こどもの気持ちと眠れない日々 | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。



とぶくじらのこどもミュージカル、
役決めの後半がスタート。

いよいよ役の候補を絞り込みます。

前回の役決めで、
自分を出すことがしやすくなっているので、
本音を声から出せるように、
長めの演技的なセリフを見ていきます。

そして、その中に、
こどもたちがコロナ禍で
我慢している感情を吐き出しやすいよう、
怒りや悔しさのあるセリフも織り混ぜて、
セリフを言わせていきました。

それを私が正面で、
一人のスタッフが横から見ます。

真正面から見ていると、
みんなの役への情熱が伝わります。

大人しく見えても、
なりたい役への熱い心は息から伝わり、
また、性格の本質も声に表れるから、
その子の希望と個性を捉えて、
本当に合う役にあてていくのです。

いつも、その思いの熱さに
やけどしそうになるのですが…

今年は役決めをした日は、
どうも胸が苦しくて眠れません。

苦しくて泣きたくなったり、
何も考えたくなくなってだらりとしたり、
人のぬくもりが恋しくなったり、
一人でいるのが辛くなったりします。

なんでだろう?
いつも役決め後は、
充実してワクワクするのに…

そこで、ハッとしました。

こどもたちが、
コロナ禍で我慢している気持ち、
あまりに痛くて苦しいことが、
セリフの声を通じて発散されていて、
私はまともにそれを受けているんだと。

あんなに明るく、
楽しそうに見えるこどもたち。

でも、一人一人の中は、
こんなに苦しいのか…と、
浅い眠りから目覚めた起きづらい朝、
絶望的な気持ちで思います。

いや、 
単に私のネガティブ思考?
取り越し苦労?
かと思いきや、
一緒にいるスタッフも、
最近、夜中にハッと目が覚めると聞き、
確信しました。

この苦しさは、
こどもたちの胸の痛みです。

私はその声と息から、
共感して苦しくって
眠れないのです。

毎日のマスク生活、
短くなった夏休み、
遊び場も制限がかかり、
学校の楽しい行事も減っている。

周りの大人もピリピリムード。
安心できる場は少ない。

そして、暑すぎる毎日。 

こどもは大人ほど文句を言葉にしないし、
乗り越える力が強いから、
わりと平気な顔をしていたり、
明るくふるまっていたり…

だから、
大人はつい、
こどもは平気だと思ってしまいがちです。

でも、こどもだって、かなり疲れている。

周りの大人が、
もっともっと、
それを理解していたら、
こどもたちはもう少し
気持ちがラクになるだろうなと、
心から願います。

そして、たくさんの我慢を
真正面から受けた私が
眠れなくなるくらい、
強く発散できる場所になっているなら
とぶくじらを作ってよかったと
私は思いました。

私は、夜に眠れないのを焦らずに、
寸暇を惜しんで、
昼寝と寝坊でやり過ごそう!