Speakingの1番の問題では、たくさん気を付けることはあります。それらを「無意識に」できるようになると、自然とGood communicatorになると思うんですね。それほどgood communicatorへの道は厳しいということでしょうか。さて今回注目したいのは、「同じ土俵で戦う」ということです。たとえば「学校での成績はテストの点数だけはなくて、努力など、そのプロセスも含めるべき」という主張をするとします。できれば避けたほうがいいのは、
「これって、実際会社に勤めていてもそうなんですが、必ずしも営業の数字だけでもないんですね。日頃の努力の跡とかやはり上司は見ているので・・・」と言うとします。だから「成績にはプロセスも含めるべきだ」と。これが、本番でピンときたら、それはそれで突っ走るしかありません。けれど、考える余裕があるなら、ちょっと引っ込めておいてもよいかな、と思うんですね。
この答案だと、「それは、会社での話しですよね。」となるからです。この問題は、あくまでも「学校」を舞台にしています。だから、学校で成績を付けることの意義や目的、その「教育上の」効果などについてお話しするのが筋なんですね。あるいは、「学校と企業、あるいは社会は、同じだ」としておくか。いずれにしても、なんらかの小細工がないと、つながらないことになります。
これは「たとえ話がうまい人」にもよく起こることなんです。「紙の本はなくなりますか?」に対して「カメラが発明されても絵はなくなっていないし、レコードが発明されてもライブ音楽はなくなっていないですよ。新しい技術ができたからといって、従来の嗜好がなくなるわけではないですね。」というのは、とてもいい答えだとは思うのですが、これも「土俵を変えている」んですね。「カメラ、わかりました。レコード、わかりました。けれど、僕たちは今【紙の本】について話しているんです。」ということなんですね。
TOEFLのSpeakingは45秒しか話せません。別の土俵に移ってさらにこちらに戻ってきたりすることは難しいです。自分の答案は、「この問題が用意した土俵にあるか」を常に意識しておきましょう。