思いやりのある若者 | 波瀾万丈のカウンセラー カウンセリングル-ム ウェルカム 名古屋

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半世紀以上の私の人生をあからさまに書いた
カウンセラーらしくないブログですが、
波瀾万丈な私の人生が
みなさまの生きるヒントや気づきにれば幸いです♪

 

おはようございます

 

心と身体の美容家

カウンセラーの十川千惠美です赤薔薇

 

 

 

 

 

 

 

注意以下の記事&画像はお借りしたものです注意

 

 

 

 

思いやりのある若者

 

 

本当は書くべきじゃないのかも知れないが、

久々に堪らない思いになった。

 

一応、医者の端くれとして働いている。

 

こういう生業だから、

人の死に接する機会は少なくない。

 

 

 

 

少し前、

診察に訪れた若者に余命宣告をしたばかりだ。

 

俺「誠に申し上げにくいのですが…」

若者「はい」

俺「…肺癌です。しかも大分進んでいます。

はっきり言います。一年持つかどうかです」

若者「…ガ」

俺「?」

若者「ガーン……。なんちって…」

俺「…け、結構余裕ですね…」

若者「ええ、まあ…」

 

 

聞けば酒も煙草もやらないと言うのに、

何とも不憫な巡り合わせであった。

 

ただ、衝撃的な事実を告げられても、

この歳でこれほど冷静なのにも驚いた。

 

 

若者「ああー、参ったな」

俺「…」

若者「あの、入院とか治療の開始とか、

   すぐ始めないといけませんかね?」

俺「ええ、それはもう。

  すぐにでも取り掛からないと」

若者「うーん。一ヶ月待って頂けないですか?」

俺 「何かあるのですか?」

若者「母親が、来月楽しみにしていた 

   旅行があるんです。

   俺がこんなんだって知ったら、

   とても安心して行けないでしょうし」

俺「そうですか。

  ですが猶予もそう無いのが現状です」

若者「ですよねえ。参ったなあ。そういや、

   再来月は父親の誕生日なんですよ」

俺「…」

若者「参ったな、ほんと、参った…。

   時間全然足りないですよ。

   まだ、親孝行してないんですよ」

 

段々と声が震えて来る。

 

若者「両親に、いつか生でオーロラ

   見せてやるって約束したんですよ。

   このまんまじゃ、孝行どころか

   最悪の親不孝者じゃないですか…」

 

 

 

他にも、兄弟にああしてやりたかった、

友人にこうしてやりたかった、

職場で迷惑を掛ける、など、

自分の身の上よりも、

あくまで周囲を気に掛け

申し訳ないと悔やんでいた。

 

最後の方は泣き崩れてしまった。

 

こんな状況ですら、

他人の事ばかり考えられるような若者が、

どうして死を

目前としなければならないのだろうか。

 

どれだけ体験したって、

決して慣れるものじゃない。

 

そして、

こんな若者一人救えない俺の不甲斐無さに、

一緒に泣いてしまった。