とぶくじらのミュージカルが、
本番に向けて、
ラストスパートに入りました。
最近やり始めた練習は、
「戦いのシーン」。
原作にはないのですが、
竜宮城に攻めてくるサメと、
竜宮城を守ろうとする乙姫や魚たちは戦い、
うらしまは逃げ回る、というシーンです。
とぶくじらでは、
こんなふうな、
全体の戦いや追いかけっこ、
みたいな演出を、
あえて、必ずいれるようにしています。
それは、
全体の中で自分の立場を理解し、
全体として大きく動き回る中、
自分の役割を把握し、
全身で動いていく、
生きた学びになるからです。
大勢がワーっと動くと、
その勢いと非現実的な空気に、
頭が働かなくなって、
ついていくだけになったり、
指示を待ってしか動けなくなったり、
しゃがみこんでしまったり
してしまいがちです。
でも、なにかハプニングが起きた時、
全体を見て、
自分のできることに
積極的に頭を働かせて、
動くことができるには、
普段からそういう頭の使い方をして、
動いたことがないと難しいものです。
日本の教育は、
まじめに静かにさせて、
ピシッとさせた中で全体が動く練習をします。
運動会でも学芸会でも、
シーンとさせて練習します。
指導はしやすいし、
何をやっているかも、
わかりやすいからです。
でも、賑やかな中でも、
自分に必要な情報をキャッチして、
自立して動くことも、
社会では必要な力だと私は思うからです。
初めてやる子は、
周りの勢いと、
次々進んでいく演出にとまどい、
キョロキョロして、
出遅れて危うく人と
ぶつかりそうになったりしています。
でも、緊張感を持って、
集中して練習したら、
怪我はしません。
小さい子だって、
怪我したくないから、
結構、必死に全身でやるから、
すぐに覚えて動けるようになります。
そしたら、全体で動くのは
楽しくなります。
今日は、
乙姫とサメのカシラの魔王の戦いに
力をいれて練習しました。
普段の練習では、
練習の合間をぬって、
ふざけて遊んでばかりいる子と、
意志が強くてこちらの演出が
気に入らないとやってくれない子。
普段は私がちょっぴり苦戦している二人が、
戦いになって剣を合わせた瞬間、
スイッチが入り、
動きをすぐに覚えて、
好きなようにアレンジし、
すぐに迫力満点の勢いで
剣を交えていました。
積極的に自分の役割を理解し、
立ち回りをする姿はすごくカッコいい!
相手の動きもキャッチして、
剣が上に来たらしゃがみ、
後ろから来られても
ヒラリと身を交わし、
女子2人はあげく、
棒を折ってしまうまで、
大笑いして戦っていました。
歌がうまくなったり、
踊りがうまくなるような
ミュージカルではないけれど、
心と体と頭をフル回転に使って、
自分の在り方で行動できる力を養うのが、
とぶくじらのやり方。
さあ、本番は、
どんな迫力のある戦いになるか…
楽しみです!