鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅・鉄コン其古卍 Part 25、ENEOS大みかSS(サービスステーション)です。日立市の国道245号、海沿いにあるガソリンスタンド。


ENEOS大みかSS


前出のEsso多賀SSにつづき、鉄コン其古卍シリーズはガソリンスタンド二連チャンです。


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国道245号を北行する感じで画像を送ります。

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ガソリンスタンドの建屋にしては、斬新というかキッチュ。設計者が愉しみながら思考錯誤している様がみえるようです。

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Dr. Driveのテーマカラーやロゴのない、白系一色にした方が絶対格好イイと思うんだけどなぁー。でも、こればっかりは「グループの方針」なので、そこをつつくのは酷というもの。

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スタッフさんによれば、建築年は1979年前後。ここから東南東へ350mほどのところにある日立灯台を模した、とのこと。

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灯台をモチーフにするメンタリティは、ポスト・モダンの文脈上にあるものの、装飾性は控えめ。

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ポスト・モダンといえば磯崎新氏。なんですが、氏によるつくばセンタービル(1983)と水戸芸術館(1990)は、わたくしにとっては「どうしちゃったの?」案件。「まままぁ、時代が相当前のめりだったしさ。磯崎先輩もちょっと肩に力が入り過ぎちゃってたんだネ。いやはや、お疲れ様でした!」って感じです。(どんな感じ?)

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リアルタイムで「それ」を確実に感じキャッチするのは難しいけど、個を超越した意識の潮流っていうのはあると感じます。磯崎先輩の肩に力を入れさせたのも、きっとその「何か」のせいだと思うんです。

それは、「トレンド」とか「ファッション」とはちょっと別なもので、仏教の「あらやしき」的なモノ。そういう潮流があったればこそ、施主はこのデザインを採用したんじゃないかな、と。

ご好意で建屋内も撮影させて頂きました。
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「昭和の清里」感があるように思いました。行ったことないですど!(笑

ここから国道を500mほど南進すると、メープルカフェが道路東側にあります。

モダニズム後期のメープルカフェに対して、このガソリンスタンドはポストモダンの嚆矢。現役の両者を一挙にみれる絶好のエリアだと思います!