銀木犀待ち | 松山兎月庵 文化歴史館

松山兎月庵 文化歴史館

野育ちなれど格高し・・・・

急性心不全で倒れた時にお世話になった二階・・
以来、一階の離れに移ってからはめったに二階に上がることもなく間もなく丸9年が経つ。

出張漬けだった私が兎月庵に日々居るようになってから中庭の銀木犀が毎年10月に5日程咲くことに気付くようになった。
あれこれ足し算ばかりしていた頃から随分シンプルになってみて気付いた大切な物の一つである。





辛い時期を過ごした苦い記憶ゆえに9年ほったらかしにしていた二階・・
耐震や様々な利用価値を鑑みて先日からスタッフたちと再び身軽に整えた。

ネオンが溢れたムーランルージュ仕様から純和風へ・・

「山岡鉄舟の書」





鉄舟は歴史家としての私から見れば本物の「ラストサムライ」であり、大いに尊敬する文武両道の傑士でもある。

後1ヶ月ほどしたら咲く銀木犀・・
派手に咲くでもなく、香りも僅かでパフォーマンスも殆どないが、凛として咲き、その冴ゆるキレと潔さは正にサムライ。

「整わなければ気がつかないもの、整えなければ得られないもの」

命からがらに生きてきた私に囁き諭すもの・・

有り難し。

則天去私