ミートローフの恐怖 | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


こどものため、
と、いうことを考える時、
私は時々、
小さい頃の誕生日を思い出します。

母は凝った料理が好きな人でした。

誕生日に「何が食べたい?」
と聞かれて、
私は「ハンバーグ!」と、
当時の好物を答えていました。

すると、誕生日には
ミートローフが出てきました。

ひき肉の中にゆで卵やインゲン、
ニンジンが入っていて、
しかも周りはベーコンで巻かれて、
オーブンで長時間焼かれたアレ!

私は、ミートローフはそんなに
好きじゃありませんでした。

ひき肉は固められ、
味は複雑になり、
ケチャップをつけることは
母の美徳に反するから、
つけさせてもらえませんでした。

私は子どもの時、
単純で分かりやすいご飯、
見た目も形も味も、
わかりやすいものが好きでした。

複雑なのは、
社会の構造だけで十分でしたから。 

でも、母は凝った料理が好きだから、
カレーには山ほど隠し味が入っていたし、
ご飯も炊き込みご飯が多いし、
卵焼きにも中身がギッシリ。

「我が子を思って、
お母さんはこんなに頑張った!」

これは、昔から母の口癖でした。

私はいつも、
口元まで
「頼んでないよ!」
「私がしてほしいのは、それじゃない!」
が、でかかっていました。

でも、
かわいいこどもでいたかったので、
「お母さん、おいしい」と、
言っていました。

こどものためにがんばるのは、
私の喜びのためであるべきで、
それをこどもに喜んでほしいと
強要する大人にはならない。

その時に、たびたび誓っていました。

結果的に喜んでもらえたら、
それは互いによかったことだけど、
喜んでくれないのに落ち込むのは違う。

喜びを強要してはいけない。

こどものために努力するなら、
それは本当にこどもが望むことを
よく考慮したうえでなくちゃ!と。

でも、大人になって、
こどもにしてあげることができる
立場になると、
母とよく似た私がいるのに気づきます。

衣装のことも、
時々、
誰のためにこんなに頑張ってるんだ?!

と、なった時、
振り返り、
「そう、私がそうしたいから!」と、
軸を戻します。

してあげられるから、
してあげるんじゃなく、
一緒に喜びを分かち合う存在でいたいです。

自分の思い描くこどもじゃなく、
本当に目の前にいるこどもを、
いつも見続け、
時代と共に変化するこどもたちを、
いつも感じていたいです。

だって、
こんな面白い生き物はいないから!

いつも何考えてるか突拍子もなくて、
でも素直で誠実で、
そのくせずる賢くて、
いつも成長し続けている。

まさに宇宙そのもの。

私がこどもに、
ミートローフの恐怖を味わわせないよう、
もし、
そんな私を見かけたら、
注意してくださいね!