夏のインフルエンザ? | todakaclのブログ

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呼吸器内科開業医(救急救命15年/呼吸器40年)
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夏のインフルエンザ?

2006-07-31 12:08:51 | 健康・病気

今年は、ここ福岡でも、5月、6月になってもインフルエンザの発生が続き、学童の親御さんがたは戦戦恐恐でした。7月に下火の声が聞こえたようで、今回のブログは出遅れの感がありますが、最近の医療記事に誤った推測が多々見受けられるので。戸高なりの解釈でしかありませんが披露いたします。

そもそも、夏風邪として扱っていたものの中には、インフルエンザの4月以降の下火勢力が含まれていたと考えられます。今年だけ違ってきた理由は、インフルエンザ検査キットの改良です。一昨年まで出回っていたものは、使用期限がせいぜい半年だったので、10月、11月に購入すると4,5月で切れてる。で、10社ばかり製品があるうちの、小生が知りうる限りでは、4,5社が改良を加えて有効期限が飛躍的に伸び、うまく使えば二シーズン使えるようになったため、今シーズンの未使用分を、今年の冬用にとって置ける医療機関が増えたのです。

で、急な高熱、ひどい倦怠感、関節痛などの特徴的な症状のある方を、検査の俎上に乗せると、出るは出るは、主にB型。それで、学校なんかでは、周囲にインフルエンザ患者がいたと言う情報がきちんと伝わるもので、ますます確定診断を増やす。そんなところが、理由の一つ。と言うのが戸高的解釈です。

ちなみに、沖縄の場合は、少し趣が違います。昨年から話題になった初夏の二峰目の流行は亜熱帯型といわれ、冬場の典型のものとは違い、東南アジア諸国や中国雲南省などで一年を通して蔓延してるものの一つで、基本的には九州以北にはないものです。

情報の混乱に惑わされぬように。

 

【おまけ】  ノドの見方

ご自分でも、ノドが見れることご存知でしたか。実は、あるアメリカ映画観てて気づいたのですが、子供が熱っぽいからと、よくある洗面所の鏡をのぞきに行って、ベロを軽くつまんで自分でノドをみて、それで鏡のドア開けて何かしらクスリを飲んでたシーンがありました。

まあ、アメリカの一つの不幸がもたらした生活の知恵。医療費が高くつく社会なのと、西部劇時代(開拓時代ともいう)から、医者は何十キロも離れたところにしかいないので、軽い病気なら自分で診断してクスリも選ぶ。その点日本は何かと恵まれてたし、恵まれてる。

で、こんなことを言い出したのは、明らかに風邪の症状(熱、だるさ、くしゃみ、鼻ミズなど)があるのに、ノドは痛くない方々を診察すると、殆どがノドに異変があるのです。そのときは、「10人中4人くらいの方が、のどに異常があっても痛まないんですよ。」と伝えます。が、納得・得心の行かない方が間々いらっしゃるので、このノドの見方をお披露目してるわけです。

実際には、日本人はノドの開け方が上手なので、「あー」っと声を出して、鏡に向かって懐中電灯をこちらから鏡の中の口の中へ当て込むと、とてもよく見えます。舌圧子(ベロ押さえの道具)は要りません。一度お試しください。