こどもミュージカルの練習をしようと、
こどもたちを集めると、
それぞれみんな好きな場所に座ります。
とぶくじらでは、
学年ごとに並べたり、
地域ごとに集めたり、
基本的にはしません。
みんなが思い思いに好きな場所に
座ることを大事にしています。
そうすると、
集まっている子たちの気持ちが、
座る場所で見えてくるからです。
入り口近くにひっそり座っている子は、
いつでも逃げ出せるようにいるので、
あまり乗り気じゃない様子。
全体を客観的に見たい子は、
壁にくっついて座ります。
やる気満々な子は、
私の膝に足をくっつけて、
すごく近くに座り、
ずっと話しかけてくれます。
仲間と戯れている子は、
ドキドキがあるから、
安心できる人に身を寄せてる。
走り回って、パワーを発散しながら、
様子を見てる子もいます。
机の下なもぐりこみ、
自分の居場所を確保する子。
ほどよい真ん中に座る子は、
バランスを大事にする
気遣いのある子。
お母さんのそばにくっつく子は、
意外とやる気があります。
お母さんパワーをチャージして、
やりたくなったら
飛び出そうとするからです。
周りの目が気になるから、
直前まで本を読んだりして、
気をそらす子。
リーダーや先生にくっつく子は、
安全な場所から、
先生の視点で物をみたい。
それぞれがそれぞれの思いで
参加します。
だから、まずは、そのことを
十分に保証してスタートすると、
互いの距離感を意識するから、
怪我になりません。
私にくっついてる子は、
基本的にはくっつけたまま、
指導しています。
おんぶしたままだったり、
足にしがみついたままだったり。
それでも、平気に指導していると、
入れる場所が見つかったら、
こどもは自ら私から離れていきます。
面白いのは、
本番直後です。
あんなに直前まで
「先生、先生!」と甘えた子たちも、
本番が終わると自信に満ちて、
私より共に過ごした仲間のもとへ
かけ寄ります。
私はその姿を見ると、
大成功したと嬉しくなります。
舞台の成功は、
先生のためのものじゃないからです。
自分たちの力で仲間を作り、
自分たちの力で作品を作り、
自分たちの力で成功させる。
私の存在は、
手助けに過ぎません。
さあ、コロナの影響で、
仲良しと近づいて座るのは、
難しいスタートになるかもしれません。
どうやったら、
その自由な空間が保証できるか…
考えものです。
とぶくじらのみんなへのお手紙は、
学校再開の目処や
緊急事態宣言解除の様子を見ているため、
まだ、送れていません。
少々お待ちを。