腎臓は、血液中の老廃物を尿として排泄することで血液を浄化し、体内の恒常性を維持しています。その働きから「体のフィルター」とも呼ばれ、全臓器の司令塔としての役割も担っています。
【尿を作って排泄する腎臓のしくみ】体内の老廃物は主に尿を通じて排泄されます。この時血液をろ過するフィルターの役割を果たしているのが腎臓なの糸球体です。
糸球体は細い毛細血管が集まったもので、一つの腎臓に約100万個存在します。糸球体内の毛細血管は非常に高い圧力で血液をろ過し、この過程で「原尿」を作ります。
一日に約150ℓも作られる原尿から、最終的に尿として排泄されるのはその1%の1.5ℓ。原尿にはゴミだけでなく、アミノ酸等の有用成分も含まれ、これらの有用成分は尿細管で再吸収され尿として排泄されるのは不要な成分のみです。
こうして腎臓は体に必要な成分を保持しつつ老廃物を効率的に排出、人の全体重の6~7割を占める体内の水分を管理しているのです。
【加齢とともの衰える腎臓のろ過機能】
加齢とともに糸球体が壊れ、数が減少していきます。
そのため、血液中のごみをろ過する機能が低下し、体に必要な成分まで尿として排出されてしまうことになります。たんぱく尿や血尿などの症状が現れます。
一部の糸球体が壊れると、残った糸球体が過剰に働き、正常な糸球体の負担が増すので、腎臓の機能をさらに低下させることになります。
腎機能はある程度低下しても症状が出にくいのですが、放置すると心臓や脳、血管に悪影響が及び、心筋梗塞や脳卒中、感染症など重篤な病気のリスクを高めます。
加齢による腎機能の低下は避けられませんが、機能低下のスピードを遅らせることは可能です。
そのために重要なのは、生活習慣の改善や適切な健康管理といえます。
【腎機能低下を防ぐためのポイント】
血糖値の管理・高血圧の管理・加工食品を控える・タンパク質は植物性で
【腎臓の健康を維持する具体的な対策】
定期的な健康診断・適度な運動・ストレス管理・適切な水分摂取
アルコールと喫煙の制限