今年の子どもミュージカル
『西遊記』の第一公演にのみ、
「ハンマー妖怪」という
ピコピコハンマーを使う妖怪が
出てきます。
どんな衣装か迷っていたら、
本人の強い希望で、
ハンマーの柄を大きく入れてほしい、と。
うむむむ…
金閣、銀閣の出るシーンの妖怪だから、
それに合わせたデザインで、
プラス
ハンマー柄!
作りました!
帽子もそれっぽく。
次回、
彼に着せるのが楽しみです。
一人一人の想いに寄り添って、
次の練習で喜んでほしくて、
それを力にまだ練習を楽しんでほしくて、
考えて悩んで頑張って作っています。
でも、
子どもたちは気ままなもんで、
こちらが気合いを入れて
思いをこめて作っても、
機嫌が悪い日もあれば、
衣装が気に入らなくて
喜んでもらえないこともあるし、
休むこともあります。
つい、
こんなに思いをかけて頑張ってるのに!
と、
見返りを求めたくなってしまう自分と、
この時期はしょっちゅう戦います。
この時、
人はそれぞれの思いで生きている、と、
自分を戒めることを、
私は大事にしています。
私には
ミュージカルが一番で、
その子達が大事で、
そのイメージに寄り添ったつもりでも、
その子達にはその子達の人生があり、
イメージがあり、
気分があります。
見返りを求めずに、
自分の喜びとして衣装を作ること。
子どもと喜びを共有できるよう、
私は四苦八苦しながら、
乗り越えていく達成感を味わうこと。
いつか、
子どもたちが育った時、
見返りを求められず、
のびのびできたあたたかさが、
次の成長につながると信じて。
人にかけた思いに対して、
見返りを求めたら、
相手には負担でしかないことを、
思いが深いからこそ、
気をつけたいです。
これはきっと、
親が子にかける愛情や、
恋人同士でも
よく似たことが起きているんだろうな、
と、思います。
こんなに思っているのに、
どうして期待に応えてくれないの?
それは、思った側の勝手な思いで、
思いの押し売りになってしまいます。
思いが大き過ぎれば、
相手を潰してしまうこともあるでしょう。
自分が、
がんばるのは、
あくまでも
自分の喜びのためであるように。
自分がそこに思いを込められるほど、
好きなものを持てていることを
幸せに感じるように。
今、
蜘蛛の妖怪の衣装は、
お母様方が持ち帰り、
蜘蛛の巣を作ってくれています。
こうして、協力してもらえることで、
また、
力を得てがんばれます。