルエンザ等の感染症や雪害といった阻害要因が発生する時期と重なっていることが大きな課題となっています。また、海外の大学入試と比較すると、真冬の一回勝負の試験を実施しているのは我が国のみとなっています。

 

このため、大学入試の受験機会を早期化、あるいは複数回化することにより、このような状況を改善・回避し、または再挑戦の機会を与えることは、受験生が本来の実力を発揮し、その結果に納得できるようにする上で重要であると考えます。

 

毎年約55万人が受験する、受験生への影響が大きい大学入試センター試験や、2020年度から実施される大学入学共通テストを対象として複数回実施など検討すべきなど、今回中間提言として取りまとめ、本日、宮川文科大臣政務官、藤原崇衆議院議員とともに、議員連盟を代表して林文科大臣に提言させて頂きました。

 

林大臣からも、改革提言の意義に大きく賛同して頂き、今後も議員連盟の皆さんから後押しをして欲しい旨、前向きなお話を頂きました。今後は、短期・中期的な課題改革に向けて、まずは来年度予算編成過程において具体的な予算項目を盛り込んで参りたいと思います。

また、そもそもどういう人材を大学で育てるか、といった根本的な問題意識をもって長期的な検討項目についても、林大臣と問題意識を共有することが出来ました。

 

 

提言の主な内容は以下になります。

 

改革提言1(短・中期)大学入学共通テストで実現すべき事項

1.追再試の有効活用と受験環境の整備

 国は、現在の大学入試センター試験においても実施されている追試験及び再試験について、大学入学共通テストでの実施にあたって、受験生への事前の周知方法を改善すること。また、試験実施時期における積雪地域の道路・線路等の除雪を強化するための支援や一般的には積雪が少ない地域における雪害への備えを促進するとともに、雪害が受験会場へのアクセスにもたらす影響を軽減するための予備会場の設置や前泊費用の補助など、受験生への支援を行うこと。

 

2. CBTの導入と試験の複数回実施

 未来投資戦略(平成30615日閣議決定)においては、「大学入学共通テストにおいて、平成36 年度から必履修科目『情報Ⅰ』などの新学習指導要領に対応した出題科目とすることについて本年度中に検討を開始し、早期に方向性を示すとともに、コンピュータ上で実施する試験(CBTなどの試験の実施方法等について検討を進める。」こととされている。国は、毎年1月に実施されることとなる大学入学共通テストについて、未来投資戦略を踏まえ、「情報」など一部の教科・科目の試験をCBTで行うことを含めた複数回実施の方法を検討・開発するとともに、実施時期を12月以前に早期化するなどの改善を図ること。

 

 

改革提言2(長期)日本の入試が目指すべき方向性-「排除する」試験から「選び抜く」試験へ-

我が国の将来を担う人材に何を求め、それを大学入試でどのように測るのか。大学に入学するための力として何を測るのかを明確にしていくことにこそ、我が国の大学入試をより良いものにしていくための本質がある。

 これまでは、大学の入学定員を上回る志願者数を絞り込むための「落とす」ための入試が行われてきた。そもそも感染症や雪害と入学者選抜をこのように慎重に取り扱わねばならない要因の一つは、国民の過度な公平・公正に対する期待に基づく、「落とす」入試が実施されていることに他ならない。国は、少子化を迎え今後それが進展していく中にあっては、「落とす」ための入試から脱却し、大学・社会が求める多様な人材を多面的・総合的な入試で「選び抜く」ため、回答者に合わせて出題内容を調整するアダプティブなCBTを幅広い教科で実現することなどにより、様々な学力層を適切に評価でき、受験生が部活等の学校活動の傍ら、受けたい試験を受けたいときにプレッシャーなく受けることができるような入試に転換していくよう検討を進めること。

 大学入試の複数回実施等、受験環境の改善にとどまらず、このような大学入試の日本社会の発展のための革命は急務であり、本議連としても、体制の在り方や必要な財政措置について引き続き実現に向けた議論を継続していく。

 

 

実現には、様々な課題があることは確かですが、今後も本議連として関係者と連携して、受験生・学生のために、必要な予算の確保や体制整備をおこない受験環境改善に向けて尽力して参ります。

 

※なお、文科省幹部裏口入学事件についても、受験生の立場を考えても許しがたい事件であり、文科省としてもしっかり対応して頂きたい旨、面会の際に付言させて頂きました。

 

全国の受験生・学生を応援する若手議員連盟会長 衆議院議員 石崎徹