『屋根の上のヴァイオリン弾き』公式ブログをご覧の皆さま、こんばんは!
本ブログをご覧頂き、誠にありがとうございます。

本日は、『屋根の上のヴァイオリン弾き』をより楽しんで頂くための豆知識を紹介する、
「屋根の上で中の人が考えてみた」、
略して《屋根で考えてみた》シリーズ第3弾です!

シリーズ第1弾、第2弾とお伝えしてきましたので、
宜しければ過去の記事もご一緒にご覧ください♪

**「屋根の上で中の人が考えてみた」《屋根で考えてみた》シリーズ!**
第1弾「ユダヤ人とダンス」
第2弾「1905年 ロシアとユダヤ」 

本日のテーマは、「ユダヤ教と"しきたり"」。
本作の1曲目のナンバーはその名も「Tradition」。
日本語では「しきたり」と訳されており、『屋根の上のヴァイオリン弾き』にとっても大事なキーワードとなります。


M1 「トラディション -しきたり-」より。
アナテフカの村人たちが手を繋いで登場するのが印象的です。

何故、こんなに「しきたり」を大事にするの?
そもそも、ユダヤ教って何?キリスト教と何が違うの?イスラム教と同じじゃないの?等々、
思われている方もいらっしゃるかと思います。

ですので、ここでは、とーーっても簡単に、かいつまんでではありますが、
なるべく分かりやすく、知っておくとより一層楽しめるよう解説したいと思います^^


まず最初に、ユダヤ教について解説いたします!
そもそも、キリスト教も、イスラム教も、原点はユダヤ教と同じ。
「この世を創った唯一の神」を信仰しているのです。
この世界を創り、人間を創り、この世の全てを知り尽くす、唯一の存在「神」です。

本来、この「神」様は、言葉とか形で表せない程、ものすごい存在なので、
名前を作って呼んだり、神様の像を作ってはいけません。

では、何故このように宗教が分かれたのか…
それは「預言者」が違うということが、大事なポイントとなります。

預言者=神の言葉を授かった人、ということで、
ユダヤ教の場合は、紀元前1200年頃に「モーセ」さんという方がエジプトのシナイ山で神の言葉を聞き、それをまとめて広めたことが始まりとされています。

更に、このモーセさんがシナイ山で聞いた神の言葉や、人間は誰に創造されたのか、
神が人間に与えられた律法等々……いわゆるユダヤ教の教えが書かれているのが、
ユダヤ教の啓典「旧約聖書」となります。

しかし、時代や民族にユダヤ教が広まるにつれ、モーセ以外にも神の言葉を授かる人(=預言者)が出てきました。
キリスト教はイエス・キリストが、
イスラム教はムハンマドが、預言者として神の言葉を伝えるのです。
これによって、ユダヤ教から宗派が分かれ、啓典も異なることになった、と言われています。


稽古場に置かれていて、誰でも読める資料の数々。
休憩時間や空いている時間になると、読みに来る方多数です。皆さん、勉強熱心!

ユダヤ教から派生したキリスト教は、とても簡単に説明してしまうと、
人間は神の似姿であり、本来神と共に生活し、神と人間はとても親しい間柄であるという考え方をしました。

ユダヤ教の人にとっては、上でも書きました通り、「神」様は言葉とか形で語ってはいけない程、
ものすごい存在なので、このキリスト教の考え方はあり得ません!
それに、ユダヤ教には「選民思想」、つまり「ユダヤ人こそは神に選ばれた民であり、ユダヤ人のみが最終的に神に救われる」という考え方がありました。

それ故、ユダヤ教はキリスト教やイスラム教とは異なり、
積極的に他民族へ布教をしようとはしませんでした。
また、自身の民族・宗教を守ろうとする意識も大変強かったと思われます。

