人を受け入れる空気 | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。



秋ですね。

気持ちの良い風の中に、

今日はキンモクセイの香りを感じ、

嬉しくなりました。


とぶくじらのミュージカルも、

少しずつ進んでいます。


まるで遊んでいるような、

ガチャガチャしたやりとり。


待ち時間も練習してる子、

サボっている子、

喋っている子…


でも、

この時期が

すごく大事です。


互いの性格を知り、

待つことができる忍耐力があるか、

やるべき時にスイッチを入れられるか、

混沌としているからこそ、

互いを知るチャンスです。


日常の毒気がぬけていくのも

この時期です。


日頃の不満や日々の

ごちゃごちゃした気持ちが、

子どもの立ち居振る舞いから

見えてきます。


指導する加減も

その様子で変えていきます。


今日はたくさん練習、

ふざけてちょいとだけにする練習、

ポイントをしっかりやる練習、

踊り中心、歌中心、

演技中心の練習にするかも、

その日のその仲間に合うように

構成していきます。


私の師匠はこれを

「生きた混沌」と呼び、

そこに飛び込めば、

命が沸いてくると言っています。


私も子ども達をみながら、

それを実感します。


子どものわがままも、

この時はおおらかに見ます。


自分を出して認められるから、

他人を受け入れられる。


自分が認められていないのに、

人を受け止め、

理解することを求めるのは、

順番が違うと思います。


でも、大人は

つい、

親としてや教師としての

自分の思いを理解して、

努力することを子どもに求めがちです。


先日、

以前とぶくじらにいた子が、

高校入試の推薦文を書いてほしいと

来てくれました。


すっかり成長していましたが、

優しい笑顔と、

好奇心に輝く瞳は、

変わらないままでした。



その子は、

コロナ禍にミュージカルをしていた時、

早く来て、

ボソボソと私に日々の話をしてくれたり、

参考書を開いて、

マイペースに勉強したりしていました。


私が彼女と話をするのを

楽しみにするようになると、

彼女はボソボソから、

ワクワクと、

しゃべってくれるようになりました。


すると、

その明るく楽しい空気が、

会場に満ちて、

練習に来る子がみんな

笑顔になりやすくなりました。


彼女に会いたくて

早くから来る子も現れました。


彼女は疲れている日も、

嫌な顔もせず、

楽しく喋ってくれるようになりました。


コロナ禍の緊張して

重く疲れた子どもたちの空気が、

いつも優しく柔らかく、

あたたかくなりました。


彼女が教室の空気を変えてくれました。


懐かしいな。


彼女が周りを受け入れ、

自分の居心地の良い空間を作る姿、

可愛かったなぁ。


人の考えを変えたり、

自分の思いを理解してもらおうと

押しつけたりせず、

空間から変えていく彼女の優しさを

嬉しく思い出しました。