私は以前に、


統合失調症をもつナースと一緒に働いたことがあります。


はじめ彼女は持病を隠していたのですが、仲良くなるうちに


私にこっそり打ち明けてくれました。




そのときは姉も発病しておらず、


わたしも身近にこの病気の人がいなかったので、


医療者といえども、おどろいてしまいました。




彼女が統合失調症なことに驚いたのではなく、


自分の中の、偏見的な感情に、おどろいたのです。




こんなことを書いたら、皆さんに嫌われてしまうかもしれない・・。


でも、恥を忍んで、正直に打ち明けますが、


一番最初に感じたのは、「恐怖」でした。


急に何かをされたりするのではないかという、無知ゆえの恐怖です。


医療者の私ですらこんな有様なのです。。情けないことに。




はたから見ても、彼女の情緒は安定しており、仕事ぶりもよくて、


私とは比べ物にならないほど、すばらしい医療者でした。


しかし、陰で彼女が並ならぬ努力をしていただろうことは、


いまなら痛いほどわかるのです。


彼女はよく、「変化が怖い」と言っていました。


「今は落ち着いているから働けているけど、いつどうなるかわからない。


そのきっかけとなる変化が怖い」


と。



その恐怖というのは、私には想像できませんでした。



足元が崩れ落ちていくような感覚なのだと話してくれましたが、


どうしても実感として理解ができませんでした。




今はどこでどうされているかわかりませんが、


私が出会った中でも、素晴らしいプロフェッショナルの一人でした。




持病と人格は全く関係ないと、


当たり前のことを教えてくれた彼女をいまでも尊敬しています。


統合失調症の患者さんに、代謝異常が併発しやすい、

というのはよく知られたことですが、



実際には、

おくすりの副作用によって太ってしまたり、

口渇のために飲み物をたくさん飲んだりするために、

(あとは運動がすくなくなったりするために)



結果的に、肥満→代謝異常になりやすいのかなあ

と思っていました。



ところが、

胎児期に不飽和脂肪酸の代謝異常があると、

統合失調症になる可能性がある、という発表をみかけました。

(→興味のある方はこちら



かと思えば、やっぱり前出の私の意見と同じように、

内服薬や運動不足などによって、

太りやすくなりその結果、メタボリック症候群になりやすくなるのでは?

というような発表があったり、

(→興味のある方はこちら  pdfファイルです)



結局のところ、

どっちが先なのかはまだまだわからないところでしょうか。



個人的には、原因はともかく、とにかく脂質代謝に負担をかけない薬を

早く開発して欲しいと思います。






感情鈍麻(かんじょうどんま)とは、

うれしいことも悲しいことも、どこか他人のように感じられて、

文字どおり、感情がマヒしたような状態をさします。


たいして、

感情失禁(かんじょうしっきん)とは、

まるで失禁のように感情を垂れ流している状態で、

自分でも思ってもみないようなことで、とつぜん感情が

爆発してしまう状態をいいます。



まるで、ま逆な二つですが、

ごぞんじのように、どちらも統合失調症の

症状であります。




考えてみると、感情の大小はかなり個人差があるようです。



同じような状況でも、デンと構えてさほど動じない人もいれば、

(わたしのように)右往左往してしまう人もいるわけです。




感情の物差しというものがあるとすれば、

人によって、そのめもりが違うのではないかな~

なんて思ったりしています。



要は、

感じやすい人と感じにくい人がいる、ということなんですが。



一般的には、年を取るほどにめもりの幅は大きくなるようで、

感情とともに、感動なんかも小さくなっていくようです。



感情が強いときは、「生きてる」という実感もあるので、

あまり鈍麻してしまうのもあれなんですが、



やはりあまりにも激しいものは、、

自分もまわりもつらいと思います。



結局、

毎日何とかコントロールしてやっていくしかないのでしょうね

う~む。