「ボードウォーク・エンパイア3」です。
<#1 ニューイヤーズ・イブ Resolution>
ついに始まりましたね。
アメリカ禁酒法時代の暗黒史を描くドラマ「ボードウォークエンパイア」新シーズンのスタートです!
このドラマを見るときの緊張感というのか、ワクドキ感というのは、他のドラマとは正直言って一線を画す、というか圧倒的にレベルが違うんですよね、私にとっては。
いや、ほかのドラマのレベルが低いということが言いたいのではなくて、このドラマってホントに独特で、ほかにないドラマなんですよね。その事前の気持ちは、映画を観るような気持ちに近いのです。
今回、新シーズンを迎えるにあたって、一抹の不安がありました。
このドラマの中心的な役割の一つを演じてきたキャラクターに、ジミーことジェームズ・ダーモディーという人物がいたわけですが、前回、主役のナッキーが、こともあろうかジミーをその手にかけ、殺害してしまったのです。
頭を撃ち抜いていたので、実はジミーは生きていた!みたいなことはまずありえません。
ジミーは、この暗黒ドラマの中で、まぁ確かにダークな人間のひとりではあるわけだけど、若くて美しく、妻子を想う気持ちは純粋で、なんというかな、キャストの中ではちょっと希望というか、救いのある人だったんですよね。そんな人を失って、このドラマ、果たして救いはあるのか?というのが、私の主な不安だったわけです。
で、新シーズンが始まりまして、私はとんでもない勘違いをしていたということが分かりました。
このドラマを何か既存のドラマの枠に嵌めようとしていた私が間違いだったのかもしれない、と。
もうとにかくこのドラマっていうのは、スケール感、迫力、インパクトとかそういう、作品の持つ力が、超ド級なんですよね。想像を絶するんです。
今回は、大晦日の当時の風俗を描きながら、愛憎うごめく人間関係を浮き彫りにする、というものでした。
ナッキーとその妻マーガレットの関係は、外部的には円満だし、お互いがお互いを必要としていることは事実のようですが、ナッキーには愛人がいるし、それをわかってて見て見ぬふりをしながらマーガレットもオーウェンスレイターに若干の未練を残しているようで、要するにふたりの関係はかなり冷え込んでしまっています。
その二人の心の溝を象徴するそれぞれの言動があります。
1923年という新しい年を迎えようとしている米国で、女性飛行士が全国土の飛行に挑戦!みたいな話題がニュースになっていました。
それについての知人との会話でナッキーは「女は時代を切り開くんじゃなく、股でも開いてりゃいい」みたいなことを言うわけですよ。こんなことを言いつつもナッキーは比較的、女性に対しては紳士的なやさしい面もあるので、一部うそぶいている的な要素もあるわけですが。
一方のマーガレットは、彼女の飛行を見に、海岸まで出向いて、キラキラした瞳でその飛行を見つめるんですね。病院経営に参画するなど、ただの主婦では終わらない、彼女のしたたかさや情熱が垣間見えるシーンでした。
程度の差こそあれ、普通の男女の感覚の違いがよく現れていると思いました。
意識はかなり変わってきたものの、現代でも男女ってそんなものなんじゃないのでしょうか。
また、今回から主要キャストに加わったジップというギャングですが、これまた短期で切れやすく口が悪すぎで、私はホントに苦手なタイプですー。(ていうかこのドラマで苦手じゃないキャラってあんまりいませんけどねww)
彼は「ナースジャッキー」で嫌味な医師役を演じていたボビー・カナヴェイルという俳優ですが、このキレすぎな演技には脱帽しました。顔を見るだけで神経凍りつく、みたいなキャラで、もうホントに二度と会いたくないタイプの怖いギャングです。
この人が絡んでくると、ナッキーの一人勝ちみたいな人間関係の構図も少しずつ歪んできて、またいろんなところで残虐物語が繰り広げられそうですよね。乞うご期待、というか怖いもの見たさですね。
というわけで、ジミー亡き後どうやってこの物語を魅力的に引っ張っていこうとしているのかという一抹の不安は、まったく別の、新しい緊張感にかき消されていきました。
今後の展開もますます楽しみです。
▼本日もお読みいただきありがとうございます!
にほんブログ村