そんなユダヤ教の啓典「旧約聖書」を見てみると、
「ノアの箱船」の話に代表されるように、神は幾度となく人間を不信仰、不道徳を理由に殺しています(⦿_⦿ ;)
神は人間をはるかに超えた存在で、その与えられた掟を守らなくてはならぬ存在…
だから、ユダヤは戒律=しきたり にものすごーく厳しいですし、絶対的にそれを守ろうとするのです。


ユダヤ人の人々にとって先生的な存在である、司祭さま(青山 達三さん)。
別名「ラビ」と呼ばれ、ユダヤ教の厳しい戒律を守り、教え、生涯を聖書の研究に捧げ、
多くの人々から尊敬されています。

時代や場所が変わるにつれ、それぞれの"しきたり"は変わっていきますが、
根本とされる"しきたり"についてご紹介。
預言者モーセさんが授かった十戒=「モーセの十戒」です。

1、主は唯一の神である。
2、神の偶像を作ったり、それを拝んではならない。
3、神の名前を無駄に呼んではいけない。
4、安息日を守らなければならない。
5、父と母を敬え。
6、殺してはならない。
7、姦淫(不倫)をしてはならない。
8、盗んではならない。
9、嘘をついてはならない。
10、欲にまみれてはいけない。

といったものです。
こちらは、ユダヤ教というよりは人としての道徳のような感じがしますね!

更には、食べ物のしきたり、安息日のしきたり、結婚のしきたり、家庭のしきたり、服装のしきたり、などなどなど。。
旧約聖書に書かれていること、あらゆることが「しきたり」として、
ユダヤ教の人々の生活には根付いています。


テヴィエの妻ゴールデ(鳳 蘭さん)の元に、縁談の話を持込む仲人のイエンテ(荒井 洸子さん)。
子供の結婚は、仲人が話を持込んで、双方の親が縁談をまとめる。
これも、「しきたり」の一つ。

それぞれの詳しいしきたりについては、またご紹介するとして…

冒頭のテヴィエさんの台詞にはこのような言葉があります。
「俺達アナテフカに住むユダヤ人はみんな、屋根の上のヴァイオリン弾きみたいなもんだ。落っこちて首の骨をおらないよう気をつけながら、愉快で素朴な調べをかき鳴らしている。
(中略)
じゃ、どうやって落っこちないようにバランスを保っているか?そいつはこの言葉しかない。
……しきたり!」


屋根の上でヴァイオリンを弾く、ヴァイオリン弾き(日比野 啓一さん)。
愉快で軽快な調べを奏でています。

迫害されてきた歴史を持つユダヤ人は、世界中を転々としてきました。
ですから、自分の土地というものを持てず、足元をしっかりと土地に根付かせることが出来ませんでした。
他人の土地に居候せざるを得ない状況です。

もしかしたら、この屋根の上のヴァイオリン弾きの不安定さこそが、流浪の民ユダヤ人そのものなのかもしれません。
不安定さの中で、何とかバランス保つ方法こそが「しきたり」。


こちらもM1 「トラディション -しきたり-」より1枚。
性別・年齢・体の大きさは違えど、全員がしっかりと手を繋いで、
まるで鎖のように連なっています。

個人個人やそれぞれの家庭での価値観が違っていては、団結を保てず崩壊してしまいます。
だからこそ、ユダヤ人としてのアイデンティティを保ち続けるため、
そして、苦しい環境の中で常に「神」を側に感じるために、「しきたり」が彼らの心に強く根付いていたのではないでしょうか。

と、ここまで書かせて頂きましたが、なんだか文字たっぷりのブログになってしまい、ごめんなさいm(_ _)m
これでも、なるべく簡略したつもりなのですが、
ながーい歴史の中で築かれてきて、色々な解釈・考え方がありますので、
気になった方は是非調べてみてくださいね♪

最後に!
メディア露出情報 を更新いたしました☆
今週土曜日18日 夜7時から、
日本テレビ「天才!志村どうぶつ園」に市村 正親さんがご出演予定です!
こちらもお見逃しなく♪


ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』
世界は変わっても、家族の絆は変わらないー
親から子へ、子から孫へと受け継がれる愛と旅立ちの物語。
記念すべき日本初演50周年公演をお見逃しなく!








