私は以前に、
統合失調症をもつナースと一緒に働いたことがあります。
はじめ彼女は持病を隠していたのですが、仲良くなるうちに
私にこっそり打ち明けてくれました。
そのときは姉も発病しておらず、
わたしも身近にこの病気の人がいなかったので、
医療者といえども、おどろいてしまいました。
彼女が統合失調症なことに驚いたのではなく、
自分の中の、偏見的な感情に、おどろいたのです。
こんなことを書いたら、皆さんに嫌われてしまうかもしれない・・。
でも、恥を忍んで、正直に打ち明けますが、
一番最初に感じたのは、「恐怖」でした。
急に何かをされたりするのではないかという、無知ゆえの恐怖です。
医療者の私ですらこんな有様なのです。。情けないことに。
はたから見ても、彼女の情緒は安定しており、仕事ぶりもよくて、
私とは比べ物にならないほど、すばらしい医療者でした。
しかし、陰で彼女が並ならぬ努力をしていただろうことは、
いまなら痛いほどわかるのです。
彼女はよく、「変化が怖い」と言っていました。
「今は落ち着いているから働けているけど、いつどうなるかわからない。
そのきっかけとなる変化が怖い」
と。
その恐怖というのは、私には想像できませんでした。
足元が崩れ落ちていくような感覚なのだと話してくれましたが、
どうしても実感として理解ができませんでした。
今はどこでどうされているかわかりませんが、
私が出会った中でも、素晴らしいプロフェッショナルの一人でした。
持病と人格は全く関係ないと、
当たり前のことを教えてくれた彼女をいまでも尊敬しています。