鉄コン其古卍マップ制作一周年企画の第2回は、京都・祇園に点在する丸東ビル群です。八坂神社西楼門にほど近い小路上、わずか100mの間に点在するビルたちで、

高松伸作・丸東祇園ビル(1987年)


若林広幸作・丸東第15ビル(1990年)


若林広幸作・丸東第17ビル(1991年)


の3連作(?)です。

 これら3作で手間取ったのは、名称と正確な所在地の合致。「そんなのパっと分かるだろう?」と思うでしょう。ところがぎっちょん、大変だったんですョ。2018年秋時点のネット情報では、所在地が微妙に間違って=ズレていたり、ビル名がゴッチャになってたり…。

 2019年11月現在、丸東第15ビルに関しては、ビル名で検索すると正確な情報が出てきますネ。きっと、テナントさんがGoogleマイビジネスで登録してくれたおかげでしょう。

 ときに、設計を手掛けた高松伸さんと若林広幸さんは「やっちまった!」系建築の重鎮(←賞賛の意)。特に、若林さんの経歴は異色で、そもそも、大学で建築を学んでらっしゃらない。わぉ!

 若林さんの代表作として、<レンブラントプレミアム富士御殿場>や<ライフ・イン京都>、そして、建築以外では南海電鉄の特急車両<ラピート>が挙がるのですけど、これら実作をみるにつけ、とある方とのシンクロニシティを感じます。

 そ・れ・は、篠原勝之さん。そのむかし、「笑っていいとも!」に出演していた、着流し&丸ハゲ海坊主のゲージツ家。当時、珍奇に写った篠原さんの作品は、不思議と若林建築とオーバーラップします。

 金属と生物をミックスしたかのような作風は、H・R・ギーガーに原点がありそうに思うのですが、如何でしょう?

P.S.: 若林広幸さんの<鰻谷チルドレン・ミュージアム>(現存せず)は、実作になったのが奇跡の様な建築です。ご興味のある方は是非。