[CDアルバムレビュー] Angelo「RETINA(限定盤B)」 | トドのひとりごと。~the second~

トドのひとりごと。~the second~

更新再開!のらりくらりとやってます。


トドのひとりごと。~the second~


1.PROGRAM

2.Calvary

3.CONVICTION

4.RIP

5.SANDS OF TIME

6.Flashback

7.Arès

8.Script error

9.事象の地平線

10.Reflect

11.シナプス

12.RETINA


おすすめ度:96点



Angeloの通算5枚目・2人が加入し新体制となってからは2枚目となるオリジナルアルバム。シングル2曲が良い意味でシングル曲らしくない感じがあったのでアルバムはどうなるんかなと思ってましたが、いや~ホントにすごいアルバムです。


前作よりもさらにマニアックでゴリゴリとした聞きざわりのある攻撃的なヘヴィロックサウンドが終始広がっており、またアップテンポの曲が多いのが特徴です。風潮としては何となく2ndアルバムあたりに再び近づいて行ってるんかな…と聞いた当初は思ったんだけど、上記のアップテンポの多さに加えてその頃に比べて(キャッチーさを前面に出した3rdアルバムを経たこともあって?)ある程度のメロディのとっつきやすさがあるところが良く、マニアックさと聞き手への配慮とが良いバランス取れてるなあという感じがしました。また音の厚みやそこから感じられるパフォーマンスの躍動感はアルバムを出すごとに格段に洗練されアップしてきてて、すごく聞きごたえがあるし聞いててテンション上がります。「あの音・この音が良い」とかじゃなく、もう全部かっこいいというか迫力あって聞いてて圧倒されます…また歌詞も、以前に比べると哲学的で抽象的な傾向がやや強くなってるけど、それでも決して独りよがりにならず聞き手の心の隙間にスッと入ってくるようなフレーズ・世界観が散りばめられてたりと、純粋に「表現うまいなあ」と感じる歌詞は今作でも健在です。


またライブを意識して曲順を決めたらしく、曲ごとの世界観はバラバラながらアルバムとしての統一感が不思議とあります。そして終始一貫したサウンドながらメロディの起伏と音の強弱の付け方がうまいこともあり、最後まで胃もたれすることなく・かつ似たような曲が並んでるとかという気持ちにならずに聞けました。ちなみにアルバムタイトル曲の「RETINA」にはいろんな意味でビックリ。タイトル曲のわりに、ザクザクっとしたリズムにアンニュイな雰囲気とひねくれ感満載の音を盛り込んでいて良い意味で変態チックだし、それをアルバムラストに持ってきてることに意表突かれました…


今回のアルバムではキリトとKaryuが半分ずつ作曲を担当してます。で、前作はキリト>Karyuだったんだけど、今作では一転Karyu曲がすごいことに。疾走感と高揚感が心地よくまるで空を飛んでるかのような爽快感がある「PROGRAM」、退廃的でシリアス・それでいてどこか力強い意志を感じられる重厚なるロックナンバー「Calvary」、死の瞬間と運命を唄った歌詞の世界観ともの悲しい音を添えるピアノの音色が絶品な「CONVICTION」、狂気さを感じつつ穏やかさや切なさも見せるハードナンバー「RIP」、おどおどしくも骨太かつタイトに襲ってくる激しいナンバー「Script error」、「自由にただ描けばいい」という言葉が印象に残るセツナロックアップテンポ曲「シナプス」…色評価見てわかるとおり、6曲中6曲が緑評価ということですべてキラーチューンばりのラインナップが並んでて圧巻の一言です。


対するキリト曲も、スペーシーでデジタルなアレンジをまといつつもサビで駆け上がっていくような壮大さを放つ「Flashback」、亡き人を想う気持ちをテーマとし満天の星空が思い浮かぶかのような広がりを見せる今作唯一のスローナンバー「事象の地平線」、とキラーチューンを備えながら毎度毎度の抜群の安定性は健在なんだけど、今作ではいかんせんKaryu楽曲が素晴らしすぎてちょっとかすんでるように思えてしまうのが贅沢な悩み?といったとこかな。そこらへんの少しの差が気になったので前作よりは点数下げましたが、それでも素晴らしいアルバムでこのアルバムもハマって何度も聞いてます。ヴィジュアル系という枠を通り越してロック・メタルファン皆に一回は聞いてみてほしいアルバムですね。


そして今回買った限定盤BのDVDを見てさらにライブにすごく行きたい気持ちが強くなってます(女性の比率が高そうだけど)。ただライブ映像自体はすごく良くてノレたけど限定盤Aと前後半わけての収録はどうかと…