微生物を排除し過ぎると免疫力が低下する
食べもの通信2024年3月号
子どもの自然療法⑦七合診療所院長 本間真二郎氏記事より転載
赤ちゃんは何でも口に入れるなど、身の回りにいる菌を避けたりしないで、むしろ積極的に取り入れていきます。
そして自分と共生できる菌は「常在菌」となり共生できない「病原菌」などは免疫で排除します。
免疫系は、生まれてからずっと自分の近くの菌と常にやりとりして、共生するのか、排除するのか、どの程度働くのかなどの調節を練習して成長していくのです。
【かつて寄生虫は過剰な免疫のストッパー】強すぎると自分までも攻撃してしまうので、そうならないようにストッパーが付いていました。
このストッパーとは、私たちの体に何万年も共存していた寄生虫でした。
寄生虫は免疫反応が強いと自分が排除されてしまうので、強すぎないようにブレーキをかけていたのです。
【今、健康を守る砦は腸内細菌などの常在菌】
しかし、日本では70年程前に、寄生虫はあっという間に駆除されてしまいました。
この頃まで日本人は平均して1種類以上の寄生虫を持っていたとされています。
私たちは免疫の強力なストッパーを失ってしまいました。
免疫が過剰に反応すると、自己免疫疾患やアレルギーを引き起こします。
寄生虫を今から私たちの体に戻すことはできません。
一度失ってしまったものを元に戻すのはとてもむずかしいのです。
ですが、私たちには免疫の過剰反応に対する、もうひとつのストッパーが残されています。それが腸内細菌などの常在菌です。
ですから、常在菌は私たちの健康の最後の砦になるのです。