最近の事ですが、職場の外の庭に興味深い植物を見つけました。
大きな葉を拡げており、中央にはオレンジ色の果実のようなものがあります(上の写真)。こんな植物は関東では見たことがありません。南国特有のゴージャスな植物です。職場の方に聞いてみると、ソテツという植物だそうです。
近づいて良く見てみると、中央部はまるで食虫植物のようです(上の写真)。
種子を何個か持って帰って、水で洗って観察してみました(上の写真)。中はほとんどが固い種で占められており、その周りを薄く柔らかい果肉のようなものが覆っています。食べてみようと思いましたが、後で述べる理由でやめておきました。
以下の記述は、ウィキペディアのソテツの項を参考にしています。
この植物、日本では、沖縄地方と九州南部に分布しています。ソテツの実は一見美味しそうに見えますが、絶対にそのまま食べてはいけません。種子には、サイカシンという毒性成分が含まれています。食べるためには、皮をはいで、時間をかけて水にさらし、発酵させ、乾燥させるなどの処理が必要です。
ソテツ地獄という言葉があります。これには2つの意味があるそうです。沖縄や奄美群島では、飢饉の際、このソテツを食料として飢えをしのいだことがあり、毒にやられて苦しんだ人が出たとか。ここから「ソテツ地獄」という言葉が生まれました。また、もう1つ、与論島でも、戦後の本土復帰後、数年は島民の生活は大変貧しく、ソテツの種子で飢えをしのいでいた時期がありました。この様子も「ソテツ地獄」と言ったそうです。
アンダンスーという沖縄料理があるそうです。このアンダンスーは、味噌を油で炒めたものだそうですが、この原料はソテツの種子で、微生物による発酵で無毒化された蘇鉄味噌(そてつみそ)を使うそうです。是非一度食べてみたいと思います。
【ソテツ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/ソテツ