【TICKET】
◆東京/日生劇場
 2017年12月5日(火)〜29日(金)
 *東宝ナビザーブ
  https://toho-navi.com/
 *東宝テレザーブ
  03-3201-7777(9:30〜17:30)

大阪/梅田芸術劇場メインホール
 2018年1月3日(水)〜8日(月)
 *梅田芸術劇場オンラインチケット
  http://ko-ume.pia.jp/

静岡/静岡市清水文化会館(マリナート) 
 2018年1月13日(土)〜14日(日)
 *マリナート窓口
  054-353-8885(9:00〜22:00 ※月曜休館・月曜祝日の場合は翌平日)
 *テレビ静岡
  054-261-7011(平日9:30〜17:30)

愛知/愛知県芸術劇場 大ホール
 2018年1月19日(金)〜21日(日)
 *キョードー東海TICKETS ONLINE
   http://kyodotokai.pia.jp/event.do?eventCd=1732642
 *キョードー東海
  052-972-7466

福岡/博多座
 2018年1月24日(水)〜28日(日)
 *博多座オンラインチケット
  http://www.hakataza.co.jp/lineup/h30-1/index.php
 *博多座電話予約センター
  092-263-5555(毎日10時〜18時)

埼玉/ウェスタ川越 大ホール 
 2018年2月10日(土)〜12月(月祝)
 *ウェスタ川越オンラインチケットサービス
   https://www.seatr.jp/Gekijouaspx/Menu.aspx?trader=163&theater=001

【STORY】
1905年―帝政ロシアの時代、アナテフカという寒村で酪農業を営むお人好しで
働き者のテヴィエ(市村正親)は、信心深くて、楽天家で、
25年連れ添っている妻のゴールデ(鳳 蘭)には頭が上がらないが、
5人の娘たちを可愛がり、貧しいながらも幸せな日々を送っていた。

長女のツァイテル(実咲凜音)、次女のホーデル(神田沙也加)、
三女のチャヴァ(唯月ふうか)、年頃の娘たちの今の最大の関心事は、自分たちの結婚について。
今日もイエンテ(荒井洸子)が、ツァイテルに縁談を持ってきている。
娘たちは気もそぞろ。娘たちにとっても、姉さんが早く結婚を決めてくれないと、
自分たちに順番が回ってこないからだ。
だが一方、ユダヤの厳格な戒律と“しきたり”に倣い、
両親の祝福が無ければ結婚は許されない。

そんなある日、金持ちで肉屋のラザール(今井清隆)からツァイテルを後妻に迎えたいと
申し出を受けたテヴィエは、酔った勢いでついつい結婚に同意してしまう。
長女の結婚相手が見つかったことで妻のゴールデも大いに喜んだが、
当のツァイテル本人には仕立屋のモーテル(入野自由)という相思相愛の存在があった。
ツァイテルとモーテルの熱意に心を動かされたテヴィエは、ついに若い二人の結婚に同意する。
が、結婚の許しを同時に二つも出してしまったテヴィエ、ゴールデやラザールに
何と切り出せば良いのやら…。
さらには、次女ホーデルは革命を志す学生のパーチック(広瀬友祐)を追ってシベリアへ旅立ち、
三女のチャヴァはロシア人学生のフョートカ(神田恭兵)と結婚したいと
言い出し駆け落ち同然で家を飛び出す始末。
そしてテヴィエ一家にも、革命の足音と共に、故郷を追われる日が刻々と迫っていたのだ―。

最後までご覧頂いた方へ、オフショット写真!


先日、11月生まれの方々をサプライズお祝い☆
発声の後、はーい稽古始めまーす!の声と同時に、
「ハッピーバースデートゥーユー♪♪」の音楽とケーキが登場し、盛り上がりました✨

本日も最後までご覧頂き、誠にありがとうございました!
次の更新もお楽しみに〜♪