「ボードウォーク・エンパイア3」シーズン最終話です。
<#12 戦争 Margate Sands>
一気に緊張感が加速した、シーズン3最終話。
今シーズンもホントにすごかったです。
前シーズンの最後にこのドラマの輝ける光と思っていたジミー・ダーモディがこともあろうかナッキーの手にかかり、その若き命を落としてしまって、さて一体どうやってこの物語を魅力的に引っ張っていくことができようかと、不安に思いながらのスタートでしたが…
その不安もよそに、新たな不安が今シーズンも、欲望の街を埋め尽くしまし、風のように終わってしまいました。
だいたい、1シーズン12話ですから、あっという間感はありますよね。
今シーズンは、特にダークなハードボイルドだったと思います。
そこで大きな役割を演じたのはやはり、イタリア系ギャング、ジップ・ロゼッティでしたね。
彼のキレっぷり、迫力、本当に見事で、このドラマの緊張感とダーク感を常に押し上げてくれました。
もう、あの存在感に、最初から最後までとにかくやられっぱなしでした。
と同時に、今シーズンの見どころはやはり、恋バナだったと思います。
こういうダークなハードボイルドの中で、ホッと一息つける瞬間は、そういう場面なんですよね。
とはいえ、昨シーズンからほのかに芽生えていたマーガレットとオーウェン・スレイターの関係は…、ホントに最後の方まで、希望でもあったのに、絶望に変わってしまいました。
シーズン序盤から、ナッキーの浮気によって、精神的負担を抱えつつ、病院経営に意欲を燃やしていたマーガレットでしたが、そんな彼女の情事というか恋心というか、精神的な支柱といってもよかった「スレイターさん」。あの二人のことは、複雑な思いとともに見守りながらも、でもやっぱり応援していたのに・・・
とても残念です。
ラストでマーガレットはナッキーと決別し、自らの道を選択したように描かれていましたが、今後どうするつもりなのでしょうか。マーガレットは確かにしたたかな女性ですが、ナッキーの力も借りずにたった一人でやっていけるのかどうか。しかも、このとてつもない傷心で。
とはいえ、母は強し、二人の子供を抱えて精一杯、自分の人生を生きていってほしいとも思います。
でも、ナッキーとのこと本当に終わってしまうとしたら、それもさみしいかな。
あともうひとつ、確かな癒しを与えてくれた恋バナは、リチャード・ハローに芽生えた恋心。
傷痍軍人の同僚というか先輩の娘との、本当に素敵な関係でしたが、最後には、リチャードはもう諦めたような感じでした。
彼女の家にトミーを預けて去っていってしまった。彼はもう戻らないつもりなのかも、、、分かりません。
そして、ジミーという最愛の息子を失って傷心のジリアン。強く生きているものの、やはり彼女自身がこの街の、いやしい男たちの被害者であったことは間違いないでしょう。薬をうたれてヘナヘナになっていたけれど、死ぬということはないかな。
最後に出てきたシーンで、ヘベレケになりながらもナッキーに訴えていたのは、おさない少女だったころ、ナッキーの言いつけを守って、薄汚い街の大物にいいようにされてしまった日の、あの屈辱的な思いでしょう。
切ないです。
それにしても、くだらないギャング同士の抗争と思いつつ、本当に恐ろしくて、しかも、複雑な友情関係になぜかホロリとしちゃうこのハードボイルド。
戦争には勝利したものの、喪失感に覆われたナッキーに、未来はあるのでしょうか。
来シーズンを待つよりほかありません。
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